【いづも巳之助の一株コラム】バイセルに営業利益で完敗も「なんぼや」が「バーキン」落札の強気な理由とは?
ブランドバッグと時計にめっぽう強い買取専門店「なんぼや」のニュースが入ってきた。今回、企業自体が14億円で落札したのか。ブランディング的には初号「バーキン」取得はかなりの経済効果が見込まれるが、それにしても関税とか入れると最終20億円近くになるよ。派手なオーナー企業だったら、このアクションは理解できるが、利益がそこそこの企業でこれをやってのけたのは何故だ?なにか今後の企業の躍進に自信があるはずだ!と巳之助はにらんだ。
10年位前から、イケメンのサキモト社長に目をつけていた。将来の買取事業には、真贋のAI導入やブロックチェーンでのトレーサビリティに既に目をつけていたからだ。人づてにフツーの社長じゃないなと思っていたよ。現在は、約90%前後の精度で「真贋の傾向」がわかるようになってきたそうだ。特に「ルイ・ヴィトン」と「エルメス」はほぼ大丈夫みたいだしね。そして、非対面で査定の完結やAI査定士など次々とサービスを生み出していったよね。
ここまで話をすると、さぞやDXが功を奏して利益が競合に対してぶっちぎりに勝っているのかと言えば、実はそうじゃない。同じ上場企業のバイセルは、営業利益率はもはや10%だが、バリュエンスは1.7%しかないもんね。この差は何か?バイセルは、広告量もすごいし、出張査定がウリで、無理なく既存のやり方を研ぎ澄ませて儲けている。でもバリュエンスは、なんで低い?
もしかしたら、DX投資がまだまだ回収できていないのかなと数字を見てみた。おー、減価償却・償却前の利益指標「EBITDA」がマイナス14億5000万円もあるじゃないか。じゃあ利益はまだ出ないよなー。もし、これがあと2年くらいで片付いたとしても、まだまだバイセルには追い付かない。ここは、サキモト社長の目指すDXが、伝家の宝刀にならない限りはむずかしいかなーと。例えば、1人当たりのこなす件数がAIで倍になるとすれば話は別だ。あの社長ならできそうな期待もあるよ。要は、人がこなしている業務をどれだけAIに任せられるかで、バリュエンスの価値が変わってくるんだね。
今後は、EBITDAの数字と業務プロセスの変更をよく見ながらこの株を考えていこうっと。でも、イケメン社長で会社の営業利益率が10%超になると「天は二物を与えず」に反するけどなー。しらんけど。
▶巳之助メーター 2ニョロ
もちろん監視だよ。今後は、減価償却の状況と業務プロセス変更がポイントだ。
(1ニョロ=素通り 2ニョロ=監視 3ニョロ=今だ!)
■プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前から分散投資を手がけ、まもなく保有株式評価額1億円。流通株を得意としている。たまに神社仏閣への祈祷、お祓い、占い、風水などスピリチュアルな方法で、売買を決定する時がある。