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素材と向き合い、人とつながるお菓子づくり !苅田町「トリオレ」で紡がれる、丁寧な日々(福岡・苅田町)【まち歩き】

福岡・九州ジモタイムズWish

「ふと立ち寄りたくなるお店がある」
そんな気持ちを思い出させてくれる場所が、福岡県苅田町にあります。
苅田町にある「洋菓子工房 トリオレ」は、訪れる人の気持ちにそっと寄り添ってくれるお店です。
地元の素材にこだわり、家族三人と従業員さんたちが力を合わせて営むこのお店には、“おいしい”の先にある、あたたかな想いが詰まっています。

【三人で奏でる、穏やかな日々の調べ】
「トリオレ」という店名は、フランス語で“三重奏”を意味しています。
製造を担当するご主人、接客やディスプレイを担当されるお母様、そして商品開発や経理、接客など幅広い業務を担う奥様。三人それぞれの役割が、ちょうどよい距離感で重なり合い、調和のとれたお店の雰囲気をつくっています。
ロゴに描かれた三枚の葉は、お店の理念を象徴しています。
それは「厳選した良質の素材」「手間暇を惜しまないお菓子作り」「お客様に美味しいと喜んで頂くおもてなし」です。
この三つの想いを土台に、日々の菓子作りが丁寧に続けられています。

【しっとり、ふんわり、口いっぱいに広がるレモンの香り】
トリオレの看板商品といえば、開店当初から変わらぬ人気を誇るオリジナルレモンケーキ「京築れもん(1個・税込237円)」です。
しっとりとした食感の生地に、福岡県上毛町で育てられた無農薬レモンの爽やかな香りがふんわりと広がり、表面にはホワイトチョコレートをまとわせて、やさしい甘さを引き立てています。
このレモンケーキのルーツには、奥様の祖母の存在がありました。
創業当時、お菓子作りの先生をしていた祖母のレシピをもとに、看板商品としての開発に取り組まれたそうです。祖母の味を受け継ぎながら、現代の味覚にも合うように試作を重ね、現在のかたちに磨き上げられました。
その一口には、家庭のぬくもりと職人の技術が優しく溶け合っています。

【生姜の風味をまっすぐ届ける、ジンジャーシロップ】
地元農家と連携し、素材の魅力を生かすことに力を入れているトリオレ。
その取り組みのひとつが、看板商品のひとつである「ジンジャーシロップ(プレーン・税込850円)」です。
はじめはご家族が育てた生姜を使用したウェルカムドリンクとしてふるまっていたもので、「これを商品として購入できませんか?」というお客様の声がきっかけで誕生しました。
焼き菓子やケーキに比べて、生姜を多く使える方法を模索する中で、シロップというかたちが生まれたそうです。
使用しているのは、1年かけてじっくり熟成された「ひね生姜」。この生姜を80~90℃で1時間ほどかけて煮出すことで、辛味を抑えながらも、風味や香りをしっかりと引き出しています。

季節によっては、ゆずや夏みかんなどのフレーバーも登場し、ドリンクや料理、スイーツなど幅広く活用できる味わいとなっています。

【ザクッと、とろり。また食べたくなる、生パイ】
ショーケースでひときわ目を引く——はずだった「生パイ(約15cm・税込1,296円円)」。この日、取材に訪れたのは午前11時。まだ開店からさほど時間が経っていないにもかかわらず、すでに売り切れていました。(写真はふるさとwishポスター撮影時のもの)
聞けば、地元のお客様を中心にファンが多く、リピーターも非常に多いとのこと。
その理由は、一度食べれば納得です。バターが香るサクサクのパイ生地に、とろりとした自家製カスタードをたっぷり詰め込んだ一品。
パイ生地はすべて手織りで、焼き加減や厚み、食感のバランスまで細やかに調整されています。
ひとくちかじれば、ザクッと軽やかな食感のあとに、濃厚でなめらかなカスタードのやさしい甘さが広がり、思わず笑みがこぼれます。
日常のおやつにはもちろん、手土産や差し入れにもぴったりな「生パイ」。
確実に手に入れたい方は、早めの時間に足を運ぶのがおすすめです。

【心と地域を結ぶ、やさしさの菓子づくり】
洋菓子工房 トリオレの魅力は、可愛らしい見た目や確かな味わいだけではありません。
そこには、「厳選した良質の素材」「手間暇を惜しまないお菓子作り」「お客様に美味しいと喜んで頂くおもてなし」という、ゆるぎない想いが根づいています。
この想いをかたちにしているのは、家族だけではありません。
日々店を支えるスタッフの皆さんもまた、その一員として、ひとつひとつのお菓子に心を込めて向き合っています。
製造から販売、接客にいたるまで、それぞれが自分の役割に責任と誇りを持ち、同じ方向を見つめながら、丁寧にお店の空気をつくりあげています。
お菓子一つひとつが、まるで言葉のように、つくり手の気持ちをそっと伝えてくれる。
「おいしいね」の先に、“人の手のあたたかさ”が感じられる——そんな菓子づくりが、ここにはあります。
甘さのなかに、静かな誠実さが息づく洋菓子店。
苅田町のトリオレには、訪れた人の心をそっとほどくような、そんな優しさが宿っていました。

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◼️『洋菓子工房 トリオレ』
住所:福岡県京都郡苅田町富久町2-35-11
電話:093-436-4306
営業時間:10:00〜18:00
定休日:月曜日
駐車場:あり(5台)

公式HP https://triolet333.com

Instagram @triolet333
https://www.instagram.com/triolet333/

※営業時間・定休日・記載の内容などは変更している場合がございます。事前にご確認ください。

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