大阪万博イタリア館の料理を都内でも食べられるぞ! → なるほど、評判がいいわけだ…!!
大阪万博でトップクラスに評判が良さげなイタリア館。万博でレストランを運営しているのは、都内にも店舗を持つイタリア発のイタリアンフードマーケット「イータリー」だ。
そのイータリーが、万博で提供したメニューの一部を全店舗で提供開始……! 期間は2025年7月10日から8月31日だそう。これは食べに行くしかないだろ……!!
・イータリー
何だかんだで大人気の大阪万博。特にイタリア館はSNSでもしょっちゅう関連する一般人の投稿や、展示に関する報道がバズっている気がする。
残念ながら私はまだ万博自体に行けていないのだが、行った人たちのレポートによると、基本的に数時間待ちが当たり前なもよう。
イタリアは諦めて別の国のパビリオンに行ったという声もよく見る。この酷暑の中での数時間に及ぶ待機を乗り越えて参加するのはすさまじいストレスだと思うが、しかし多くの人が、待ち時間に見合う展示だと感じているもよう。
まあ、本物の「ファルネーゼのアトラス」やミケランジェロの「キリストの復活」が置いてあるんだもんな。東京からナポリだのローマだのまで行って帰ってくるのにかかる費用と時間を考えれば、数時間程度の待機など0に等しいという見方もできなくもない。
その手の芸術は、万博に行った者の特権だろう。しかし展示と共に好評なイタリア館のレストランで提供される、ガチなイタリア料理のいくつかは……「イータリー」が直々に都内と湘南にある店舗で提供を開始した。
神だろ……! 提供されるのは、イタリア館で提供されたヴェネト、ラツィオ、アブルッツォ、カンパニア、そしてプーリアという、5つの州のパスタ料理を1品ずつ。そこに、万博で好評だというイータリーオリジナルのポテトフライだそう。
詳しくはイータリーの公式HPで確認していただきたい。
・プーリア
都内の店舗は何ヵ所かあるが、私が選んだのはGINZA SIXにある「イータリー銀座店」。ここのイータリーは「LAPIAZZETTA」、「LA PASTA e LA PIZZA」、「LA GRIGLIA」の3つの異なるスタイルで展開している。
パスタによって提供される店舗のスタイルが異なるらしいので、銀座店に行こうという方は事前に確認した方がいいだろう。私は最初からプーリア州のパスタを食べたいと考えていたので、「LA GRIGLIA」を選択した。
こちらが、イータリー銀座店「LA GRIGLIA」で提供されている期間限定の万博メニューだ。
おっと? 公式HPでは、イータリーオリジナルのポテトフライは1100円の「パターテ クロッカンテ」だったが、どうやら銀座店では1580円の「パターテ クロッカンテ トリュフ」になっているもよう。
個人的にはHPに書かれているアンチョビ入りソースで食べるポテトも楽しみだったが、まあトリュフもいいだろう。
プーリアのパスタ「オレキエッテ イエローダッテリーノトマトとストラッチャテッラのせ(1980円)」と、このポテトをオーダー。
なお、万博のパスタは4400円のパスタ・フレスカ・コースでも選ぶことが可能だそう。私のようにポテトとパスタを頼んだ場合との値段差は1000円弱(1000円より少し少ないという、正しい方の意味)なので、ハムやグラタン、ドルチェなどがついてくるコースにするのも良い選択だと思う。
まず出てきたのがポテトだ。
いや、トリュフの香りがすっげぇな……! 店員が近づいてくる前からなんかトリュフの匂いがすると思ってたが、私が注文したポテトのものだったか。
ポテトの表面のパリッと感。しかし中はしっとり。ゴリゴリにかけられた粒の大きい塩は、味だけでなく食感面でも機能している! 粒子の細かい塩では、このウマさには至らないだろう。塩のセレクトのIQが高い。
芋を嚙み潰すと、内側の甘みの強いこと! マジで俺の知ってるジャガイモかこれ? 外見から塩がゴリゴリ気味だなと思ったが、なるほど、この内側に秘められた芋の甘みに呼応する仕掛けか……!
なんとテクニカルな!! 今まで食ったポテトフライの中で、最も洗練された構成を持っていると言っても過言ではない。いやしかし、これはいよいよアンチョビソース版も気になってしまう。
ポテトにおののいていたところ、パスタが到着した。
なぜプーリアにしたのか? 過去にヴェネツィアでイカスミパスタは食ったし、ナポリでもニョッキを食ったし、ローマで食べた濃厚カルボナーラは私にとってカルボナーラの指標だし、ミートボールはそんなに興味が無かったので、消去法で行ったことのないプーリアになった感じ。
私とイタリアは、駅に監禁されて野宿するくらいの付き合いだからね。実はそこそこイタリア経験値があるのだ。
こちらがイエローダッテリーニ。そういうトマトだ。
これがストラッチャテッラ。ズタボロにされたモッツァレラみたいなやつ。
そしてオレキエッテ。プーリアのパスタ。
食べると、なるほどね。黄色いトマトのフルーティな酸味と甘みの効いたソースの味。そしてトマトの実の、ブドウのような弾け感とソフトみの両方を感じさせる独特の食感。
オレキエッテはクニクニした弾力を発揮。その全てをマイルドにし、絡み合わせる、クリーミーなストラッチャテッラ。
おっと、食べるまで気付かなかったが、塩味とドライでイーストみある小麦を感じさせる何かが仕込まれている……! これは、なんだ? 砕いたタラッリか(メニューを見た)!!
ようは固いパンだ。やられたね。イエローダッテリーニの実のぷちゅんぷちゅん感を除くと、ソフト&もっちゃり方面に偏りがちなところを、タラッリのハードな食感でうまいことシメているのか!!!
凄いねこれは。複雑な味わいだ。何と楽しいパスタだろう。万博での他のメニューもこのようなクオリティであれば、そりゃあ何を食っても満足度は高くなるものだろう。
皿に残ったソースを舐め回したくて仕方がない。家だったらスカルペッタしただろうが、GINZA SIXなのでかろうじてそれは控えた。都内と湘南にお住まいの皆さん、イータリーの万博メニューはガチだ!!
参考リンク:イータリー
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.