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〈奈良市〉65歳から学んだ読み書きで思いを伝える 愛する妻へ向けた“35年目のラブレター”/西畑 保さん

Narakko!

奈良で活躍する“奈良もん”


今回は、映画「35年目のラブレター」のモデルとなった西畑 保さん(89)をご紹介!

本年3月から全国で公開されている映画「35年目のラブレター」は、読み書きができなかった男性が定年退職後に夜間中学で文字を学び、71歳になって初めて妻にラブレターを書く物語。この作品のモデルとなったのが、奈良市の西畑保(にしはたたもつ)さん夫妻だ。

和歌山県熊野川町(現・新宮市)の炭焼きを生業とする家に生まれ育った西畑さん。家の貧しさが原因で教師と同級生からいじめを受け、小学2年生の途中から不登校に。以来、学校には通わず、12歳から働きに出たが、その人生に付きまとったのは“読み書きができない”ことだった。 三重、奈良、大阪などの飲食店で働いてきたが、注文を書き留められない、また買い出しで渡されたメモが読めないなど苦労が絶えず、職場を転々とした。その中で30歳の頃から勤めた奈良市の料理店では事情を知る店主の理解もあり、定年を迎えるまで板前として働くことができた。 35歳の時、お見合いで出会った皎子さんに一目ぼれして結婚。一方で、ばれたら離婚されるかもしれないと、読み書きができないことは隠した。

ところが結婚3年目のある日、回覧板の署名ができなかったことで読み書きができないことがばれてしまった。しかし皎子さんは「つらかったのはあんたやんか」と西畑さんに寄り添った。以来、字を書く時はいつも皎子さんが助けてくれたという。 幾度となく自分を支え助けてくれた妻へ感謝の気持ちを伝えたい。西畑さんはラブレターを書くために字を学ぶことを決意し、65歳の時、奈良市立春日中学校夜間学級へ入学した。

「あいうえお」から学び始めて7年目のクリスマスの日、皎子さんに初めてのラブレターを書いた。35年の結婚生活で募らせてきた感謝の気持ちを綴った。「妻には『ラブレターやなくて、手紙やね』と言われたが、ちょっと泣いていたような気がした。字が書けるようになって一番喜んでくれていたのは妻だった」と西畑さんは振り返る。 それから毎年クリスマスの日にラブレターを渡していたが、4年目となる2014年、クリスマスの少し前に皎子さんは急病でこの世を去った。書き上げていた4通目の手紙は棺に入れて渡した。

―今度生まれ変わったら、又君と出会いたいです。 保より(手紙より抜粋)  皎子さんが亡くなって10年。西畑さんの想いは映画となって再び皎子さんのもとへ届けられる。

©2025「35年目のラブレター」製作委員会

【35年目のラブレター】
出演/笑福亭鶴瓶、原田知世 ほか
監督・脚本/塚本連平

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