返礼にオリジナルTシャツも 救助資機材整備へ資金募る 名張市消防本部
山岳救助やロッククライミング中の事故などに対応すきる救助資機材の整備と、消防職員が実践的な訓練を積めるロープレスキュー大会への参加費用などを調達しようと、三重県の名張市消防本部は4月25日正午にクラウドファンディング(CF)を開始する。同本部としては初のCFの試みで、目標額は350万円。職員がデザインしたオリジナルTシャツ、子ども用活動服、消防士体験への参加などの返礼品を用意している。
名張消防署消防救助室によると、市内には多くの観光客が訪れる赤目四十八滝渓谷、ロッククライミング愛好家たちが集う香落渓などがあり、昨年7月と今年3月には香落渓でロッククライミング中の救助事案も発生。配備から10年以上経過した救助工作車に搭載するロープなどの資機材を、軽量で使いやすく安全なものに更新しようとCFの準備を進めてきた。
財政状況の悪化が懸念される同市で、新規事業の予算計上が難しくなる中、近隣府県の消防士による有志のロープレスキューチームに所属する職員を中心に、「一度にそろえるのは難しいが、日々の訓練・実践のためには資機材も費用も必要。多くの人に関心を持ってもらえたら」とアイデアを出し合った。
整備を検討している資機材は、従来のロープより伸び率が低く、直径が1・5ミリ細い11ミリの「スタティックロープ」、装着するカラビナやハーネスなどで、CFの目標額350万円のうち200万円を充てる計画。また、同本部単独でロープレスキューチームを組み、資機材が整い次第、国内大会への出場を目指して始動するという。
同本部の担当者は「厳しい財政状況の中ではあるが、より安全で使いやすい資機材を導入し、技術向上や大会出場を目指して取り組むことがモチベーションになり、日々の業務を通じて市民の皆さんへ還元できれば」と話していた。
返礼品の一例と寄付金額は以下の通り。
▽絵はがきの礼状 3000円 ▽刺繍(ししゅう)キャップ 4000円 ▽半袖Tシャツ(アンシンダー、救助工作車、「ももちぃ」コラボなど9パターン、各種サイズ有) 5000円 ▽消防士体験(救助隊、消防隊) 12000円(平日開催)、15000円(土日開催) ▽子ども用活動服・救助服・救急服 15000円(上衣)、20000円(上下セット)、40000円(3種類上衣のみセット) ▽ホースリメイクショルダートートバッグ 40000円 ▽子ども用活動服・救助服・救急服+トートバッグ3点セット 50000円 ▽キャップ+Tシャツ+トートバッグ3点セット 45000円 ▽礼状(法人・団体向け) 10000円(ポストカード)、50000円(表彰状)、100000円(木製台座付)
寄付はCFサイト「うぶごえ」(https://ubgoe.com/)から。7月30日までの受付期間中、同本部の職員は返礼品Tシャツを着用して業務に当たり、来庁者らにPRする予定。
問い合わせは同署消防救助室(0595・63・0998)まで。