すぺーすろっかく 22年の歴史に幕 一箱店舗が3月末で閉店
六角橋商店街の一角にある、商店街委託のレンタルボックスショップ「すぺーすろっかく」が3月31日で閉店する。2003年に空き店舗対策として誕生し、個人が気軽に参加できる手作り品ショップとして多くの出店者がいたが、22年の歴史に幕を閉じる。
いわゆるレンタルボックスと呼ばれる、棚やハンガーラックなど細かく仕切ったブースを主婦や地域の作家などに貸し出し、手作りの小物や洋服、雑貨を販売するのが同店のスタイル。加えて2階部分にはイベントや会議で使えるレンタルスペースも設けている。
もともとは商店街に空き店舗が増えつつあった2003年に、六角橋商業協同組合の事業としてスタート。アーケードのふれあい通りの一角に誕生した。
店舗の運営は出店者らを中心とする約10人のボランティアが請け負う。レンタルボックスの先駆けとして話題となり、地名にちなんで作ったオリジナル商品の六角形の箸「六角箸」や、コロナ禍には手作り布マスクなどがよく売れたという。
現在も近隣に住む主婦をはじめとする約40人の出店者がいるが、20年を超えスタッフも高齢に。商店街としても「別の形で使用したい」との意向があり、この春で閉店となることが決まった。
出店者の中には、プリザーブドフラワーの出店販売をきっかけに、講師として教室を開いた人も。スタッフの一人は「出来れば出店を続けたかった」としつつ、「素晴らしい手作り品ばかり。お店がなくなっても制作を続けてほしい」と望む。以前自作の服を出店していた女性は「気軽に入って品物を買ってもらえるのが良いところでした」と振り返った。
閉店日が近づき、現在は一部のブースで割引セールを実施中。営業時間は午前10時30分〜午後6時。水曜定休。