【住宅ローンの現実】31歳、世帯年収550万。ローン3,800万は高すぎますか?【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな貯金額を大公開。今回は、住宅ローンのお悩みにフォーカスを当て、借入可能額や毎月の返済額の目安、家計の改善点についてファイナンシャルプランナーが解説します。【31歳 人材派遣業】
【住宅ローン】31歳、人材派遣業の場合
プロフィール
31歳、男性
人材派遣業の総務
▼現状
世帯年収:550万円
住宅ローン:3,800万円
家族構成:妻(30代、会社員)、子ども2人(6歳、4歳)
都内在住
【相談内容】世帯年収550万円×住宅ローン3,800万円は妥当?
「世帯年収に対する住宅ローン借入額は妥当ですか?趣味や家族旅行に行く余裕がありません……」
世帯年収550万円の住宅ローンをシミュレーション
まずは、年収に対して何倍の借り入れをしているか確認してみましょう。
住宅金融公庫の「2023年度 フラット35利用者調査」によると、全国のフラット35利用者が実際に借り入れしている平均年収倍率は6.7倍*です。
世帯年収500万円の相談者さんの場合、借入額は3,800万円で年収倍率は7.6倍。
収入に対する住宅ローンの負担は平均よりも高いと言えます。
*……参考:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」(p.18)
毎月の住宅ローン返済額の目安は?
相談者さんの現在のローン返済額は毎月12万円とのこと。
一般的に、居住費が家計を圧迫しすぎない目安は、収入の25%以内といわれています。
世帯年収500万の場合、毎月約10万4千円程度です。
現在の収入に対する住宅ローンの負担は大きく、趣味や家族旅行にお金を使うゆとりがなくなってしまうのも自然なことかもしれませんね。
また、今後は住宅の設備修繕、メンテナンスなど、定期的に大きな出費が見込まれます。
さらに、お子様たちの成長に伴い、教育費の増加も合わせて考えると、現在のご年収で住宅ローンを返済しながら趣味や家族旅行の費用を捻出するのは難しいかもしれません。
長期的にリスクを抑えた資産形成を
相談者さんは、「リスクの高い投資にも興味がある」とのことですので、投資と貯蓄のバランスについて解説します。
一般的に、手取り収入の20%を貯蓄に回すが理想と言えます。
また、日本では、家計の金融資産における投資信託の割合は約19%*となっています。
*……参考:日本銀行「2024年10〜12月期の資金循環統計(速報)」
相談者さんは収入の1/3を投資などに充てているとのこと。
その結果、相談者さんの資産は、投資信託が83%、預貯金は10%となっており、投資信託の割合が非常に高い状態です。
投資に偏りすぎると手元の現金が不足してしまい、生活のゆとりが損なわれることもあるので注意が必要です。
万が一の収入減や予期せぬ支出に備えるための「生活防衛費」を確保しておく必要があります。
生活防衛費は、生活費の3〜6か月分といわれていますが、相談者さんの場合はお子さんが2人いらっしゃいますので、生活費の6か月分を確保しておくと安心感につながります。
投資信託などのリスクが低い投資から個別株などのリスクが高い投資に回すかどうかは、資産の状況や投資の目的、リスク許容度などによって異なります。
住宅ローンの返済は今後も続くため、長期的にリスクを分散させることでリスクを抑えつつ安定した資産形成を目指すことが重要です。
まとめ
・相談者さんの住宅ローン借入額の負担は、年収の7.6倍で平均よりも高め
・現在の収入で住宅ローンを返済しながら家族旅行などの費用を捻出するのは難しい
・長期的にリスクを分散させ、リスクを抑えつつ安定した資産形成を目指す
※この記事では媒体で募集した情報に編集を加えて掲載しています。
◆かげやま
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
人には相談しにくいお金のこと。そんな悩みや不安を気軽に相談できるFPを目指しています。
お金の制度や保険について分かりやすく伝えます。