八王子市 国の交付金対象に選出 介護予防の取り組みが評価
八王子市は5月13日、介護予防などに優れた取り組みを行っている自治体に対し厚生労働省が交付する「保険者機能強化推進交付金成果指向型配分枠」に選出されたと発表した。交付対象に選ばれたのは、全国で15自治体のみ。八王子市には1億1676万2000円が交付される。
全国的に少子高齢化が進む中、多くの自治体が介護予防の普及啓発に力を入れているが、参加者が毎回同じ顔ぶれになってしまうなど、住民の9割以上に手が届かない、いわゆる「介護予防の焼け石に水」問題に直面している。八王子市ではこうした現状に対応しようと、高齢者を対象にした複数の取り組みを組み合わせて「脱・焼け石に水」に挑戦してきたことが評価された。
特徴的な取り組みとしては、スマートフォンアプリを使ったポイント付与で高齢者の活動を促す「てくポ」(2021年から実施)、オンラインで参加できる運動プログラムの「SOFT」(24年から本格実施)、要介護状態になる前に元の暮らしを取り戻す支援をする「短期集中予防サービス」(21年から本格実施)などがあり、さらにデータ分析を通じてこれらのサービスを支える「EBPMプラットフォーム」(22年から都の補助で民間が実施、23年から市が委託)という仕組みを並行して行ってきた。
交付金の活用方法について市は「優れた取り組みの好循環を生むための交付金。具体的な内容についてはこれから検討を重ねていく」としている。
SOFT初の対面集会
東京たま未来メッセで5月20日、SOFT集会が開かれた。SOFTはSlowOnlineFitnessの略で、公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所(戸吹町)が開発したフレイル予防などにつながる運動プログラム。週に1回ライブ配信が行われており、地域の通いの場など市内約50カ所で月当たり延べ2300人以上が参加している。
この日は初の対面イベントとなり、人気のインストラクターから直接指導を受けられるとあって約250人が会場に集った。参加者は配布された青いTシャツを身に付け、インストラクターの軽妙な指導に笑顔を浮かべながらSOFTに汗を流した。由木から友人と参加した80代の女性は「大勢で集まってやるのも楽しい。SOFTはゆっくりとした動きだから続けられる」と語った。会場では脳体力チェックや個別相談会も行われた。終わりに同研究所は「SOFTはまだ始まったばかり。ぜひ定期的に参加し、周囲に広めることで皆さんの力で育てていただければ」と参加者に呼びかけた。