阪神甲子園球場の新しい景色に スコアボードの伝統文字を受け継いだ「甲子園フォント」 西宮市
プロ野球や高校野球などの観戦時に何度も何度も見るスコアボード。
昨年、開場100周年を迎えた阪神甲子園球場(西宮市)が、日本を代表するフォントメーカー・株式会社モリサワとの共同プロジェクトとして『甲子園フォント』を制作、お披露目式が行われたので取材に行ってきました。
同球場のスコアボードの文字は、1983年まで職人が黒い板に毛筆で手書きしたものを使用、その独特の字形は「甲子園文字」呼ばれ、親しまれてきました。
その後、スコアボードが電光掲示板に改修されてからも、球場職員が甲子園文字を踏襲した球場オリジナルの文字を作ることで、その伝統を受け継いできたとのこと。
お披露目式は、試合開始のサイレンとともに「甲子園」の3文字が甲子園フォントでスコアボードの一面に表示され、その後に場内放送係員のコールに合わせて、日本一となった1985年の開幕試合と、2023年のリーグ優勝を決めた試合のスターティングメンバーが表示されました。
“「甲子園文字」の伝統を次の100年に繋ぐ” をコンセプトに制作された『甲子園フォント』は、読みやすさに配慮し、毛筆の特徴を生かした「とめ・はね・はらい」などのニュアンスも取り入れながら遠くの席からでも見やすいように設計されているのだとか。
甲子園球場の新しい景色として3月4日のオープン戦から使用を開始、今後はプロ野球や高校野球などすべての試合で使用されるとのことです。
デジタル表示における「甲子園文字」は、未来に続く歴史の始まり。球場を訪れた際は、ぜひ目を向けてみてくださいね。
プロジェクトの概要等をさらに知りたい場合は、現在、甲子園歴史館で『甲子園フォント』に関する特別展示が開催中(4月6日まで)。甲子園文字の歴史やフォントができるまでの制作方法をパネルで紹介、原図や制作道具なども展示されています。
また、甲子園フォント誕生を記念したフェイスタオルやトートバッグなどのグッズが球場ショップおよび甲子園eモールで販売されているそうなので、気になる方はチェックしてみてください。
場所
阪神甲子園球場
(西宮市甲子園町1-82)