Yahoo! JAPAN

まるで「韓ドラ福袋」な豪華さ&面白さ!キム・ダミ&ソン・ソック初共演『ナインパズル』前半戦濃厚解説

映画評論・情報サイト BANGER!!!

まるで「韓ドラ福袋」な豪華さ&面白さ!キム・ダミ&ソン・ソック初共演『ナインパズル』前半戦濃厚解説

もう観た!? ディズニープラス『ナインパズル』の衝撃

ディズニープラス「スター」で5月21日(水)より独占配信が始まった韓国ドラマ『ナインパズル』(全11話)は、もうご覧になっただろうか。初回6話一挙配信(以降、毎週水曜日配信)ということもあり、軽くチェックするつもりで一気に引き込まれてしまった! なんて人も多いのでは?

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

韓国映画~ドラマ好きにとっては、ユン・ジョンビン監督の存在でも期待が高まったことだろう。なにしろチェ・ミンシク×ハ・ジョンウ主演の『悪いやつら』(2012年)や、ファン・ジョンミン主演の『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(2018年)、Netflix『ナルコの神』(2022年)などなど、信頼に足りすぎる骨太なフィルモグラフィーを持つ名匠だ。

キム・ダミ、ユン・ジョンビン監督、ソン・ソック 『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

そして主演の2人は、意外にも本作が初共演。『THE WITCH/魔女』シリーズ(2018年~)で純粋無垢な少女の表情の裏にモンスターとしての素顔をチラつかせ、『梨泰院クラス』(2020年~)ではソシオパスの天才を好演しトップスター俳優となったキム・ダミ。『犯罪都市 THE ROUNDUP』(2022年)で剛腕マ・ドンソクを追い詰める凶悪犯罪者を、かたや『君は天国でも美しい』(2025年)ではあの世を謳歌する若返り好々爺を演じ、俳優としての凄まじい幅の広さを証明したソン・ソック。どこか影のあるオーラをまとう演技派2人が、ついに共演でメインを張る作品が! と悶絶しているファンも少なくないだろう。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

“犯罪分析モノ”のセオリーを覆す『ナインパズル』の面白さ

プロファイリングが映画やドラマの題材になることは珍しくなく、プロファイラーが主人公という作品も多いし、プロファイル手法の成り立ちを描いた作品すらある。そこには常に不可解な事件やシリアルキラーなどの“フック”が標準装備されているものだが、そうした犯罪もののセオリー諸々を押さえつつもスルリと絶妙に逸脱してみせるのが『ナインパズル』の大きな魅力だ。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

イナが着るヒラヒラと華やかな衣装や、犯罪プロファイリングを視覚化した演出は、ユン・ジョンビン監督の新たな試みでもあるだろう。それでも連続殺人というダークな題材だけにゴツンと硬質で、そのバランス感覚が観る側のワクワクを増強させる。エピソード毎に大衆食堂や酒場のシーンが挟まれるのもイイ(映画やドラマの中で警察が大事な話をするのは決まって場末の飲食店だ)。

ということで、まずは観客への挨拶代わりとも言えるマシマシ盛り盛りな第1話を振り返っていこう。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

“挨拶代わり”の第1話を振り返り!(※ネタバレ回避)

ある日、男が殺害され、現場にはパズルのピースが残されていた。第一発見者は姪のユン・イナ(キム・ダミ)。事件を担当したのは漢江警察署・強力2班の新人刑事キム・ハンセム(ソン・ソック)。彼はイナを容疑者として追っていたが、真相はわからぬまま未解決事件となる。そして10年後、イナはその並外れた観察力で犯人の心理的動機を暴く天才プロファイラーへと成長していた。

警察の同僚となってもなおハンセムが疑念を捨てられない中、ある日イナのもとに郵便が届く。中に入っていたのは、10年前の殺害現場に残されたパズルのピースと完全に一致する、”新たなピース”。それを合図に連続殺人が始まり、イナとハンセムは再び事件の謎へと引きずり込まれていく――。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

公式のあらすじは第1話とその後の展開をざっくりと説明したもの。その合間には、すさまじい記憶力を持つのに肝心なところは抜けている主人公イナが、プロファイラーとしての実力を垣間見せたりする。犯罪プロファイリングを描く作品としては避けられない、かつ物語上の伏線やキャラクターの説得力を担保する重要なシークエンスだ。

かたや「捜査が病的に細かい」と揶揄されるハンセムは、未解決事件を手探りするように追い続けてきた執念の器用貧乏タイプ。まるで『セルピコ』のアル・パチーノ(あるいは『レオン』のジャン・レノ)のような野暮ったい出で立ちで、まさにセルピコと同じく身内にも容赦のない捜査を行い、署内での立場が危うくなったりもする(※余談だが彼の愛車はヒュンダイのギャロッパーSと思われる)。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

