『ブラックアダム』『シャザム!2』は「正史じゃない」とジェームズ・ガン ─ 「『ピースメーカー S2』で全て説明する」
DCユニバースではシリーズ移行に伴う交通事故も起こった。最たる例がスーパーマン役ヘンリー・カヴィルの復帰撤回だ。自らシリーズ立て直しを図ったドウェイン・ジョンソンが『ブラックアダム』(2022)でカヴィルのスーパーマンを再登場させ、復帰が大々的にアナウンスされたまさに当日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーはジェームズ・ガン&ピーター・サフランと新DCスタジオ設立の契約を締結。カヴィルは新DCスタジオと衝突事故を起こす形となり、復帰は白紙撤回された。
そのほか作品においても扱いが複雑になったディテールがある。とりわけ、ガンが旧ユニバースで手がけたドラマ「ピースメイカー」がシーズン2にて新ユニバースに”引っ越し”を行う部分だ。同作に登場するジョン・エコノモス(スティーヴ・エイジー)とエミリア・ハーコート(ジェニファー・ホランド)は、旧ユニバース作『ブラックアダム』『シャザム! 〜神々の怒り〜』(2023)にも登場。ということは、この2作は新ユニバースにも関与することになる?
しかしジェームズ・ガンは米にて、「あれは正史じゃない!大嫌いだ!」とまで言って完全否定。きっと「大嫌い」というのは作品に対する感情ではなく、ユニバースの移行に伴う諸々の都合を調整せねばならないことに対する率直な思いだろう。
そもそも「ピースメイカー」シーズン1にも扱いが難しい部分がある。このドラマの最終話では『ジャスティス・リーグ』のアクアマン役ジェイソン・モモアとフラッシュ役エズラ・ミラーがサプライズ登場し、あわせてスーパーマンとワンダーウーマンもシルエットで姿を見せるのだが、ガンはこの場面のみ新ユニバースへ引き継がないことをしている。
公開されている「ピースメイカー」シーズン2予告編では、主人公ピースメイカーが別世界に足を踏み入れ、言わば“変異体”である別の自分自身と対峙する場面も。さらに、新シリーズ作『スーパーマン』に登場したリック・フラッグ・シニア、ホークガール、マクスウェル・ロード、ガイ・ガードナー(グリーン・ランタン)も登場予定。ガンはこの新シーズンが映画『スーパーマン』の直接的な続編になるとも。
「『ピースメイカー』シーズン2では、旧ユニバースの出来事のいくつかへの言及があります。でも、それまでは正史ではありません。シーズン1のほぼ全ては正史ですが、シーズン2では何が正史で、何が正史でないのか、全て説明します」とガンは続けて説明。現時点ではわからない部分も少なくないが、とにかく2025年8月22日(金)よりにて配信開始となる「ピースメイカー シーズン2」を観て確かめよう。