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滋味豊かな「おぼろとうふ」食べ放題! 京都「京豆富 不二乃」で出会う豆腐のポテンシャル

ロケットニュース24

目にしただけ、耳にしただけで、何かが起こりそうな特別感に胸が高鳴るキラーワード「食べ放題」。焼肉、中華、洋食、パン、スイーツ……さまざまなジャンルがあるけれど、寿司などの一部の料理を除けば伝統的な日本食はあまり見ないかもしれない。

そんなことを考えていた古都の夜、京都らしい和食レストランを見つけた。おかわり自由で好きなだけ豆腐を食べられるという「京豆富 不二乃(ふじの)」だ。

ビュッフェやバイキングとはまた違った光を放つ「おかわり自由」! 「もとを取らなければ……」というプレッシャーから解放され、ビュッフェ台の品数を増やすためだけの低原価メニューにも惑わされず、その店の選りすぐりの逸品を好きなだけ食べられる魅惑のシステムだ。

・豆腐料理「京豆富 不二乃」

「京豆富 不二乃」があるのはJR京都駅直結、交通至便な「ジェイアール京都伊勢丹」11階だ。旅行者も立ち寄りやすく、多くの外国人が行き交う。

週末の夕方17時頃に京都駅に着いた筆者。「夕飯には早すぎるかな?」と思ったが、とんでもなかった。発券機で受付するとすでに16組待ち!

場合によっては90分以上の待ち時間になるというが、それだけではない。22時閉店ながら、18時半前には本日分の受付を終了。つまり、遅めに来店して食事のピークをずらせばすぐに入店できるのでは……なんて甘い考えは通用しない。想像を上回るすごい人気だ。整理券をとれただけでも運がよかったと言わざるを得ない。

スマートフォンで順番がわかるのでお店を離れてもよいが、旅の疲労もあった筆者は心を無にして地蔵になった。待つこと1時間40分。ついに番号が呼ばれた!!

・とうふおかわり自由の「お楽しみ膳」

「お楽しみ膳(税込3960円)」「京の湯とうふ膳(税込6490円)」「おとうふ湯葉膳(税込6600円)」と京都らしい御膳料理が並ぶうち、筆者はカジュアルなお楽しみ膳をオーダー。

まずは前菜として「生湯葉のおさしみ」や「胡麻とうふ」がテーブルに届いた。

上品で優しい味つけに、気持ちが穏やかになっていく。「ステーキこそ正義!」と思っていた20代の頃は、薄味で野菜中心な京都の料理が味気なく感じられていた。けれど今は和食が美味すぎる。自然と背筋が伸びて、一品一品をゆっくり味わいたくなってくる。

メインディッシュとも呼べる「ふわふわ おぼろとうふ」がやってきた! 不二乃では御膳料理を頼むとおぼろとうふ(コースによっては湯とうふ)がおかわり自由となる!!

まずはそのまま、何もつけずに口に入れた豆腐は、大豆の滋味たっぷり! もはや野菜料理と呼んでいいほど「豆感」がある。

テーブルには醤油、粗塩、唐辛子、鰹節、すりごま、塩昆布など豆腐の「おとも」が並ぶ。

ほんのちょっぴりの粗塩で味つけした豆腐は、この世のものとは思えないほど美味い! 「身体が求めているのはコレだよ!」という勢いで五臓六腑にしみわたる。少し塩を足すだけで豆のえぐみが嘘のように消え、普段は苦手な人も無限に食べられるのではという味に。

「焼肉食べ放題」とか「寿司食べ放題」とかに比べて、「豆腐の食べ放題」とはいささかパンチに欠けると思うかもしれない。筆者も正直そうだった。しかし、さまざまに味を変化させた豆腐は、十分に食事の主役になれる存在感だ。

ぺろりと完食。店員さんはこまめに「おかわりいかがですか?」と聞いてくれるので、気兼ねはまったくいらない。

塩昆布と鰹節の組み合わせも美味しい。この感覚、何かに似ていると思ったら、味のあるものをおかずに白米を食べるのと同じだ! つまり「おとも」の数だけバリエーションがある。

御膳についてくるのは豆腐田楽や湯葉など、ここでも大豆尽くし。食材の多くはビル内の直販店で購入できるという。

「柿とこんにゃくの白和え」のような季節を感じる小皿もあり、日本情緒を味わえる。

いろいろ味変してみたけれど、筆者のイチオシを挙げるなら唐辛子だな!

この唐辛子、ほんの少量でもピリリと辛く、かつ柑橘系の果物のような爽やかさも感じられて実にスパイシー。普段食べているスーパーの唐辛子が「ふぬけめ……!」と思えるほどクリアな味で驚いた。

人によって全然違う感想になりそうで、周りのテーブルの人に聞いて回りたくなるが、筆者はシンプルに塩&唐辛子がベストだと結論づけた。組み合わせを変えて、好みの味を探っていくのがかなり楽しい。

〆は「お揚げとさつまいもの炊き込みご飯」だ。少食な人なら、豆腐のおかわりをせず御膳の料理を順に食べるだけでもそれなりに満腹になると思う。

豆腐スイーツと黒豆コーヒーでフィニッシュ。かなり満腹だけれど、なにせ豆腐だ。水分も多いから気分が悪くはならないし、身体によいものを食べた気がして罪悪感も皆無! 退店時には心身ともに非常にすっきりしていた。

・まさか豆腐でこんなに満足感があるとは

人生で一番豆腐を食べた一夜だった。これは待ってでも食べる価値あり。味噌汁に入れるか麻婆豆腐にするか、完全に脇役だと思っていた豆腐にこんなポテンシャルがあるとは……。

筆者も含めてゆったり食事を楽しむ雰囲気なので、お客さんの回転率は低め。整理券をもらった後も待ち時間は長くなりがちだ。電話のみだが予約も可能なので、計画的に来店したい。

参考リンク:京豆富 不二乃
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.

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