<夫婦の貯金は妻の!>夫に変化にモヤッ……結婚25年「オレがやりくりする」理由は?【まんが】
私はミツハ。夫のリョウとは、結婚してもうすぐ25年を迎えようとしています。息子がひとりいますが、大学に入ってからは家を出てひとり暮らし。もうすぐ社会人になる予定です。学費という山を無事越え、子どもの巣立ちで、親としての役割にひと段落つきそうな私たち。今は大人ふたり暮らしになじみつつあるところです。しかしそんな時期に、夫のリョウが奇妙なことを言い出したのです。誰かから何か吹き込まれたのでしょうか。
私たち夫婦は大人ふたりだけの落ちついた生活に戻りつつありました。子どもが小さいころからふたりとも働いていますが、今まで経済面で揉めたことはありません。 わが家は昔から、基本的に生活費はリョウのお給料でまかなっていて、リョウ自身はお小遣い制。子どもの大学受験や入学に伴う県外への引っ越しなど、一番お金がかかる時期には私のパート代も生活費に入れていましたが、今ではそんな必要もなくなりました。基本、リョウのお給料だけで足りているのです。
そんなある日。義母の誕生日プレゼントの話題になったときのことです。パート代を生活費に入れる必要がなくなってからは、私のお給料はすべて貯金にまわしています。たまに友人と旅行するときや、誰かの誕生日といったイベントごとのプレゼントなど、いわゆるイレギュラーなお金が必要なときにはここから出すようにしています。
「これからはオレが生活費をやりくりするから」
と、突然怒ってしまったのです。
今まで助けあいながら暮らしてきた私たち夫婦。 そんなある日、リョウが突然「自分が生活費をやりくりする」と宣言しました。 リョウとしては自分のお給料ばかりが生活費として使われていて、私のパート代を貯金にまわしているのが不満なのだそう……。 しかし何か裏があるような気がしてなりません。 ひょっとしたら会社の同僚や友だちから、何か良くないことを吹き込まれているのではないでしょうか。 私は心配になってしまいました。
パート先で愚痴!仲良しパートさんが警告「女だね!」ドキッ……
私は昨日、リョウが急に「生活費はオレがやりくりする!」と言い出したと打ち明けました。 私はパートの皆に昨日の件を詳しく話します。 皆はうんうんと聞いてくれています。すべて話し終わると、皆不思議そうな顔をしました。
「誰かの話を聞いて投資がしたくなったとか?」 「ぶっちゃけお金のやりくりって面倒くさいし、やりたいって言うなら任せてみてもいいかもね? 家計簿アプリで共有するのもいいね」 私はパートさんたちのアドバイスを「なるほど」と頷いて聞いていました。 するとそれまでずっと黙っていたパートさんが、急に話しはじめたのです。
「……女だね」
「生活費はオレがやりくりする!」という突然のリョウの宣言に、私は驚いてしまいました。 リョウとしては自分のお給料ばかりが生活費に使われていて、私のパート代が貯金にまわっているのが不満なのだそう。 しかしこれは長年続けていたこと。急に怒りだすなんて、何か裏があるような気がしてなりません。 ひょっとしたら、会社の同僚や友だちに何か良からぬことを吹き込まれたのでしょうか……。 パートさんたちに相談したところ、仲の良いパートさんのひとりから気になることを言われてしまいました。
まさか浮気?疑惑が浮上し不安でいっぱい!……聞く?聞かない?
「今はどんな人が浮気するかわからない時代だよ。キッカケなんてそこらじゅうに落ちてんだから。みんなだって芸能人の浮気報道を見て『あの人が!?』って驚いたことあるでしょ?」 私たちは黙ってしまいました。きっとそれぞれが「たしかに」と思ってしまったのでしょう。 「私に言わせてみれば、男がお金を必要とするときなんて、大概は浮気か趣味かギャンブルって決まってんだから」 自信満々で言われてしまうと、つい「そうかもしれない」と思ってしまいます。
釘を刺されたところでお昼休みが終わり、私たちは仕事に戻りました。しかし私の心は、相談をする前よりもモヤモヤしてしまいました。 考えれば考えるほどリョウの発言が怪しく思えてしまいます。 帰ったら聞いてみようと思いますが、こんな話、どうやって切り出せばいいのでしょうか。そしてもしリョウが浮気していたら、私はどうしたらいいのでしょうか。
「今後は自分が生活費のやりくりをする」といきなり言いだしたリョウ。私はその意図がわからずびっくりしてしまいました。 あまりにも不思議だったため、パート先で仲良しの人たちに相談したところ……あるパートさんから「絶対に浮気だ!」と言われてしまいました。 リョウに限って浮気なんてこと、きっとしないはずです。しかしそこまでキッパリと言われると、なんだかそんな気がしてきてしまいます。 とりあえず今夜、リョウに理由を聞いてみようと思います。
隠しきれないモヤモヤ感に決意「浮気してるの?」夫の反応は……
