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「あったね~」「これ何?」 昭和の家電が面白い! 釜石・郷土資料館で6月1日まで遺産展

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 日本の高度経済成長に代表される「昭和」の時代―。その昭和が始まった1926年から数えて100年目の今年、当時の出来事や流行に触れる機会が増えている。釜石市鈴子町の市郷土資料館(小笠原太館長)では、昭和の時代に製造、利用された家電(家庭用電化製品)を集めた遺産展を開催中。“昭和世代”には懐かしく、平成・令和生まれには新鮮な驚きがある空間となっている。6月1日まで開催する。

 本年度の同館収蔵資料展の一環として開催。展示資料47点は市民から寄贈されたもので、普段は非公開の品々だ。会場には衣食住のほか、娯楽に関わる製品が並ぶ。家電は戦前から製造されていたが、戦中は“ぜいたく品”として、ラジオなどを除き、製造販売が制限されていたという。一般家庭に広く普及していったのは戦後。洗濯機、冷蔵庫、炊飯器などの便利品が家事労働の負担を軽減した。

洗濯機や掃除機の商品カタログをパネル化して展示。「ザ・昭和」を感じる


昭和の時代に製造された家庭用電化製品の数々を展示する会場


 炊飯器は火力調整が必要なガスから電気に。1955(昭和30)年、国産初の自動式電気炊飯器が登場。後に、炊飯と保温が一体化したジャー炊飯器、内釜全体を発熱させるIH(電磁誘導加熱)炊飯器が登場した。家庭用電子レンジは65(昭40)年に初めて発売されたが、当初は価格が高く、普及が進まなかった。76(昭51)年に低価格のファミリータイプが発売され、購入層が拡大した。今回の展示では、20年ほど前まで使われていたという、ごく初期の電子レンジも見ることができる。

重量感たっぷりの電子レンジ(左)。約20年前まで“現役”だったという


 家事が楽になり、時間的余裕が生まれると、娯楽に関する製品が増えていった。53(昭28)年の国内テレビ放送の開始で、ブラウン管の白黒テレビが出始めたが、当時は高価。60(昭35)年のカラーテレビ放送開始、64(昭39)年の東京五輪開催がテレビの普及を後押しした。70(昭45)年代に入ると、カラーテレビの価格が下がり、“一家に一台”時代を迎える。これに伴い、家庭用ビデオデッキやテレビゲーム機も登場。83(昭58)年発売、任天堂のファミコン(ファミリーコンピューター)は一世を風靡(ふうび)した。

4本脚の白黒テレビ(左)とカラーテレビ(右)。当時はダイヤル式のつまみを回してチャンネルを変えていた


 今回の展示品で最も古いものとみられるのが、真空管ラジオ。戦後復興期の主流で、55(昭30)年に国内初のトランジスタラジオが発売されると小型・軽量化が進み、ラジオは急速に普及した。その後、カセットテープレコーダーにラジオチューナーを一体化させた「ラジカセ」が発売され、いつでもどこでも気軽に録音・再生が楽しめるようになった。最近、デジタル世代がアナログ音源や機材に興味を持ち、ラジカセで音楽を楽しむ姿もあるという。

(左から)真空管ラジオ→トランジスタラジオ→ラジカセへと進化。ラジカセは昭和レトロを好む若者にも人気


 家庭用の映像記録の始まりは8ミリフィルムカメラ。撮影した映像は映写機でスクリーンに映して楽しんだ。同機で映画鑑賞も。昭和50年代後半にはビデオテープが普及し、撮影機器も変化していく。写真撮影のフィルムカメラ(二眼レフ)は昭和初期から。一眼レフは昭和30年代に登場し、同50年代にかけてオートフォーカス技術が進化していった。通信技術の遺産はダイヤル式電話機とアマチュア無線機。

8ミリフィルム映写機(左)とカメラ(中)。後に簡単操作、高画質のビデオカメラ(右)へ移行していく


ワープロ(左上)、ダイヤル式電話機(右上)、アマチュア無線機(下)。貴重な昭和遺産


 会場では昭和家電の商品カタログや取り扱い説明書も展示される。同館の佐々木寿館長補佐は「ラジオやテレビ、写真、ビデオ、電話…。今やスマホ1台でできてしまうことも、昭和のこうした技術の進化が基になっていることを感じてもらえれば」と話す。自分が使っていたものを懐かしんだり、知らない世代には新鮮な発見があったり…。同世代、世代間の会話も弾む展示会となっている。同館の開館時間は午前9時半から午後4時半まで(最終入館:午後4時)。火曜日休館。

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