より便利にスムーズに 県交通バス釜石大槌路線に地域連携ICカード28日から導入
岩手県交通(本田一彦社長)の釜石営業所管内で28日、地域連携ICカード「Iwate Green Pass(いわてグリーンパス)」の運用が始まった。管内6路線、バス19台に順次導入される。「Suica(スイカ)」など全国交通系ICカードとの相互利用が可能で、独自のポイントサービスもある。スムーズな乗降、利便性向上で地域公共交通の活性化に期待が寄せられる。
28日は釜石市鈴子町の釜石駅前ロータリーで、関係者による運用開始式が行われた。同市の小野共市長は「市内の交通弱者、バス利用者の利便性が大きく向上するものと期待している」とあいさつ。本田社長は「国、県、市町の支援に感謝する。地域のインフラの一部としてご愛顧いただき、皆さまのお力で育てていただきたい」と述べた。初日はICカード対応車両2台が運行した。
いわてグリーンパスはJR東日本の「Suica」をベースにした地域版交通系ICカード。同カードで県交通バスの運賃を支払うと、3%が交通ポイントとして付与される。たまったポイントが乗車運賃と同額以上になると、自動的にポイントで運賃が支払われる。交通ポイントは県交通の対象路線でのみ利用できる。
カードは無記名と記名式の2種類があり、発行金額は2千円。野田町の釜石営業所で販売している。チャージ(入金)は導入路線のバス車内、コンビニエンスストアなどでできる。バス車内では千円単位で、最大2万円までチャージ可能。
釜石営業所管内の導入路線は釜石市内線、上平田ニュータウン線、小川線、定内県立病院線、浪板線、赤浜線。ICカード対応機器の入れ替えは2月中旬ごろまでかかる見通し。切り替え期間中はICカード対応車両と旧来の磁気式バスカード対応車両が混在するため、利用者には両カードの所持を呼び掛ける。
同営業所の鶴飼光裕所長は「スピーディーに乗車でき、カードの買い替えの必要もない。ポイントもたまってお得。ぜひ、お客様にご利用いただきたい」と話す。
同カードは2021年の盛岡地区での運用を皮切りに、県内営業所に導入されてきた。釜石は13営業所中11カ所目の導入。現在、盛岡地区だけで運用される “IC定期券”も将来的には県内全域に拡大していきたいという。