お通じケアには「不溶性食物繊維」が多いきのこを摂ろう!
野村邦丸がパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・毎週月曜から木曜9時~13時)内で火曜日の11時半ごろから放送されている「ホクトpresents きのこで菌活~カモン健康!」。きのこを食べて身体の内側から「健康」になる方法について、「日頃の生活の中で気になる健康」をテーマに、毎週、その道の専門家に話を聴く。
今週は、後楽園胃腸内視鏡クリニック院長の大和彩乃先生に「お通じケア」というテーマで話を伺った。
季節の変わり目は便秘になりやすい人が多いと言われるが、秋に便秘になってしまう原因は冷たい飲み物、食べ物を多く摂り、身体が冷えてしまったというケースが挙げられる。身体を冷やすことで血流が滞って新陳代謝も低下するため、便秘の原因になるようだ。また、夏の暑さによる不快やだるさが心身のストレスの原因になり、夏のストレスを引きずることによって、秋の初めは便秘になりやすくなるようだ。
そもそも便秘には様々な原因がある。運動不足や腹筋力の低下、水分・食物の摂取不足、ストレスによる腸の働きの低下などが原因で起こる場合もあれば、消化器疾患が原因となって起こる場合もある。便秘の中で、最も多いのが大腸のトラブル。大腸のぜん動運動の動きが低下して便を押し出せなくなり、大腸内に便が溜まり、便から水分がなくなっていき、やがて便が硬くなって出にくくなってしまうという。
では、日々の生活習慣で改善できる予防や改善方法はあるのだろうか…。
大和「ストレスを溜めないように、リフレッシュや休養の時間を作ったり、定期的に体を動かして、運動不足も解消すると良いと思います。また身体を冷やさないことや毎日規則正しい生活を送ることで、腸内環境を整えることができます」
邦丸「食事面ではどうですか?どんな栄養素を取ればいいでしょうか?」
大和「そうですね。食事面では食物繊維を摂ることが非常に大切です。食物繊維は水に溶けやすい性質を持つ「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい性質を持つ「不溶性食物繊維」の2種類に分類され、それぞれ異なる特徴を持っています。水溶性食物繊維は体内で水分に溶け込んで粘性を持つため、胃から小腸への食べ物の移動を緩やかにします。そのため、急激な血糖値の上昇防止も期待されています。一方で、不溶性食物繊維は体内で水分を含みながら体積を増していくため、便のかさを増したり、腸を刺激したりすることによって排便を促してくれます。また、食物繊維は善玉菌の餌となって善玉菌を育てて増やしていくことで、腸の老廃物を絡めとって排出を促したりすることで、腸内環境を整えてくれます。腸には多くの自律神経が集まっているほか、免疫細胞の7割が腸に集まっていますので、メンタルケアや免理力アップにもつながります」
邦丸「食物繊維を摂るにはどんなものを食べればいいですか?」
大和「秋も味覚の1つのきのこがおすすめです。きのこを食べると腸内の「短鎖脂肪酸」が増加するというデータがあります。短鎖脂肪酸は、食物繊維やオリゴ糖などの大腸で消化しにくい難消化性炭水化物を摂取したときに、腸内で善玉菌によって分解される際に生み出されます。短鎖脂肪酸は、腸の健康に役立つだけでなく、肥満予防やコレステロールの合成抑制など、身体全体にさまざまな嬉しい効果をもたらすことがわかってきています。そして、きのこに豊富に含まれる食物繊維は、全体的に不溶性食物繊維が多めです。そのため、きのこで食物繊維をとることによって、整腸作用や食べ過ぎ防止なども期待できます」
邦丸「食物繊維の豊富なきのこを摂り入れた食事で腸内環境を整えることで、お通じ改善効果も期待できるというわけですな」