瑠奈被告がホテルフロントのかけた電話とは…すすきの男性殺害事件 父・修被告初公判②検察側の新証拠
本間壮惟記者「田村修被告の初公判の日を迎えました。札幌地裁には傍聴券を求め次々と人が入っていきます」
そして、1月14日午前11時に始まった裁判員裁判。
本間壮惟記者「上下黒色のスーツ姿で現れた修被告は落ち着いた口調で起訴内容を否認しました」
修被告「違う点がいくつかあります」
検察官が読み上げた起訴状を否認。
正確に伝えるためとして用意してきたメモを見ながら次のように話しました。
修被告「物品の購入については殺害に使うものと知りませんでした」
「娘を車に乗せる時点で頭部があると知りませんでした」
「被害関係者により一層のご迷惑をおかけしたことは申し訳ないと思っています。すぐに警察がやってくると思い、残された時間を娘と過ごすことで精いっぱいでした」
検察側は冒頭陳述で「浩子被告と修被告は瑠奈被告の機嫌を常にうかがうなど瑠奈被告中心の生活だった」と指摘。
さらに、「瑠奈被告は被害者の男性と会う約束した日に修被告に『ディスカッション』を求めていて、その後、修被告が凶器の折りたたみナイフなどを買っていることから、修被告は瑠奈被告の殺害計画を事前から知っていた」などと主張しました。
一方、弁護側は・・・
弁護士「瑠奈さんによる殺人や死体損壊の意図を事前には知らなかった以上ほう助罪は成立しない」
さらに、「瑠奈被告が自宅に被害者の頭部を持ち込んだ時点で死体遺棄という犯罪行為は終了しており修被告が死体遺棄をほう助した認定することはできない」などとして無罪を主張しました。
その後、裁判では検察側が証拠を提出。
被害者と一緒にホテルに入った瑠奈被告。
ホテルから出る際にフロントにかけた電話の内容が明らかにされました。
瑠奈被告「私1人だけ部屋を出たいのですが、可能ですか私は戻らないのですが、もう1人の男性が最後までいたいと言っている」
その電話から1分後、瑠奈被告は1人でホテルを後にしました。
去年6月に始まった浩子被告の裁判と1月14日に始まった修被告の裁判ではどのような違いがあるのか。
刑事事件に詳しい東京地検の元検事・中村浩士弁護士に今回の裁判のポイントを聞きました。
中村浩士弁護士「浩子被告の裁判の場合には頭部を自宅に運び入れたあとの頭部の損壊、あるいは「隠匿」これを手助けしたということが犯罪として問われてるんですが、今回の修被告の場合には、その前段階、殺害の実行行為、これ自体を手伝ったんだと。ここが最大の争点になっているという違いがあります」
また、浩子被告の時とは違い裁判員裁判で審理されることについては・・・
中村浩士弁護士「今回、幇助行為、「手助けをした」ということで起訴されているんですが、手助けというのは、物理的に犯行を容易にすることのみならず、心理的にも安心して犯行ができたんだと、容易になったんだと。心理的なほう助というのもあるんですね。ただ、何を持って物理的に、特に心理的に犯行を容易にしたと言えるのかどうか」
「素人である一般の方々、裁判員の方々が常識的に、社会通念上、そこをどのように判断するのかというのは、本当にそれぞれの方の価値観が出てくるところですので、そういったところが1番この裁判を難しくさせるよういんかなと思います」