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「親と離れた子」支援し10年 市内の「大人」ら 交流機会を

タウンニュース

今秋行われた催しの様子

町田市内の児童養護施設で生活する子どもたちに、「外での体験」「大人との交流」などを提供してきた支援団体が先ごろ、活動開始から10年を迎えた。代表の花岡伸旨さんは「親元から離れざるを得ない子どもたちに、家族で出かけるような身近な経験をさせてあげたいと考えてきた」と話す。

団体名は「地域こども支援・みかん」。町田青年会議所(JC)の事業として企画されたイベントをきっかけに活動をスタートさせ、取り組みに関わった伊藤剛さんや原康之さん=中面・人物風土記で紹介=らが2016年に「みかん」を立ち上げ、活動を継続してきた。会員に名を連ねるのは地域の大人たち。親から虐待を受けたことなどの理由で児童養護施設での生活を送らざるを得ない子どもたちに対して、ピザやカレーを一緒につくるなど、食や自然にまつわるイベントを原則年1回、企画してきた。

今秋は牧場でバーベキューを開催すると、参加した子どもたちからは笑顔がこぼれ、副会長の粉奈里衣さんは「初めは緊張している子も、徐々に打ち解けて楽しんでくれていた。企画してよかったなと感じられる瞬間」と振り返る。

「お金をかけずに」

同会の運営で発足当時から大切にしているのは「お金を使わずにどうやるか」ということ。寄付などを募るのではなく、月々の定例会費から捻出することにこだわり活動してきたという。「お金をかければ、良い場所に連れていくことは容易かもしれない。でもそうではなく私たちが考え動くことで、子どもたちに家族で過ごすような、身近な体験をさせてあげたいと考えている」(花岡さん)

一方で、粉奈さんは「一緒に遊んだ女の子たちが言ってくれた『粉奈ちゃんがお母さんだったらよかった』という言葉が胸に突き刺さっている」と話す。

長期にわたって行ってきた取り組みも、今年で10年。昨年まで会の代表を5年間務めていた原さんは「毎回子どもたちと再会し、その都度成長を見守れることがうれしい一方で、親元に戻れていない現状にもどかしさを感じる。本来であれば『ここにいてはならない』子どもたちなので」と話し、「彼らが大人になったとき、私たちの活動を通して経験したことが頭の片隅にでも思い出として残ってくれていればと思う」

会のシンボル。子どもは「未完成(みかんせい)」であることと児童虐待防止の象徴・オレンジリボンに由来している

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