「今年は天然遡上量が多い!」2025年鮎(アユ)釣りおすすめ河川:相模川
神奈川県の旧国名・相模国を冠した河川が相模川。富士北麓の忍野八海や山中湖を水源とし、東進または北進したあと、相模原市緑区内で進路を変え、神奈川県の中央部を南進し相模湾へ流入する。山梨県内では桂川、河口付近では馬入川と呼ばれる。古くは鮎川とも呼ばれアユ漁が盛んで、相模川のアユは江戸将軍家に献上されていた。
尺級も期待できる相模川
相模川のアユ釣りは、初期は数釣り、盛期以降は大アユ釣りが定番。年によっては尺アユも出る。
相模川は、相模川漁業組合連合会によって管理されており、相模川第一漁協、相模川第二漁協、相模川漁協、厚木観光漁協、中津川漁協、津久井漁協の6つの漁協により構成されている。
そのため、県内の相模川水系は1つの入漁券で釣りをすることができ、本流のほか、中津川や道志川など川を移動しても同じ入漁券で釣りができるのは、釣り人にとってありがたい。釣法はトモ釣りのほか、コロガシ釣り、毛バリ釣り、ルアー釣りが許可されている。場所が決められているので遊漁規則を確認のこと。
ポイント
釣り場は、上流から。小倉・上大島、葉山島、高田橋周辺、望地。
小倉・上大島
小倉・上大島地区は、同川の友釣り専用区のなかでもっとも石が大きく、流れも変化に富んでいる。ダム下の釣り場なので、溯上してきたアユが溜まる釣り場で、初期の数釣りが望める。小倉橋下で流れは左右に別れ、1kmほど下流で再合流する。合流点付近が終期の大アユ釣りの超一級ポイント。で、左岸の流れは3段の急瀬を経て合流し、上大島の一本瀬へとつながっている。
葉山島
葉山島地区は、清水下頭首工の堰下からは長いトロ瀬が続く。終期の大アユはこのトロ瀬に潜んでいるが、初期や盛期は下流にある早瀬、チャラ瀬、荒瀬で数が出る。上下ともにトロとなっているため、瀬肩や瀬尻は常にアユが供給され、釣れ続くことが少なくない。
高田橋周辺
高田橋周辺は、河川敷が広いことからメーカー主催の大会が多く開催される。そのため、多くのトーナメンターが入川する。橋上流の早瀬から平瀬と橋下流のトロ下にある高田橋の一本瀬が有望だ。
橋上流の早瀬は馬の背と溝が点在する川相で、水面に変化はないものの川底は変化に富んでいる。カケアガリなどをゆっくりとオトリを泳がせると、良型が追ってくる。橋からの一本瀬は、なだらかな瀬肩から次第に傾斜が強くなり急瀬を寝て瀬落ちとなり、左岸側のテトラ際へと落ちている。高田橋の一本瀬は、瀬肩より瀬落ちのほうが流れが強く良型が多く着いている。
望地
望地地区は、高田橋の一本瀬のすぐ下にある釣り場で、流れは左岸に一本化している。そのため、流れが絞り込まれ水量が多い釣り場だ。押しに強い流れなので、オモリを使用した釣りが中心となる。また、下流は平瀬から瀬落ちとなっており、この辺りは流れがやや緩やかになっているので釣りやすい。石切り場まで変化に富む流れが続いている。
支流も有望
支流では、中津川、中道志川が有望だ。中津川は、初心者や年配者でも気軽に入川できる河川で人気が高く、日向橋周辺から八菅橋周辺まで全線が好ポイント。有望な釣り場としては、愛川橋周辺、馬渡橋周辺、田代運動公園前、角田大橋周辺、八菅橋周辺。八菅橋周辺は第一漁協の管轄エリアだが、それ以外は中津川漁協の管轄。今年は溯上量が多いので、中津川にもかなりの量が溯上しているものと推測される。本流の相模川に比べて比較的水温が低いので、水温が上がるお盆前後の盛期には同川のほうが釣果が伸びるかもしれない。
中道志川ではこのま沢地区がお勧めだ。ダム上の釣り場となるため天然溯上はないが、水質やロケーションがよく、釣りをしていて気分がいい。比較的石が大きく、流れに変化のある渓流相のため、石1つ1つを釣る感じでオトリを入れていけば、一日20~30尾の釣果が望める。
<週刊つりニュース関東版APC・藤崎信也/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース関東版』2025年5月23日号に掲載された記事を再編集したものになります。