私はリョウにどう切り出すべきか、考えていました。しかしそうこうしているうちに、リョウが帰ってきてしまったのです。実際にリョウを目の前にするとドギマギしてしまいます。リョウはいつもとまったく変わらないはずなのに、私はなんて声をかけたらいいのかわからなくなってしまいました。私は思わず涙ぐんでしまいました。もう隠しきれない! と思った私は言いました。
「リョウ……浮気してるの?」
「だって……昨日いきなり『生活費は自分が管理したい』なんて言い出したから……。浮気してるからお金がいるのかなって……そう考えたらすごく悲しくて……」 リョウは少しのあいだキョトンとしたあと、口を開き、浮気なんて断じてしていないと言ってくれました。そして「生活費を管理したい」と言った本当の理由を話してくれました。
仲良しのパートさんから「浮気かもよ」と言われ、リョウのことを疑ってしまった私。 思わず涙ぐみながら聞いてみると、リョウは心底驚いた顔をしていました。スマホを見せてくれましたが、女性の影はまったくありません。 リョウは貯金のことを、「私のお金」と呼ばれることに腹を立てていたようです。たしかに配慮が足りなかったと私も反省しました。 小さなことかもしれませんが、ちょっとしたことが相手を傷つけることもあると学んだ出来事でした。
【夫の気持ち】妻の発言にイライラ!小遣いも足りず、ついに爆発
オレはリョウ。妻のミツハとの間には息子がひとりいます。その息子もすくすくと育ち、今では大学生。すでに家を出てひとり暮らしをしているので、オレたち夫婦はふたり暮らしをしています。オレたちはなかなか仲良く暮らしている方だとは思っていますが、どうしてもモヤモヤしてしまうことがひとつ……。それはミツハがふたりの貯金のことを「私のお金」と呼ぶことです。前々から指摘しようと思っていたのですが、ある日オレのイライラは頂点に達してしまいました。
たしかにミツハのパートのおかげでできた貯金なのはわかってる。でもオレだって働いて生活費を入れてる。それなのに貯金が「ミツハの金」って言うのはおかしくないか? オレの生活費がなかったら作れなかった金だろ? 本当にちょっとしたことなのですが、ミツハが「私のお金」と口走るたびにモヤモヤしてしまうのです。 でもこんなこと言ったら「小さい男」なんて思われるかもしれない。それはちょっとな…… きっと……「私のお金」と言うのをやめてくれ! とひとこと言えば済む話でしょう。しかし小さなプライドが邪魔をしてしまうのです。
「お義母さんのプレゼント何にしようか? 私のお金から出しておくよ」 いつもなら聞き流せた発言だったでしょう。しかし今までの積み重なったモヤモヤ、そして小遣いが足りなかったせいで断らざるを得なかった飲み会。イライラしていたオレは、ついミツハに強く当たってしまいました。そして「今後はオレが生活費をやりくりする」と言ってしまったのです。
妻のミツハが貯金のことを、「私のお金」と言うことに前々からイライラしていたオレ。 たしかに貯金はミツハのパート代を貯めたものではあるが、それはそもそもオレが稼いだ生活費がベースとしてあるからこそできた貯金だと思うのです。 もともとイライラしていたこともあり、その日は怒りが爆発してしまいました。そしてつい感情に任せて「今後はオレが生活費をやりくりする」と言い放ってしまいました。 冷静になってみると、自分の発言が恥ずかしいかぎりです……。
泣き出した妻「浮気じゃなくてよかった」愛おしい
そもそも最初から「貯金って呼んでくれよ」とひとこと言っていればよかったことです。自分の気持ちを伝えよう、今夜はちゃんと話し合おうと思っていました。 家に帰るとミツハの様子がなんだか変です。昨日オレが怒ったんだからギクシャクするのも当たり前か……。
最初はそう思っていたのですが、それにしてもあまりにもソワソワしています。思わずオレが声をかけると、ミツハは急に泣き出しました。
浮気を疑われたオレは面食らってしまいました。必死で否定をして誤解はすぐに解けたようですが……。 ミツハが今まで「私のお金」と言っていたことをオレに謝り「浮気じゃなくてよかった」とにっこりするのを見ていたら、その姿がなんだか可愛くてオレは思わず笑ってしまったのです。 「オレばっかり生活費を出して不公平だ」と考えていた自分が余計に恥ずかしくなりました。「私のお金」というのも「私がやりくりして貯めておいたお金」くらいのニュアンスだったのでしょう。
「ひょっとして浮気してるの?」と涙ぐみながら聞いてきたミツハ。オレはそんな妻を年甲斐もなく愛おしく感じてしまいました。 そういえばミツハは昔からやや天然というか、とても純粋な人でした。貯金を「私のお金」と呼んでいたことに深い意味はなかったのでしょう。 オレがひと言伝えたことで、それ以来「貯金」と呼ぶようになってくれたのも嬉しい。 これからもお互いに敬意を忘れず、ちゃんとコミュニケーションを取りながら仲良く暮らしていきたいです。