角竜の最期に現れたと言われるトリケラトプスとはどんな恐竜だった?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】
トリケラトプス
5回目の大量絶滅直前に現れた角竜の代表格
トリケラトプスはティラノサウルスと同じころ、中生代白亜紀の最末期に登場した四足歩行の植物食恐竜です。全長8メートル、体重9トン程度という大きさも角竜類最大級。発達したえり飾りと両目の上にある大きな角が特徴で、人気の高い恐竜として知られます。
角竜類は、アジアでアーケオケラトプスなどの原始的な種が登場したところからはじまります。その子孫のなかで北米に渡ったグループが大型化して、さまざまな角をもつものが生まれたと考えられています。
トリケラトプスの角は、鼻の上に小さなものが1本、両目の上に長いものが2本あります。角はどんな役割を果たしていたのでしょう。両目上の長いものはおもに敵と戦うときに使っていたようです。鼻の上の小さなものは、トリケラトプス同士で角を絡ませてコミュニケーションを取ったり、どちらが強いか優劣を決めるのに使ったとする説もあります。
これまで、トリケラトプスの全身骨格は前脚の肘を横に突き出す「腕立て伏せ」状態で復元されることがありました。
しかし、近年、関節がつながった状態の化石が研究され、この立ちかたが間違っていたことがわかったのです。トリケラトプスは、前脚の脇をしめて手の甲を横に向けた「小さい前へならえ」のような姿勢で立っていたようです。
トリケラトプスは、現在確認されている角竜の最期に現れた種でもあります。白亜紀末に、落下した巨大隕石による大量絶滅がありました。この環境変化により、約1億数千万年続いた恐竜の時代は終わりを迎えたと考えられています。
3つの角をもつトリケラトプス
トリケラトプス
中生代白亜紀後期
爬虫類 恐竜類
鳥盤類 周飾頭類 角竜類
ケラトプス類
約8メートル
フリルと3本の角は身を守るための武器だと考えられている
角竜の進化と多様性
角竜の祖先はアジアで生まれ、さまざまに進化しながら世界中に拡散したと考えられている。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之