2025年3月15日ダイヤ改正で変わること JRグループの気になるところ
あす2025年3月15日に実施されるJRグループのダイヤ改正、その注目ポイントをまとめてみました。
【JR東日本】中央線快速・青梅線でグリーン車サービスを開始
東北新幹線「はやぶさ」の増発や新型車両「E8系」の追加投入、南武線や常磐線各停でのワンマン運転実施といった内容が盛り込まれたJR東日本の2025年ダイヤ改正ですが、何といっても注目は「中央線グリーン車」でしょうか。
中央線快速の東京~大月間、青梅線の立川~青梅間でグリーン車による有料着席サービスがいよいよ本格的に始まります。3月14日までは試験的に「グリーン料金無料」で着席出来ましたので、すでに体験済みという方もいらっしゃるでしょう。
【参考】お試し期間中の中央線グリーン車に乗ってみた【コラム】
https://tetsudo-ch.com/12982583.html
二階建てのグリーン車は東京寄りの4・5号車に連結。車内は回転式リクライニングシートに電源コンセント・テーブル付きで快適。なお、グリーン券は紙のきっぷよりSuicaやモバイルSuicaで購入する方がおトクになります。
【JR西日本】万博輸送増強!アクセス列車がたくさん
2025年4月に開幕する大阪・関西万博に向け、JR西日本は万博アクセスに便利な列車を多数設定します。
たとえば新大阪駅から桜島駅まで直通する「エキスポライナー」を設定し、会場までシャトルバスで結ぶほか、大阪環状線やJRゆめ咲線、阪和線で増発。新幹線でも九州の鹿児島中央駅から新大阪駅へ9時台に到着できる臨時の新幹線「さくら574号」を設定するなど、遠方からも万博を楽しめるよう輸送力を増強しています。
通勤者向けには有料座席サービス「快速 うれしート」の拡大や通勤特急「らくラクはりま」の増発なども。また、広島新駅ビル「ミナモア」の開業(3月24日)に先立ち、山陽線や呉線で増発が行われます。
【JR東海】「のぞみ」自由席は2両に
日本の大動脈、東海道・山陽新幹線で一番大きな変化はやはり「のぞみ」自由席の減車でしょうか。これまで自由席であった3号車が、今後は指定席となります。
1992年3月14日から運行を開始した最速達種別「のぞみ」は、登場時は全車指定席。2003年の品川開業で「自由席」が設定されました。最近ではゴールデンウィークや年末年始、お盆などの最繁忙期に全車指定席で運転されることもあります。
JR東海のダイヤ改正は、新幹線絡みでは増発がメイン。万博に向け6時台首都圏発の「のぞみ」を最大14本運転するほか、山陽直通「のぞみ」を増やすなど利便性向上策を盛り込みます。在来線では豊橋駅の改良工事にともない、同駅で名古屋方面・浜松方面の相互の列車を同じホームで乗り換えできる機会を増やします。
【JR北海道】特急「大雪」快速化、札幌~釧路間31分短縮など
JR北海道は特急「大雪」が特別快速「大雪」として毎日運転されるようになるなど、特急関係の改正内容が注目を集めます。たとえば「ライラック」「カムイ」は利用が見込まれる時間帯に新規設定(早朝・夜間の一部運転は取りやめ)しますし、「おおぞら7号」は停車駅の見直しにより札幌~釧路間の所要時間を31分短縮します。
普通列車では石勝線(千歳~新夕張間)へH100形を投入し、キハ40・150形を12本全て置き換えます。これにより現行ダイヤと比較して最大11分の速達化を達成します。車両の冷房化や低床化・車いす対応等も売りで、H100形に乗車する際は各駅で利用者がボタンを押してドアを開閉、乗り降りする方式となります。
なお、利用の少ない「東滝川駅」「東根室駅」「雄信内駅」「南幌延駅」「抜海駅」は廃止に。また「緑駅」が4月以降、自治体による維持管理に移行します。東根室駅は日本最東端の駅としても知られていたため、鉄道ファンの間では特に注目を集めていました。
【JR四国】特急「うずしお」岡山乗り入れなくなる、「むろと」は廃止
JR四国の2025年ダイヤ改正では、徳島方面と岡山方面を結ぶ特急「うずしお」の運転区間が変更に。これまで岡山駅に乗り入れていた2往復分の「うずしお」を高松駅発着に変更し、同駅にて快速「マリンライナー」を接続するかたちとします。このほか、徳島~牟岐間を走る特急「むろと」が廃止されます。
公共交通としてはむしろ、パターンダイヤの導入・拡大による利便性向上に注目が集まるところでしょうか。予讃線・予土線・土讃線・高徳線・鳴門線・牟岐線でより分かりやすいダイヤとすることで利便性の向上を図ります。
【JR九州】新幹線は増発、運転区間拡大など
JR九州では博多~鹿児島中央間の「つばめ」上下1本を「さくら」に変更し、同区間の速達化を図るほか、博多~熊本間の「つばめ」を上下1本増発。熊本行き「みずほ615号」の運転区間を鹿児島中央駅終着に変更するなど、より使いやすいダイヤとなります。JR西日本の項で触れた通り、朝9時台に新大阪駅へ到着する臨時「さくら574号」も新規に設定、週末などに運行します。
特急列車では通勤・通学時間帯に「きらめき」を増発したり、「かささぎ101号」の座席定員拡大、一部の「かささぎ」の二日市駅新規停車、一部「ソニック」の停車駅追加や両数増などが挙げられます。
新潟と鹿児島に新駅が登場!
JR以外ではすでにOsaka Metroの「夢洲駅」が開業していますが、3月15日のダイヤ改正ではJRの新駅も開業します。
1つは新潟県新潟市の「上所駅」。JR越後線の新潟と白山のほぼ中間に位置し、2面2線・延長125m・6両対応のホームを備えます。YouTubeの「JR東日本YouTu部」アカウントでは工事の様子を公開しています。
もう1つは鹿児島県鹿児島市の「仙巌園駅」。JR日豊本線の竜ヶ水~鹿児島間に設置され、1日に上下57本の列車が停車します。仙巌園は今から350年前に築かれた薩摩藩島津家の別邸で、日本を代表する観光地の一つとして注目を集めます。