出資も視野に日本ロレアルがデジタル技術とAIのピッチイベント「Big Bang プロジェクト」を始動
日本ロレアルは3月21日、事業戦略説明会を開催し、2025年度の展望について説明した。フランスのロレアルグループ(L’Oreal Group)は、2023年にオーストラリア発のスキンケアブランド「イソップ(Aesop)」をナチュラ(Natura & Co)から約25億ドル(約3321億円*、買収当時のレートで算出)で買収しており、2024年は前年同期比11.7%増の成長だった。
2025年は新ブランドの創設や獲得、ターゲットの拡大、イノベーションの3つを成長戦略の柱としている。その一環として、STATION Ai社が運営するオープンイノベーション拠点「STATION Ai」と協力し、デジタル技術とAI(人工知能)をベースにビューティービジネスへのイノベーションに取り組むスタートアップを募集するピッチイベント「ロレアル Big Bang ビューティーテック イノベーション 日本選考 2025(以下、Big Bang プロジェクト)」を始動する。
「Big Bang プロジェクト」では、新たにマーケディングイノベーション部門を設立し、楽天グループやサイバーエージェントなども参加する。選出されたスタートアップには、ロレアルグループとの共同開発や提携、中国で最大級の国際展示会「中国国際輸入博覧会(CIIE)」への参加支援などが提供される。さらに、画期的な技術力を持つスタートアップには、出資の可能性も検討していく。
事業戦略説明会に登壇した日本ロレアルのジャン-ピエール・シャリトン(Jean-Pierre Charriton)社長は、「ロレアルにとって、イノベーションが成長のひとつの柱になる」と、力強く話す。日本ロレアルは、生成AIを搭載し、美容に関するあらゆる情報を得ることができる「ビューティー ジーニアス(Beauty Genius)」を展開しているが、ジャン-ピエール・シャリトン社長は日本向けもしくは日本から着想を得て開発されたイノベーティブな製品を今後も展開していく考えを明かした。
「Big Bang プロジェクト」は、マーケディングイノベーション部門、リサーチ&イノベーション部門ともに募集を開始しており、4月30日が締切となる。