古都を彩る中華のパラダイス! 飲茶食べ放題「老香港酒家京都」の怒涛のワゴンサービスが豪華すぎる
「食べ放題」と聞いてまずイメージするのは、ずらりと料理が並べられたビュッフェスタイル。次に挙がるのは、注文ごとに料理を運んでもらえるテーブルオーダースタイルだろう。たくさんの人が使うビュッフェ台はどうしても荒れるから、筆者は後者のほうが好み。気兼ねのいらないタブレット注文だとなおよし。
ここに第三勢力とも呼べる、もうひとつのスタイルがある。テーブルに届いた皿から好きなものを選ぶワゴンスタイルだ。京都市「老香港酒家京都(オールドホンコンレストラン京都)」には、香港伝統のワゴンサービスによる飲茶食べ放題コースがある。
実際に体験したら、想像の何倍もすごかった。テンション上がりまくりの90分間、その全貌が以下だ!
・本格広東料理「老香港酒家京都」
「老香港酒家京都」は、手ごろなランチセットから記念日ディナーまで対応する広東料理レストランだ。地下鉄駅直結の「COCON KARASUMA(古今烏丸)」ビルにあり、京都市内ではよく知られた有名店だという。高級フルコースも手がけるので、食べ放題専門レストランとはまた違った風格がある。
ここで、おひとりさまでもオーダーできるのがランチの「香港式飲茶コース」(税込5000円 / サービス料別)だ。ひとりメシにはちょっと勇気のいる価格帯だが、いったいどんな内容なのか。
前述のとおり、香港式飲茶コースの特徴はワゴンサービスであること。給食の配膳カートのような大きなワゴンが次々と席を回り、「○○はいかがですか?」と勧めてくれる。それでは90分1本勝負スタート!
・「香港式飲茶コース」のゴングが鳴る
料理を満載したワゴンが縦横無尽に店内を行き交うが、お客さんはゆったり座ったままでいい。たとえば前菜なら、ずらりと並べられた小皿から好きなものを指さし注文する。
というか、すべて料理名も教えてくれるのだが、とても覚えきれないので自然と指さし注文になる。全体でどれくらいの量になるかわからないから慎重に行きたいが、もうこの時点で「え、待って、どれも美味しそうで選べない!」となる。筆者が大食い自慢なら「端から端まで全部」と言いたいところだ。
餃子や焼売のように最初から盛り合わせで届くものもあった。カラフルで目にも鮮やか!
中国らしい長~い箸が異国情緒をかき立てる。店員さんの動きもキビキビと素早くて無駄がなく、和食や洋食にはない賑やかな活気が感じられる。
ひとつひとつがめちゃくちゃ美味い! どうせ食べ放題だから味なんか二の次だろ……みたいな気の抜けた雰囲気はゼロ。さすが高級レストランと言いたくなる凝った料理ばかり。
そうこうしているうちにテーブルには次々料理が届く。セイロに入った蒸し物も、テーブルに並べられた中から好きなものを選ぶ。食べたいものがなかったら、もちろんお断りしてもいい。肉まん2個は多いと思ったので尋ねたら、すぐに1個に減らしてくれた。
全部のテーブルにこれを繰り返したら大変だろうと思うが、店員さんは目にも留まらぬスピードでテーブルに並べる↔回収するを繰り返す。神業(かみわざ)的なトングさばきは見ていて爽快だ。
あっという間にテーブルがお誕生会になった! 着席してまだ数分だ。考える間もなく怒涛のように料理を勧められたように感じるが、実は「前菜」→「蒸し物」→「焼き物」と順に提供されており、自然にコースが進行するようになっている。
また「おかわりいかがですか?」と頻繁にテーブルを回ってくれるし、気が変わって「さっきのあれ、やっぱり食べたい」となったときもすぐに対応してもらえる。追加で別の料理が出来上がったときも全テーブルに届く。
「焼き物」は素材の段階で選び、フロア内の調理台で焼いたものを熱々で届けてくれた。出来立てホカホカなんだから、マズいはずがない。
ひとつひとつはミニサイズなんだけれど、小麦粉料理が多いから意外に腹にこたえる。しかも活気あふれる店員さんに「いかがですか?」と問われると、ついつい誘われて「お願いします!」と言ってしまう。か~な~り~満腹になってきた。
デザートタイムはまた別にあるが、料理の途中にも甘味がちょいちょい混じる。塩っぱい点心は「鹹点心(かんてんしん)」、甘い点心は「甜点心(てんてんしん)」と呼び分けるのだそう。
筆者は「甘くて温かいもの」が好物なので大歓迎。ピザにパイナップルは許せねぇタイプな人は、店員さんが「これは甘いから注意」と教えてくれるので避けることも可。
基本は飲茶の「お茶うけ」料理だから、がっつり食事系のものは出ないけれど、一部「旬の中国野菜料理」として炒め物が登場。シャキシャキ食感で口の中がさっぱりした。
いやぁもう腹いっぱいだ。何も食べられない。さすがにもうワゴンは登場し尽くしたよね?
ああっ、中華粥や麺がまだだ! ここにきて炭水化物とは……終わた……!
これはパスするしかないと一時は思ったが、「少量だけ」のようなオーダーにも「全然OK!」という感じで快く応じてくれた。
このあたりもすごく中華料理店らしい。むかし香港や上海に行ったとき、どこの店員さんもぶっきらぼうで少し怖いくらいなんだけれど、こちらが質問したり相談したりすると何の躊躇もなく応じてくれるのが印象的だった。
最後のデザートタイムに突入! 各テーブルの進行状況に応じてデザートが始まるので、ここは急がなくても大丈夫。クッキーや月餅などの焼き菓子、杏仁豆腐やタピオカミルクのような冷製デザートが、これまたずらりと並べられる。
美味しい……でも苦しい……美味しい……タピオカおかわりしたい……無理……。
・一度や二度では食べきれない!
ワゴンにずらりと並んだ料理のうち、2~3品だけを厳選しても最終的には腹がはち切れそう! たぶん筆者は全種類の3割も食べられていない。ましてや、気に入った料理のおかわりなんてとても無理だ。
唯一、感激のあまりおかわりしたのが「焼き物」カテゴリーの1品。焼く前は練り物みたいなんだけれど、焼くと半透明で弾力のあるゼリー状になって、中にシャキシャキ食感の何かが入っている。味は甘い。これなんだろう???
おそらく大人数で来て「1種類につき1皿ずつ」頼み、シェアするのが一番楽しい。それでようやく全種類食べられると思う。
筆者はそこまで食べられなかったけれど、楽しくて美味しくて大・大・大満足。また京都に来たら人を連れて必ずリピートする。地元の人がうらやましい!
参考リンク:老香港酒家京都
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.