県高校総体 バスケットボール女子 王者としての成長が見えた明豊が3年ぶりのV 【大分県】
大分県高校総体バスケットボール競技
6月3日 ダイハツ九州アリーナ
女子 決勝リーグ最終戦
明豊84-61大分
「ほっとしたというのが率直な感想」。試合後、緊張から一気に解放されたような笑顔で話してくれた杉山真裕実監督。新チームの始動以来、県内負けなしの記録をまた一つ更新した明豊にとって、全国高校総体(インターハイ)は3年ぶり。しかも前回優勝時はライバルの大分が棄権欠場していただけに、「大分に勝ってインターハイへ」という念願を果たした。
2勝同士で迎えた明豊と大分の決勝リーグ最終戦は、一進一退の攻防が続いた。大分の強力なオールコートのマンツーマンディフェンスや精度を上げたゾーンディフェンスに対し、キャプテンの末永瑠奈(3年)、原田美優(同)を起点に攻めるが、大分もすぐに得点を返し、なかなか点差を広げることができない。我慢の時間が続く中で、ファウルを誘うカットインや永原琉衣(同)のインサイドプレー、第2クオーター途中からコートに立った中島綾香(2年)の攻守におけるリバウンドで優位に立つと、明豊らしさを発揮し始めた。
6点差で折り返した後半、明豊の粘りのディフェンスで大分のシュートがなかなか決まらなくなると、そのチャンスを逃さず着実に得点を重ねた。明豊は最後までマンツーマンで守り抜いたが、足が止まることはなく、最後の一秒まで全力で駆け抜けた。
激しいマークに苦しみながらも力を発揮した末永は、「基本に立ち返ったことで、楽しく戦おうと思えた」と、気負いはあったものの昨年の大会よりもリラックスして戦えた様子。インサイドプレーやリバウンドで勝利に貢献した永原は、「明豊らしいスピードで流れをつかめた。我慢の時間も自分のやるべきことができた」と話した。
試合では王者としてのプレッシャーを力に変える精神的な成長も見られたが、大会わずか2週間前には、「なんとなくうまくいかないという違和感があった」と杉山監督。不安を払拭すべく、パス、レイアップシュートなど、基本的な技術を改めて徹底練習した。個々の技術が上がったことで、我慢の時間にも慌てず、冷静な判断が勝利へつながった。
2年時から主力メンバーとして活躍してきた選手たちの経験値は上がり、全国での期待はさらに高まる。全国の最高成績は昨年度のウインターカップでの2回戦進出。全国ベスト8以上を目指して、基本技術の精度をさらに上げていく。
(黒木ゆか)