藤枝東に力強さが戻ってきた!過酷な遠征を経て成長。狙うは全国高校サッカー選手権出場とプリンスリーグ東海優勝
プリンスリーグ東海で3連敗中だった藤枝東が、中断明け初戦となった9月7日の浜名戦で3−1の逆転勝ち。夏場に全国を転戦してきた伝統校に、本来の力強さが戻ってきた(シズサカ編集部)
6年ぶりの全国出場を狙った6月の県高校総体は決勝で静岡学園に1−2の逆転負け。1点を守り切ろうとして重心が後ろに下がり、一気に2点を奪い返された。プリンスリーグは開幕から5勝1分けで首位を走っていたが、第7節からの3連敗で6位に転落した。
小林公平監督によると、巻き返しを図るべく、この夏は明確な狙いを持ってチーム作りを進めてきたという。「失点が多かったので、まずは守備の修正を。それ以上に、前への推進力をつけて攻撃の良さをもっと出せるように取り組んできた」。さまざまな選手を試し、チーム内競争をあおったという。
8月は移動日以外にほとんどオフがないハードな日程を組んだ。神奈川遠征で専修大や国士舘大に胸を借りた後、すぐに4日間の山梨遠征。すかさず青森に向かって4連戦。疲労困憊の中、青森から帰ってくる途中に宇都宮にも立ち寄って練習試合をこなしてきた。
「マジでキツかったっす」という選手たちを横目に、指揮官はニヤリとしながらうなずいた。「ゲームをやり倒してきた。暑い中で選手は本当にきつかったと思うが、あえて遠征の移動を大変にしてみたり…。タフな部分を出せるようになってきた」
エース湯山頼みからの脱却
プリンスリーグ再開初戦の浜名戦は後半8分にサイドを崩されて先制を許したが、トップ下に入った湯山大輔がすかさず同点弾と勝ち越し弾を放った。県選抜としてSBSカップ国際ユースサッカーにも出場した絶対的エースは10試合で14ゴールと得点ランクトップを快走中だ。
チームはエース頼みからの脱却も図っている。190センチの大型ストライカー市川大耀は浜名戦で1トップに入り、チーム3点目をゲット。夏前までベンチを温めてきた選手たちが先発に名を連ね、定位置を確保しようと次々に猛アピールした。
「ギリギリまで遠征を行い、疲れが取れていない中でも勝てたことはよかった」と小林監督は目を細め、「ここからコンディションをしっかりあげていければ」と今後の連戦に向けて手応えをのぞかせる。
プリンスリーグは首位の浜松開誠館から6位の藤枝東まで勝ち点6差の混戦模様となっている。選手権予選でも、長く続いている静岡学園の“1強体制”に待ったをかけるつもりだ。
たくましさを増した藤色軍団が仕掛けるロングスパート。11月末の最終節まで走り切ることができるか。