イナはそんなハンセムを「自分を犯人扱いした」と恨むでもなく、むしろ監視されてきた=見守られてきた者として親近感を抱いている様子。しかしハンセムにとってイナは今も第一容疑者であり、同時に庇護欲も刺激されてしまう厄介な存在だ。私たち観客はそんな2人を見て、タイプがまったく違うがコンビを組んだら最強なのでは……? とほくそ笑むことになる。

第2話以降に備えてメインキャスト&役名おさらい

本作には怪優チョン・マンシクのほか、キム・ソンギュンやヒョン・ボンシクなど手練れのバイプレイヤーたちがザクザク出てくるので、そのたびにオッ! とニヤついてしまうだろう。酒を囲めばブツクサ言い合う刑事たちの長幼の序、もとい甘噛みコミュニケーションは何時間でも観ていたくなる旨味たっぷりだ。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

ちなみに強力2班の同僚刑事ヨンハを演じるチャ・ウジンは『犯罪都市 THE ROUNDUP』(2022年)でもソン・ソックと共演しており、というか冒頭でソック演じる凶悪犯にヒドい目に遭わされていたので、仲間としての再共演は何とも言えない味わいがある。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

じわりとイナを蝕む孤独、事件のトラウマ、失った記憶の奥からよみがえる恐怖……。第2話以降は容疑者候補が続々浮上してくるので、一旦ここで前半の主要キャストと役名を整理しておこう(※イナは劇中で「ユン警部補」と呼ばれることがある)。

ここには記さないが、控えめに言ってもアッと驚く超豪華なゲストも登場するのでお楽しみに(そもそも韓国イケオジの代表格であるチ・ジニが最初の死体=叔父ドンフン役で登場することが超衝撃なのだが)。

ユン・イナ(ソウル警察庁 犯罪分析官):キム・ダミ
キム・ハンセム刑事(強力2班):ソン・ソック
ヤン・ジョンホ刑事(強力2班 班長):キム・ソンギュン
チェ・サン刑事(強力2班  MZ世代の末っ子):ヒョン・ボンシク
ノ・スグァン刑事(強力2班):クァク・ジャヒョン
アン・ヨンハ刑事(強力2班):チャ・ウジン
ヒョン・ホグン(漢江警察署 署長):チャン・ギョクス
テ・ドンス(ソウル警察庁 広域捜査隊隊長):チョン・マンシク
ナム・ナリ巡査(交番勤務の警官):イ・ジュヨン
イ・スンジュ(イナ担当の精神科医):パク・ギュヨン
ユン・ドンフン(イナの叔父。元警察署長):チ・ジニ

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

10年ぶりのパズルのピース+新たな事件=連続殺人

注意:ストーリーの内容に触れています。

イナが叔父ドンフンの死を目の当たりにする第1話と同じく、オープニングからいきなり衝撃的な第2話。“パズルのピース”が新たな殺人(警察幹部御用達バーのオーナー:イ・ミヨンの絞殺)を呼び、警察内部への疑惑を招いてしまった強力2班には、ますます事件解決のプレッシャーがかかる。

10年前のドンフン殺害との共通点は? 犯人の目的は? 謎だらけの事件を捜査する中で、チラホラと怪しい言動を見せる人物も出てくるが、警察関係者の関与が濃厚なため、これまでよりもピリッとした緊張感が醸し出される。そんなタイミングで、なんとイナが強力2班の捜査に正式に参戦。ハンセムは目が点、からの憮然。しかし我々観客はガッツポーズ! な展開だ。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

やがて10年前の記憶の一部がよみがえったイナのプロファイリング能力がフル回転し始めるが、ハンセムも彼女の興味の対象の一人。つまり、イナとハンセムの距離をぐっと縮めるための第3話となる。イナがハンセムの実家で彼の母親を質問攻めにするくだりはニヤニヤが止まらないし、黒歴史を暴かれたハンセムが次第に心を開いていく様子がなんともエモい。

ところが被害者イ・ミヨンの身辺を洗うなかで、とある半グレ実業家風の男カン・チモクの存在が浮上。そして警察内部に彼らの関係を認知していそうな人物がいることも示唆される。第4話では犯人と思しき人物のシルエットがはっきりと映し出され、同時に“血の匂い”がぐんと強くなる。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

韓国ドラマの真骨頂! 本気のミステリー展開にじっとり発汗

イナが指摘したとおり、湖底のスーツケースから発見されたのはイ・ミヨン殺害の被疑者、カン・チモクのバラバラ死体だった。振り出しに戻るどころか不可解の奈落にズーンと落下してしまい、頭を抱える強力2班。その一方で、「ある時を境に別人のようになった」という被害者の共通点らしきものも見えてくるが、無惨にバラされたチモクの妻ソ・ヤンヒと言葉を交わしたイナは、彼女に「普通じゃない遺族」としての共感を覚える。

そのヤンヒは高校時代の同級生ノ・ジェウクと浮気関係にあり、強力2班は2人を新たな容疑者としてガン詰めしていく。ところがタイミングを見計らったようにイナ宅に届いた3つ目のパズルのピースは、あきらかにチモク殺害を示すものだった――!

