飲酒運転の車にひかれ息子2人を亡くした母親 12年後に炎天下の車内で泥酔、3歳娘を死なせる(米)
米カリフォルニア南部アナハイムで今月6日、女児(3)と母親(42)が炎天下の車内で意識不明の状態で発見された。女児は現場で死亡が確認され、母親は病院に搬送されて命は取り留めたものの、車内から空のアルコール瓶が数本発見されたことから後に逮捕された。飲酒がもたらした悲劇を、米ニュースメディア『People.com』などが伝えた。
【写真】過失致死の重罪と児童虐待で重傷を負わせた重罪で起訴された42歳の母親
6日夕方、米フォード社のSUV車内でサンドラ・ヘルナンデス=カサレス(Sandra Hernandez-Cazares、42)と娘イリー・エリザベス・ルイズちゃん(Ily Elizabeth Ruiz、3)が意識不明の状態で発見された。
サンドラの親戚はその日、イリーちゃんの兄ラザルス君 (Lazarus、5)が通う幼稚園から「お迎えが来ない」との連絡を受けて2人を探し始め、アナハイムのアパート前に駐車中のSUVを発見した。SUVには鍵がかかっており、親戚は窓を割り、呼吸をしていなかったイリーちゃんに心肺蘇生法を試みた。
当局と消防が通報を受けたのは午後4時20分頃で、イリーちゃんは現場で死亡が確認された。その日の外気温は40度に達しており、医師は「イリーちゃんは発見される数時間前に息絶えていた。死因は熱中症による合併症とみられる」と語った。
一方、サンドラは無事だったものの、血中アルコール濃度は州の法定制限の4倍近くに達しており、検察は過失致死の重罪と児童虐待で重傷を負わせた重罪で起訴した。サンドラは現在、約2100万円(15万ドル)の保釈金が設定されてオレンジ郡刑務所に勾留されており、刑が確定すれば最長12年の懲役刑が科せられると予測されている。
その悲しい結末を受け、イリーちゃんの父フアン・マルコス・ルイズさん(Juan Marcos Ruiz)は「サンドラは故意にやったわけではないだろう。でも彼女がしたことは変えられない…」と述べつつも、「彼女は助けが必要だったんだ」と涙ながらに語った。
実はサンドラとフアンさん一家は2012年、サウスダコタ州でキャンプ中に飲酒運転の車にテントをひかれ、当時5歳と9歳だった息子を亡くしていた。そのため2人は飲酒運転者に対する罰則を強化する活動をしていたが、サンドラはその事故以来、うつ病に苦しんでいた。
息子を亡くした後、2人の間にはラザルス君が誕生した。そして、「一人っ子は避けたい」と考えていたところに産まれたのがイリーちゃんで、フアンさんは娘のことを「プリンセス」と呼んで可愛がった。しかし2年前、サンドラさんとフアンさんは別れ、フアンさんはテキサス州の油田で働いていた。
しかしながらフアンさんは、イリーちゃんの死をきっかけに仕事を辞めたそうで「全てが一瞬で変わった。結局子供は一人になり、私は傷つき、心が折れ、打ちのめされている。それに怒りに震えている。とても怒っているんだ」と肩を震わせた。
なお、ラザルス君は事故以来、叔母の世話を受けていたが、フアンさんは11日、部分的親権を獲得した。ラザルス君にはイリーちゃんの死についてまだ話をしていないそうで、「息子には自分から説明したい。彼にとってはつらいことになるだろうから…。息子は私が必要なんだよ」と述べた。
米国運輸省道路交通安全局によると、子供の体温は大人の3~5倍の速さで上昇し、体温が40度に達すると熱中症になるという。
ちなみに米オクラホマ州では5日、車内に置き去りにされた2歳の双子姉妹が死亡したばかりだった。親戚が双子を保育園に送ることを忘れ、後部座席に放置していた。
画像は『People.com 「Dad of Calif. Girl Who Died in Hot Car with Allegedly Drunk Mom Inside Lost 2 Kids to DUI Driver in 2012 (Exclusive)」(GOFUNDME)(Orange County Jail)(Juan Ruiz)(courtesy Juan Ruiz)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)