『食い意地が張った猫』と暮らす際の注意点4選 上手なごはんのあげ方も
1.一度にたくさんのご飯をあげない
食べるのが好きな猫にこそ、一度に与えるご飯の量に気をつけましょう。もともと猫は少量ずつ食べる習性である上、一気にたくさん食べてしまうと胃への負担がかかり、胃拡張や消化不良による吐き戻しの原因になります。
人間に置き換えてみると分かりやすいかと思いますが、お腹が空いていたとしてもたくさんの量のご飯を一気に食べると消化器に負担がかかり気持ち悪くなってしまいますよね。もちろん肥満の原因にもなります。
1日に与えるご飯の量が適切であれば、1回の量を少し減らして数回に分ける方法がおすすめです。
2.多頭飼いでは横取り対策を
ご飯が大好きな猫さんを含めた多頭飼いをしていると頭を悩ませがちなのが「ご飯の横取り」。自分が与えられたご飯をあっという間に完食して、いつの間にか隣の子の器に顔を突っ込んでいた…という事態もよく聞きます。
横取りをそのままにしてしまうと、横取りした側の猫さんは肥満や栄養過多などの健康リスクが高まり、横取りされた側の猫さんも必要な栄養が食事で得られず体調を崩してしまう可能性があるでしょう。
横取りは猫自身のストレスの元にもなりますので、ちょっと可哀想に思うかもしれませんが、よく食べる子は別の部屋で食べさせるといった対策を行いましょう。
療法食など、個々の体質に合ったご飯を与える必要がある場合もあります。できれば落ち着いてそれぞれがご飯を食べられる空間を作ってあげましょう。
3.ご飯の要求鳴きは落ち着くまで無視
適切な量のご飯をあげたにも関わらず猫が要求鳴きをし始めたら、要求が落ち着いて鳴き止むまで放置しましょう。
猫は頭の切れる動物で学習能力もあります。ご飯が足りなくて要求鳴きをするようになった場合、応えてしまうと「鳴けばご飯がもらえる」と学んでしまうのです。
最初は無視するなんて難しいかもしれませんが、要求鳴きを放っておくとだんだんしつこくなったり声が大きくなったりとエスカレートしていくので、可能な限り早めに対処するのがポイントです。
猫が鳴いたからご飯をあげる、ではなく、飼い主が主導していきましょう。
4.健康管理を怠らない
よく食べる子は肥満のリスクが高まります。肥満は糖尿病や心臓病、関節炎、便秘など様々な健康への悪影響を及ぼすため、日頃の食事からきちんと管理をしていくことが大切です。
また、定期的な体重測定や、以下の5段階のボディ・コンディション・スコア(BCS)を元にした体型チェックも健康管理の一助になります。
✔1.痩せ…肋骨や骨盤が外から見ても分かる。上から見ると腰が深くくびれ、横から見るとお腹が吊り上がっている。
✔2.やや痩せ…肋骨や背骨が簡単に触れる。腰のくびれや横から見たお腹の吊り上がりはわずか。
✔3.理想体重…肋骨は見えないが触れる。腰のくびれはわずかで脇腹にひだがある。
✔4.やや肥満…肋骨は触れるが、上にわずかに脂肪がついている。お腹の吊り上がりがやや丸くなり、歩くと脇腹のひだが脂肪で揺れるのが分かる。
✔5.肥満…肋骨や背骨が厚い脂肪で覆われて簡単に触れない。腰のくびれはほとんどなく、お腹の吊り上がりは丸い。脇腹のひだが揺れて目立つ。
まとめ
愛猫に喜んでほしいと思ってついついご飯やおやつをあげすぎてしまうことがあるかもしれませんが、食べるのが好きな子の場合は特に、「一気食い」「横取り」「要求鳴き」「健康管理」に注意しながら日々の食事を管理していくことが大切です。
適切でないご飯のあげ方を続けてしまうと、肥満や肥満由来の病気、消化不良による吐き戻し、自分の思い通りにならないストレス、栄養バランスの偏りなど健康を害する要因がどんどん出てきてしまいます。
愛猫が可愛いからこそ、健康で長く一緒に過ごしていくためにも、猫ごとに適した食事量・回数を意識して体重や体型のチェックも心がけていきましょう。
(獣医師監修:葛野莉奈)