ビルカール・サルモンが『ブリュット レゼルブ』をバージョンアップ、新アイテムの名は『ル レゼルブ』
左から順に __EMPTY_YTPME__ 価格は税込 __EMPTY_YTPME__ #1:ミシュラン・シェフから圧倒的な支持を得ている『ブリュット ロゼ』 __EMPTY_YTPME__ セパージュ:ピノ・ノワール33%、シャルドネ4…
■6代目アントワン・ローラン=ビルカール氏
『キュヴェ ニコラ フランソワ 2012年』の発売を記念する世界ツアーで来日した6代目アントワン・ローラン=ビルカール氏は、日本を皮切りに、シンガポール、香港、オーストラリアを巡回して、ビルカール・サルモンの魅力を伝道。来日の2週間前に父親ジャン氏が102歳を迎えたことに触れ「長寿の秘訣は毎日シャンパーニュを飲むこと」と強調していた
1818年の創業以来、家族経営&独立性を貫いているシャンパーニュメゾン「ビルカール・サルモン」。来日した6代目アントワン・ローラン=ビルカール氏は「ここ30年来で最も大きな決断のひとつだった」と胸のうちを語ったが、その大仕事は、メゾンの顔『ブリュット レゼルブ』のリニューアルだ。お披露目されたのは、都会的な外観は継承しつつ、より深みのある味わいになった『ル レゼルブ』だ。
左から順に
価格は税込
#1:ミシュラン・シェフから圧倒的な支持を得ている『ブリュット ロゼ』
セパージュ:ピノ・ノワール33%、シャルドネ43%、ムニエ24%
ベースヴィンテージ:57%/2020年
リザーブワイン:43%/2018年、2019年
ワイン醸造:ステンレスタンク100%
ドザージュ:5.10g/ℓ
1万5950円
#2:フレッシュな後味と塩味のニュアンスが魅力の『ブラン・ド・ブラン グラン クリュ』
セパージュ:シャルドネ100%
ベースヴィンテージ:68%/2017年
リザーブワイン:32%/2012年、2015年、2016年
ワイン醸造:ステンレスタンク100%
ドザージュ:3.9g/ℓ
1万6170円
#3:オークのバリックで醸造を行うスペシャルな『ブリュット スー ボワ』
セパージュ:ピノ・ノワール30%、シャルドネ40%、ムニエ30%
ベースヴィンテージ:68%/2015年
リザーブワイン:32%/2006を含む5ヴィンテージ
ワイン醸造:オーク樽100%
ドザージュ:4.9g/ℓ
1万6060円
#4:14ヴィンテージのリザーブワインを反映させた『ル レゼルブ』
セパージュ:ピノ・ノワール28%、シャルドネ29%、ムニエ43%
ベースヴィンテージ:29%/2020年
リザーブワイン:71%/2006年から2019年までの14ヴィンテージ
ワイン醸造:ステンレスタンク92%、オーク樽8%
ドザージュ:3g/ℓ
1万1660円
#5:果実味と酸味のバランスが絶妙な『キュヴェ 二コラ フランソワ 2012年』
セパージュ:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
ヴィンテージ:2012年
ワイン醸造:ステンレスタンク90%、オーク樽10%
ドザージュ:3.8g/ℓ
4万5100円
■食通のためのブリュット ロゼ
平飼い卵のエッグベネディクティン、サーモンのリエット、グリーンベアルネーズソースに合わせて供されたフラッグシップのブリュット ロゼは、こころ和む淡いサーモンピンク、繊細な気泡と優しいミネラル感、シャルドネ主体のフレッシュな味わい。メゾンが自負するロゼだけに、「ブリュット ロゼは、(色が付いた)ロゼ・シャンパーニュではなく、(シャルドネを主体にした)シャンパーニュのロゼ」との表現がアントワン氏の常套句である
低温発酵によるフレッシュ感と芳醇なアロマ
ビルカール・サルモンが生産するシャンパーニュは、自社畑、リース畑、契約農家等からなる300ヘクタール分のブドウから賄っているが、徹底したこだわりが酸味の高いブドウを収穫することだ。長熟の要素であり、メゾンが大事にしているフレッシュさと豊かなアロマを得ることができるというのが理由である。アントワン氏は「早朝の涼しい時間に収穫したブドウは、圧搾前、プレスセンターに隣接している大きな保管庫に搬入し、10度で18時間保管する。その後、タンク内の発酵温度を13度にして静置させることで、不純物は沈殿し、アロマ豊かなビルカールスタイルが形成できる」と語った。収穫したワインの3分の1はリザーブワインに回しているが、従来からの『ブリュットレゼルブ』をバージョンアップさせた『ル レゼルブ』は14ヴィンテージのリザーブワインを使用。2006年から2019年までのパーペチュアル(“永久的な”の意)である点に注目したい!
ドザージュ量の変化
今回は、新アイテムの『ル レゼルブ』と新ヴィンテージの『キュヴェ ニコラ フランソワ 2012年』の披露がメインだったが、供された5アイテムのドザージュ量も激減しており、ここにもメゾンの取り組みを感じることができた。アントワン氏は「シャンパーニュ造りにおいて、以前は、ドザージュ量が14グラム/リットルほどあった。その当時、糖分は保存のために重用されていたが、今では“酸”がワインのクオリティを高め、長期保存の効果があると判断している」と言及。
■お披露目された『ル レゼルブ』
メゾンの顔として人気を得ていた『ブリュット レゼルブ』と『ル レゼルブ』との違いは以下の3点。①リザーブワインの比率。最古の2006年ヴィンテージから最新の2019年ヴィンテージまでの14ヴィンテージから構成されたパーペチュアルワインで全体の71%を占める ②瓶熟期間を平均30カ月から50カ月まで延長 ③ドザージュ量は8グラムから3グラム(エクストラブリュット)に減少。ムニエ重視のスタイルは維持しているので、アロマにはムニエ由来の華やかさがあり、ワイン醸造に8%オーク樽を使ったことで、味わいには深みが加わった
■最新ヴィンテージの『キュヴェ ニコラ フランソワ 2012年』
1964年に創設者をたたえて造られた特別なキュヴェで、ピノ・ノワールはメゾンの拠点マレイユ=シュル=アイのほか、アイ、ヴェルズネイ。シャルドネはメニル=シュル=オジェ、シュイィ、アヴーズという最高のテロワール反映。10%だけオーク樽発酵のワインを使うことで、ワインに豊かな印象を与えている。2012年ヴィンテージは、糖分と酸味のバランスが良く、口中では凝縮感のある果実味と力強い骨格が感じられる
■My Originの導入
裏ラベルに記載してある6桁を入力することで、ブドウ品種、ドザージュ量、デゴルジュマン等の情報が入手できるマイ・オリジン
text & photographs by Fumiko AOKI
【問い合わせ先】
株式会社JALUX TEL.03-6367-8756