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自然写真家・今森光彦のライフワークの集大成、「今森光彦 にっぽんの里山」東京都写真美術館で、6月20日(木)から。

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自然写真家・今森光彦のライフワークの集大成、「今森光彦 にっぽんの里山」東京都写真美術館で、6月20日(木)から。

 今森光彦は、日本を代表する自然写真家として自然と人との関わりを美しい写真や映像、そして親しみやすい文章で伝えつづけている。幼いころから昆虫の生態と美しさに魅了された今森は、世界中の昆虫を求めて精力的に取材活動をつづけてきたが、1992年、雑誌で「里山物語」の連載をはじめる。

「里山」は森林生態学などの分野で、人里と山の間に広がる農業環境を指す言葉として使われていたもので、当時はまだ一般的ではなかった。今森はその概念を拡げ、「人が暮らしている同じ場所に生き物がいっしょにいる空間を全部里山」と考えた。その新しい自然の概念は多くの人々の共感を呼び、「里山」が一般の人々に認知されるきっかけとなった。

 本展「今森光彦 にっぽんの里山」は、これまで今森が30年以上にわたり撮影してきた琵琶湖周辺から始まり、日本中の里山を取材するという新たなテーマを掲げ、約20年の歳月をかけて全国200ヶ所を撮影したもの。その中から厳選した約190点を紹介するシリーズ最新展である。「里山」をめぐる今森光彦の旅は、自然と人が調和する空間を鮮やかに浮かび上がらせ、美しく多様性に富んだこの国の魅力を伝えている。本展は、「春夏秋冬」の4章で構成され、未公開の写真作品・映像作品も含み一挙に紹介される。さらに、今春撮り下ろしの「里山」最新映像作品も展示される。撮影場所は今森の活動拠点、滋賀・湖西地域にあるアトリエを囲む「オーレリアンの庭」。約35年前に開墾を始め、現在も約1000坪の敷地に生きものが集まる庭を造り続けている。今回の映像では、どのような出会いや発見があるのだろうか。
 会期中には関連イベントも開催される。福岡伸一(生物学者・作家)と今森の対談や、今森の監修した『里山』の特別上映と上映後は小野泰洋(元NHKエンタープライズ エグゼクティ・プロデューサー)と今森によるトークが予定されている。
 会期は6月20日(木)~9月29日(日)、会場は 東京都写真美術館 2階展示室。詳細は公式HPをご覧ください。公式HP :https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4814.html

朝霧の棚田 新潟県十日町市 2010年  作家蔵

今森光彦 近影 撮影:今森元希

今森光彦 プロフィール 
1954年、滋賀県大津市生まれ。独学で写真を学び、80年からフリーランスの写真家として活躍。以後、琵琶湖を望む田園にアトリエを構え、自然と人との関わりを「里山」という概念で追う一方で、世界各国を訪ね、熱帯雨林から砂漠まで広く取材。第48回毎日出版文化賞、第20回木村伊兵衛写真賞、第42回産経児童出版文化賞大賞など受賞多数。写真集に『里山物語』(新潮社)、『湖辺みずべ』(世界文化社)、『今森光彦昆虫記』、『今森光彦フィールドノート里山』(ともに福音館書店)など著書多数。近年は環境農家、ガーデナー、里山環境プロデューサーとしても活動。

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