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【尾崎亜美 最新インタビュー】① 世界的にも珍しい企画「TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集」

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2025年03月26日 尾崎亜美のアルバム「TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集」発売日

日本を代表する女性アーティスト尾崎亜美


尾崎亜美は1976年3月シングル「冥想」でデビュー。自身のオリジナルだけでなく、約200曲もの楽曲を提供するソングライターとしても活躍してきた、まさに日本を代表する女性アーティストだ。これまで女性アイドルの楽曲を多くヒットさせてきたが、そんな提供曲を収録した『TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集』が3月26日にリリースになる。

DISC1には1970年代後半から1990年代初頭にかけて尾崎亜美が15人の女性シンガーに提供した楽曲のオリジナル音源を収録。DISC2には尾崎亜美自身によるセルフカバーを、DISC1と同じ曲目、曲順で収録している。今回、この世界的にも非常に珍しいコンピレーションの発売を記念して、尾崎亜美さんにインタビューをさせていただいた。

来年はデビュー50周年を迎える尾崎亜美


―― 亜美さんは1976年デビューなので、来年デビュー50周年を迎えますが、同じように1970年代にデビューした女性アーティストの皆さんは、今でも現役で活躍されていていますね。

尾崎亜美(以下:尾崎)昨年の『NHK紅白歌合戦』(第75回)をテレビで観ていたのですが、アッコちゃん(矢野顕子)、高橋真梨子さん、イルカさんなど普段仲良くさせていただいている知り合いがたくさん出ていましたね。アッコちゃんからは事前に聞いていたので、観るのをとても楽しみしていたんです。

―― 矢野さんは亜美さんのブログのお料理に、N.Y.から頻繁にコメントされてますよね(笑)

尾崎:アッコちゃんは来日が決まると、まず我が家にご飯を食べに来るスケジュールを立てるのですが(笑)、それを励みにしてお仕事​​がんばっているみたいです。

―― 亜美さんのお料理は本当に美味しそうです。ご主人の小原礼さんは絶対、胃袋掴まれてますよね(笑)。さて本題に入りますが、3月26日に2枚組アルバム『TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集』がポニーキャニオンからリリースされます。

尾崎:デビュー40周年の時に、『Recipe for Smile〜尾崎亜美デリシャス・セレクション』というアルバムをリリースしたのですが、このアルバムを企画して下さったポニーキャニオンの山内さんが今回も企画をしてくださいました。

デイヴィッド・フォスターが全曲のアレンジをした「HOT BABY」


―― ポニーキャニオンといえば、亜美さんが在籍していたレコード会社ですが、アルバムだと『MERIDIAN-MELON』(1980年)から『TOPAZ』(1994年)まで、約15年の期間でした。亜美さんにとってのポニーキャニオン時代は振り返ってみてどんな時代でしたか。

尾崎: 1980年にポニーキャニオンに移籍して一番大きかったのは、チャレンジしようという志を持ったスタッフが周りに多かったことです。特に渡辺有三さんという方は、ディレクターでもあり、プロデューサー的感覚も併せ持った方で、尾崎亜美にどういう経験をさせたら面白いかということをずっと考えてくださっていたと思います。そんなところから、アメリカに行ってアルバムを作ろうという流れになったんです。

―― ポニーキャニオンからリリースされた2枚目のアルバム『HOT BABY』(1981年)のことですね。

尾崎:『HOT BABY』はデイヴィッド・フォスターが全曲のアレンジをしてくださったアルバムで、ジェフ・ポーカロ、スティーヴ・ルカサー、ジェイ・グレイドン、トム・スコットといった、あちらの凄腕なミュージシャンが参加してくださり、ミックスはアル・シュミットにやってもらいました。実は当時、デイヴィッド・フォスターのことを詳しく知らなくて、話が来た時に “尾崎亜美の曲を気に入ってくださるのならお願いします” と生意気なことを言っていたんです(笑)。でも、デイヴィッドは私の曲を気に入ってくださって、快くアレンジを引き受けてくれました。

――『HOT BABY』は昨今のシティポップ・ブームでも再評価されているアルバムです。

尾崎:あのアルバムってジャケットが封筒の形になっていて、しかもジャケットの色も3色存在するんです。かなり特殊仕様だったので、各方面にご迷惑おかけしたと思いますが、私自身誰もやっていない目新しいことをやりたいタイプなので、有三さんはそのあたりも反映してくださったのだと思います。

これまでに他のアーティストに提供した曲は200曲!


