冬こそ気をつけたい“隠れ脱水”!知っておきたい「簡単な3つの対策」
冬の代表的な体調不良のひとつに脱水があります。「脱水は夏の体調不良では?」とお思いの方も多いかもしれませんが、じつは、冬こそ「隠れ脱水」に気をつけるべきなのです。
今回は、冬の体調不良に悩んでいる方に、隠れ脱水の原因や兆候、そして隠れ脱水を防ぐ方法についてもご紹介します。
冬に隠れ脱水になってしまう理由
人のからだは、半分以上が水分でできています。水分は「体液」と呼ばれ、血液のほかに、リンパ液や消化液、組織間液などで構成されています。そして、からだは常に体液のバランスを一定に保っているのです。
しかし、秋から冬にかけては湿度が低下し、空気が乾燥しやすくなります。汗、尿だけでなく、皮膚からもどんどん水分が失われ、からだの中の水分バランスが偏っていき、体液が足りない「隠れ脱水」状態になります。
これが隠れ脱水のサイン!主な症状は?
続いては、隠れ脱水のサインについてです。
まず、代表的なのが口の渇きや唇、皮膚の乾燥です。水を飲んだり保湿しても不調が改善しない場合は隠れ脱水が疑われます。自覚症状を感じる頃にはすでに隠れ脱水が進んでいて、体内の水分量が足りていない状態です。
そして、疲労感も隠れ脱水の大きな特徴。水分が不足すると疲れやすくなります。ほかには、頭痛やめまい、立ちくらみなどの症状があらわれます。
また、食欲不振、嘔吐などのほか、隠れ脱水が悪化すると尿量や血圧の低下、循環不全などが起こる場合も。血液中の水分が減少することで、脳梗塞や心筋梗塞につながることもあります。
隠れ脱水を防ぐ3つの方法
ここからは、隠れ脱水を防ぐための3つの方法をご紹介します。
1.適切な水分補給
人間には、1日2.5リットルの水分が必要です。必要な水分摂取量のうち、食事から摂る水分は1リットル、体内で作られる水分は0.3リットルなので、1.2リットルを飲み水として摂取する必要があります。
とくに、入浴や就寝中は水分を失いやすいので、お風呂に入ったあとや、寝る前に水分を摂取し、隠れ脱水を防ぎましょう。
2.ミネラルの摂取
水分と同時にしっかり摂取したいのがナトリウム、カリウムなどのミネラルです。ミネラルをきちんと摂らないで水だけ摂取しても、からだは体液のバランスを保とうとして、水分を排泄してしまいます。
また、ミネラルは体内で合成できないため、食物として摂取する必要があります。ミネラルが豊富な食物は、味噌、スルメ、アーモンドなどです。栄養バランスを考えて摂取しましょう。
3.部屋の湿度をキープする
からだの乾燥を防ぐには、部屋の湿度を50~60%に保ちましょう。冬はとくに乾燥しやすいので、加湿器や水を貼った洗面器、濡れタオルなどを使用し、部屋の空気を乾燥させないようにしてください。
ただし、湿度が60%を超えると今度はカビやダニなどが発生しやすくなるので、湿度計を見ながら、加湿しすぎないように調整しましょう。
隠れ脱水におすすめの漢方薬
隠れ脱水の対策には漢方薬もおすすめです。
漢方の基本理念は根本からの体質改善です。一時的に症状を和らげるだけではなく、不調の原因にアプローチすることができます。
また、漢方薬は植物・鉱物などの自然の生薬で構成されていて、一般的に副作用が少ないといわれています。初めての人でも安心して利用できる点もメリットです。
隠れ脱水の対策には、「水分代謝機能を高め、脱水を防ぐ」「水の巡りをよくし、からだ全体に必要な水分を届ける」「胃腸の機能を回復し、水分の吸収効率を上げる」といった漢方薬を使用しましょう。
隠れ脱水の対策におすすめの漢方薬
・五苓散(ごれいさん):体内の水分の停滞を改善し、水分の巡りを整え、水分バランスを調整し、むくみや頭痛などを改善します。
・麦門冬湯(ばくもんどうとう):胃の働きを整え、のどや気管の粘膜にうるおいを与え、空咳や痰の切れにくい咳を改善します。
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
*
冬は「隠れ脱水」が起こりやすい季節です。のどの渇きや肌の乾燥、頭痛、めまいが起きていたら要注意。適切な水分補給、ミネラルの摂取、湿度をきちんと管理し、隠れ脱水を予防していきましょう。
<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
(ハピママ*/あんしん漢方)