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

(真実はどうあれ)チモク事件を解決した強力2班へのプレッシャーは弱まるも、殺人事件は起こり続ける。第5話では工場勤務の中年男性が殺害され、死亡前日に酒を飲み交わした同僚3人が容疑者に。しかし彼らに動機はなく、犯人の痕跡らしきものも残されていない。

これにはさすがのイナもお手上げか……と思われたが、ここにきて初めて「加害者ではなく、被害者側から犯行動機を考える」という視点を得ることになる。それは「パズルのピース=3つの殺人事件」の捉え方を180度ぐるりと変えてしまう“気づき”でもあった。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

お待ちかねの豪華ゲスト登場! ついに折り返し地点の第6話

前半戦の折り返し地点と言ってよいだろう第6話では、韓ドラ好きが手揉みして待ち構えていた超豪華ゲストがついに登場。加えて、ハンセムの全身にイカツいタトゥーが入っている(※一部は消えかけの)理由が気になっていた人も、ひとまずスッキリ! な濃ゆい内容となっている。

そんな第6話のキーパーソンであり4人目の被害者となるド・ユンスを演じるのは、我らがイ・ソンミン。これまでの被害者たちの関係を洗っていた際に浮上してきた建設会社の社長だ。彼は3人目の被害者カン・チモクと繋がっていたようだが、なんとイナが会いに行った同日に不可解すぎる死を遂げる……(※チモク役のイ・ヒジュンは“元「和牛」の川西に激似”で知られるが、脅威の肉体改造を見せた『KCIA 南山の部長たち』[2020年]でもイ・ソンミンと共演している)。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

ド社長の死がメディアで報じられたタイミングで、イナのもとには4枚目のパズルのピースが届けられる。しかも、殺害現場から“社長のものではない証拠品”が紛失していたことが判明。ふたたび警察内部の関与が濃厚になり、ハンセムは周囲に目を光らせる。

その頃、パズルに描かれた背景から実在する遊園地を探り当てたイナは、イ・ミヨンが住んでいた高級タワマンのラグジュアリーな部屋が被害者たち=ミヨン、チモク、ド社長の<共通点>であったことに気づく。一体あの部屋で何があったのか? 犯人はどう関係しているのか? 被害者側? 加害者側? それとも……。

『ナインパズル』©2025 Disney and its related entities

ドラマを超えた満足度! 7~11話はどうなる?

4つの殺人のうち3つの共通点が発覚し、だがパズルの謎は解明されないまま、はたして7話以降はどんな展開を見せるのか――。監督が随所に紛れ込ませた映画や推理小説などの小ネタも楽しみだし、まさにイッキ観不可避の身震いする面白さだ。後半戦もみっちりレポートする予定なので、引き続きイナとハンセムの凸凹バディぶりを見守っていこう。

『ナインパズル』はディズニープラス「スター」にて独占配信中(全11話/初回6話一挙配信、以降毎週水曜日配信)

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 【松山市・Charlot Bonny Steak & Bourbon House(シャーロットボニー ステーキ アンド バーボンハウス)】ステーキも焼き肉も好き! 肉を食べに行こう

    愛媛こまち
  2. 原菜乃華「あなた死霊を背負ってる」恐怖の一言に絶句…【『見える子ちゃん』公開直前イベント】

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  3. なえなのに生霊!現場でフリーズ…「信じられないほど怨念を持ってる人がいる」【『見える子ちゃん』公開直前イベント】

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  4. 変わらないもの~ 小説家・清水晴木「晴れ、ときどき懐う(おもう)」

    チイコミ! byちいき新聞
  5. 【公式レシピ再検証】ホテルオークラの「フレンチトースト」を元料理部が本気で作ってみた → コスパ最強だった

    ロケットニュース24
  6. 声優・江口拓也さん、『SPY×FAMILY』『アイドリッシュセブン』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『ツキプロシリーズ』『ギヴン』など代表作に選ばれたのは? − アニメキャラクター代表作まとめ(2025 年版)

    アニメイトタイムズ
  7. 「妥協なきコーヒーへの熱き想いとこだわり」訪れる人が安らげる特別な一杯を。リュミヌーコーヒー(後編)【宮城県仙台市】

    ローカリティ!
  8. 【2025年初夏】めちゃめちゃ今っぽいよ。最新オレンジベージュネイル

    4MEEE
  9. 子役・池村碧彩(9)“謎の答え”がかわいい 映画『ドールハウス』ジャパンプレミア

    動画ニュース「フィールドキャスター」
  10. 【心配】昨年、緊急中止となった「よくばりフェス」が帰って来る! 今年は大丈夫なのかサーティワンに問い合わせてみた

    ロケットニュース24