―― 今回発売される『TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集』ですが、このアルバムの企画を最初聞いた時はどんなお気持ちでしたか。

尾崎:DISC1は私がこれまで他のアーティストに提供してきた楽曲が15曲収録されていますが、DISC2は私が歌ったバージョンが同じ曲順で収録されているという、世界的にも類を見ない企画だと思います(笑)。DISC1の提供曲はレコード会社がバラバラなので権利的に難しい部分があるのですが、そこは担当の山内さんが頑張ってくださるということで、ぜひやりましょうということになりました。みなさんには快く快諾いただきまして感謝しております。

―― 亜美さんはこれまでに他のアーティストに提供した曲が200曲くらいありますが、その中でも選りすぐりの15曲がセレクトされていますね。

尾崎:こういうコンピレーションって “何であの曲入っていないんだろう” ということもあるでしょうが、今回の企画はとてもいい選曲になっていると思います。ぜひ多くの方に聴いていただけると嬉しいです。

―― 亜美さんは他のアーティストに楽曲を提供するとき、ご自身で歌う想定をして曲を書いているのでしょうか。

尾崎:例えば、若くて可愛いアイドルに書いた時でも割合は小さいですがその中には私も存在しているわけです。ですから、歌ってくださるシンガーの方と自分との接点を引っ張り上げる作業をしている時に “この曲は私に似合っているかも” と感じたものをカバーすることが多いです。楽曲提供をするときは本当にその方が愛してくれる曲、そして、なるべく多くの方に聴いていただける曲を書くように心がけています。

―― 亜美さんの提供曲は決して古くならずスタンダードになる曲が多いです。ただその反動もあるのか、80年代のオリジナルアルバムはかなりチャレンジ精神にあふれる曲も多かったですよね。

尾崎:ソングライターの尾崎亜美が、シンガーの尾崎亜美に曲を書くときはすごくわがままになるので、自分のアルバムには何曲かぶっ飛んだ曲を書きたくなるんです。例えば「MIRACLE」(1983年)なんかは当時、細野晴臣さんが “この曲面白いね” と言ってくださったんですが、“これ売れるよ” とは誰からも言ってもらえませんでした(笑)

明日掲載のインタビュー後編では、今回発売になるアルバム『TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集』に収録された提供曲に関してたっぷりと語っていただきます。

Information
TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集
尾崎亜美提供楽曲のオリジナル音源と尾崎亜美によるセルフカバーをCD2枚にツイン収録。ソングライター、シンガー両面での尾崎亜美の魅力を最大限に伝えるコンピレーション。

【Disc1】
01. オリビアを聴きながら / 杏里
02. 天使のウインク / 松田聖子
03. あなたの空を翔びたい / 髙橋真梨子
04. Summer Beach / 岡田有希子
05. 時に愛は / 松本伊代
06. 化粧なんて似合わない / 岩崎良美
07. パステル ラヴ / 金井夕子
08. 微風(そよかぜ)のメロディー / 河合奈保子
09. 伝説の少女 / 観月ありさ
10. 届かなかった AIRMAIL / 真璃子
11. LADY / 桜田淳子
12. Happy Birthday / 横山知枝
13. 風を見つめて / 榊原郁恵
14. 雨は止まない / 薬師丸ひろ子
15. 春の予感‐I've been mellow‐ / 南沙織

【Disc2】
01. オリビアを聴きながら (lapis lazuli version)/ 尾崎亜美
02. 天使のウインク / 尾崎亜美
03. あなたの空を翔びたい / 尾崎亜美
04. Summer Beach / 尾崎亜美
05. 時に愛は / 尾崎亜美
06. 化粧なんて似合わない / 尾崎亜美
07. パステル ラヴ / 尾崎亜美
08. 微風(そよかぜ)のメロディー / 尾崎亜美
09. 伝説の少女 / 尾崎亜美
10. 届かなかった AIRMAIL / 尾崎亜美
11. LADY / 尾崎亜美
12. Happy Birthday / 尾崎亜美
13. 風を見つめて / 尾崎亜美
14. 雨は止まない / 尾崎亜美
15. 春の予感‐I've been mellow‐ / 尾崎亜美


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