相模原市で「第28回甲州街道小原宿本陣祭」が11月3日に開催。のどかな山里風景の中をゆく大名行列は必見!
江戸時代に宿場として栄えた神奈川県相模原市の甲州街道小原宿(おばらじゅく)で、「第28回甲州街道小原宿本陣祭」が2024年11月3日(日・祝)に行われる。参勤交代を再現した大名行列をはじめ本陣太鼓の演奏や火縄銃演武など歴史情緒あふれる催しを見学して、地域の歴史を楽しく学ぼう。
神奈川県下で唯一現存する小原宿本陣
相模湖の東部にある小原宿は、江戸時代、甲州街道の9番目の宿場として栄えた。宿場には本陣と呼ばれる、参勤交代の際に諸大名や幕府の役人、公家衆などが使った休憩宿泊施設があり、東海道や甲州街道に置かれた神奈川県下の26の本陣の中で唯一現存するのが小原宿本陣だ。小原地区一帯は純日本風の立派な建造物の小原宿本陣を中心に往時の面影を残している。
そんな地域の歴史文化を後世に伝えるべく開催されるのが「甲州街道小原宿本陣祭」だ。当日は12時頃から江戸時代の参勤交代を再現した大名行列が行われる。「した~に~!、した~に~!」と声を挙げて行列を先導する供侍に続き、奴(やっこ)、奉行、殿様、姫様、腰元など総勢約70人が悠々と練り歩き、まるで時代劇のワンシーンを見ているようだ。
また、道中にはこんな見どころも。甲州街道の道幅いっぱいに広がって「奴の舞」が披露される。奴の舞は本陣祭を立ち上げた約30年前につくられた小原独自の踊り。コロナ禍以降はイベントを開催できる喜びを表現した舞も加わり、現在は2種類の舞を楽しめる。「地元保存会のメンバーが、長さ4m近くもある重たい毛槍を持ち上げながら踊ります。特に毛槍を投げ渡す様は圧巻です」と教えてくれたのは実行委員会の小俣哲夫さん。
和太鼓や火縄銃の演武も見逃せない!
また、沿道では本陣太鼓の演奏や火縄銃鉄砲隊による迫力ある演武などが行われる。相模湖本陣太鼓弁天会が演奏する本陣太鼓は、馬のひづめの音をリズム化し戦国時代の合戦の様子を表現した勇壮な太鼓で、行列が出陣するときと帰着したときの2回演奏される。また、出陣太鼓の後には川越藩火縄銃鉄砲隊保存会による発砲演武も。隊列を組んだ鉄砲隊が空に向かって銃を構え、「放て!」の号令で一斉に撃ち放たれる。火縄銃のごう音が会場に響きわたって迫力満点だ。
さらに、ここ数年「見る」が主体の祭りから幅を広げて「体験する」楽しみも加わった。そのひとつが「江戸っぽいコンテスト」。自身が思い描く江戸時代の衣装をまとえば誰でも参加可能だ。華やかな衣装をまとったコスプレイヤーも参加してイベントを盛り上げる。それ以外に共侍の掛け声を叫ぶ「大声コンテスト」も実施。「どちらも当日申し込みなので、ぜひ気軽に参加していただけたら」と小俣さん。
さらに小原の郷の広場では地元や近隣地域の特産品販売や模擬店、ステージイベントも。普段はのどかな山里の風景が広がる小原地区だが、この日は江戸時代のにぎわいがよみがえるような一日に。さまざまな催しを楽しみながら、地域の歴史に触れよう。
開催概要
「第28回甲州街道小原宿本陣祭」
開催日:2024年11月3日(日・祝)
開催時間:10:00~15:30
会場:甲州街道小原宿(神奈川県相模原市緑区小原)
アクセス:JR中央本線相模湖駅から徒歩20分
【問い合わせ先】
甲州街道小原宿本陣祭実行委員会 info@obarahonjin.com
公式HP:https://obarahonjin.com/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供