定番食材を得意料理に!卵、豆腐、牛切り落とし肉を使いこすコツ【レシピあり】
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
ゲストは、料理家 の 飛田和緒さん です。
テーマは「定番食材を使いこなして得意料理を見つけよう」
毎日ご飯を作るということは、本当に大変。買い物に行って準備、調理、食べた後も片付けがあります。
それでもずっと料理を続けてこれたのは、自分で作ることで満足できることが多いからだと思います。例えば、好きな食材、好きな味、そのときに食べたいものを「自分好みに作る」ということが、料理を得意になることや、好きになれることの近道だと思っています。そして、得意になるには「毎日のように好きな食材を取り扱う」ということが大切です。
今回は、飛田さんも大好きな「卵」「豆腐」そしてちょっとしたご馳走感が出やすい「牛切り落とし肉」を使いこなせるようになれる簡単なレシピを教えていただきました!この3つの食材を使いこなせるようになるだけで、100個のレシピを覚えたも同然!レシピと一緒にそれぞれの食材の扱い方も教えていただきました。
「 シンプルだけど奥が深くて難しい、ゆで卵!」
卵の扱いに慣れることによって、調味料や油を変えるだけで、和、洋、中、エスニック、幅広い料理を作れることになれます!
また、生でも半熟でもしっかり火を通しても食べられるので、シンプルなゆで卵や目玉焼きだけで、何通りも楽しめます!
材料(作りやすい分量)
卵 3個
作り方
1)沸騰した湯に1個ずつ静かに卵を入れる。
2)好みの固さに茹でる。飛田さんは、6分でトロトロ、8分で半熟、12分で固茹で、で計算しています。
3)冷水にとって冷まし、殻を剥いたら出来上がり。
ポイント
ゆで卵で大切なことは「使う分を冷蔵庫から出して常温にしておくこと」、そして「茹で終わった冷水で冷ますこと」です。
とにかく殻が上手く剥けたときの達成感がすごい。
ゆで卵に味付けをするのも、基本的にはポリ袋などに入れて1時間ほど置いておくだけでOK!とても簡単!
私は、しょうゆ、オイスターソース、ナンプラー、味噌、ウスターソース、ケチャップなどをベースにして酸味や辛味を足すことが多いです。
今回は、しょうゆ+黒酢(1)1)のものと、ウスターソースのものを用意しました。
もちろんそのまま食べてもいいですが、潰したり刻んだりして、他の料理にも使えて料理の幅がグッと広がります。
ゆで卵自体はとてもシンプルな料理ですが、これを覚えることによる恩恵は計り知れません!
スー:普段、ウスターソースでは感じないスパイスが立ってる!
「 豆腐の水分が生地に!豆腐のお好み焼き! 」
次は豆腐です。
豆腐も卵と同じく生でも火を通しても美味しいですよね。そのまま、煮る、焼く、と違った味わいが出るのも魅了です。また、醤油や出汁の味付けの和食だと、仕上がりの味の想像がつくので、すぐに扱いやすくなります!
材料(2~3人分)
絹ごし豆腐 1丁(300g)
キャベツ 1枚
長ネギ 1本
しめじ 1/3パック
小麦粉 1/2カップ
塩 小さじ1/2
削りがつお 適量
米油 小さじ2
作り方
1)キャベツはざく切り、長ネギは斜め薄切りに、しめじは小さい房にわける。
2)豆腐はパックから出したら流水でサッと洗い、大きめのボウルに入れ、切った野菜と小麦粉、塩を加えて、ざっくりと混ぜ合わせる。
3)フライパンに米油を熱し、お好み焼きを入れて丸く形を整え、両面をこんがりと焼く。器に盛り、削りがつおを散らしたら出来上がり。
ポイント
豆腐を使った料理の場合、最大のポイントは「水を切るか切らないか」
生で食べるときは必ず軽く水気を切ること。思ったよりも水気が多いので、味が薄くなりがちです。
このレシピは、豆腐の水分を生かしてお好み焼きの生地にするので、水気は切らずそのままで大丈夫です!
お好み焼きなのでソースも美味しいですが、ぜひ「ポン酢」や「しょうゆ」でサッパリ食べてみてください!
山内:なんでこんなモチモチなの!?
「 牛肉と甘酢生姜の のり巻き! 」
最後は牛切り落とし肉。
「牛肉」と聞くとハードルが高くなったかと思うかもしれませんが、サッと炒めたり、煮るだけで、簡単にご馳走になります。
材料(2~3人分・4本分)
米 2合
砂糖 大さじ2
酢 大さじ4
塩 小さじ1/2
牛切り落とし肉 150g
牛肉煮用の砂糖と醤油 各大さじ1と1/2
甘酢生姜 大さじ3
サンチュ 4枚
焼き海苔 4枚
作り方
1)少し少ない量の水でご飯を炊いたら、砂糖、酢、塩を入れて酢飯を作る。
2)フライパンに油は引かず、牛肉を広げるように焼き、ほぼ火が通ったら砂糖と醤油を加え、汁気がなくなるまで煮詰め、皿やバットに広げて冷ます。
3)巻きすに焼き海苔を乗せ、奥2~3センチを空けた状態で酢飯の1/4の量を乗せ、真ん中より少し手前にサンチュや牛肉煮、甘酢生姜を乗せて巻いたら出来上がり。
ポイント
牛肉全般に言えるのですが、調理のコツは「調理前に肉の脂が柔らかくなるまで常温に置くこと」、そして「広げながら焼くこと」です。
これさえ守れば、肉がパサつくこともなく、しっとりと仕上げることができます。
また、火が通るのが早いので、本当に「サッと」で大丈夫。
短い時間であれば、硬くなったり焦げたりすることも防げますよね。
また、巻き寿司を切る際は、1回ごとに包丁を濡れた布巾などでふきながら切ると、綺麗な切り口になるので、そこの一手間だけは惜しまずかけてみてください!
飛田和緒さん
1964年東京生まれ、高校3年間を長野県で過ごされます。
長野で過ごした高校3年間で山の幸や保存食の美味しさに開眼。
35年以上保存食を作り続けており、著書には『常備菜』『いちばんやさしい魚の食べ方』など、料理に関する本を100冊以上、出版されています。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)