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菊池風磨が思いを語る『特別展 古代エジプト』記者発表会レポート 古代の美術品の謎に迫る

SPICE

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』東京展公式アンバサダー・菊池風磨

2025年新春に、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーにて『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』が開催される。会期は2025年1月25日(土)から4月6日(日)まで。東京での開催後は静岡、愛知ほか各地へと巡回予定だ。

現代人の想像をはるかに超える高度な文化を築いた古代エジプト。考古学者や歴史学者のみならず、多くの人々を惹きつけるが、その全貌は未だ明らかにされていない。本展は、アメリカのニューヨークにあるブルックリン博物館の貴重な古代エジプトコレクションから名品が集結。彫刻、棺、宝飾品、土器、パピルス、人間やネコのミイラなど約150点の遺物を通じ、今まであまり語られてこなかった古代エジプトの暮らしや考え方に着目、現代における謎として紹介する。

11月20日(水)には記者発表会が行われ、会場には本展を監修している考古学者・河江肖剰氏や、東京展公式アンバサダーに就任し、音声ガイドのナビゲーターも務める菊池風磨が登場。本展の見どころや開催に向けての熱い思いを語った。

最新のピラミッド研究の成果を目の当たりに

最初に、いま注目を集める気鋭のエジプト考古学者である河江肖剰氏による解説が行われた。河江氏は長年ピラミッドを研究しており、10年ほど前からドローンの撮影データから石組構造を調査中とのこと。工学者や数学者や測量チームといった様々なプロフェッショナルと組み、今まで解明されていなかった建造方法に光を当てようとしている。

河江肖剰氏 

古代エジプトのピラミッド建設は国家事業であり、ピラミッドのすぐそばに建造に携わる人々の街がつくられたという。本展では、これまで注目されてこなかった街に住む一般の人々の食事や寝ている場所、台所の様子といった、生活が伝わる作品が展覧されるそうだ。

記者発表会の様子


必見の展示品を一挙紹介

続いて展示物が紹介された。河江氏が是非見てほしいと主張するのが、大ピラミッドをつくったクフ王の像とされている《王の頭部》。現在クフ王のものと思われる像はいくつか発見されているが、中でも最大のものだという。クフ王でなければ父のスネフェル、もしくはその父フ二の像である可能性もあるそうだ。

記者発表会の様子

金色に輝く《クフ王の名前が彫られた指輪》も出展される。記載されたヒエログリフによると、末期王朝の神官が所持したものとされている。21金以上とされる美しい煌めきと、克明で繊細な彫刻は必見だ。

記者発表会の様子

ほかにも、正面で胡坐をかいている人物を配した《書記と高官を務めた人物のレリーフ》や、横顔で描かれることが多い神像の中で、正面を向くベス神を表現した《ベス神の顔をかたどった壺》、ツタンカーメン王の義理の母で、エジプト三代美女の一人と謳われるネフェレトイティ(ネフェルティティ)王妃の姿を示す《ネフェレトイティ(ネフェルティティ)王妃のレリーフ》など、珍しいものや貴重なもの、古代エジプトの世界観を知る手掛かりになるものが目白押し。選りすぐりの逸品ばかりであることが伝わってきた。

記者発表会の様子

「日本との古代エジプトの共通点は?」という記者からの質問に対し「日本では八百万の神が、古代エジプトには1500柱と言われる神々がいて、森羅万象の中に神を見出します。ほか、古代エジプトでも神輿で神々を移動させる風習があったなど、神・祭りには共通点があると言えるでしょう」と回答。また「エジプト研究における最新のエピソードは?」という質問には「チームでは、宇宙から降り注ぐ素粒子を利用してピラミッド内部に空間を発見しました。その調査で使ったフィルムも展示することになっています」と語り、本展が最新研究を盛り込んだ内容であることを示した。

東京展公式アンバサダーの菊池風磨が登壇

続いて東京展公式アンバサダー・音声ガイドのナビゲーターを務める菊池風磨が登壇。「エジプトと言えば右に出る者がいない菊池風磨です」と自己紹介をして会場を沸かせた菊池は、「エジプトジョークです」と添え、更なる笑いを誘った。

菊池風磨

本発表会の司会進行を務めたラルフ鈴木アナウンサーによる「エジプトの印象は?」という質問に、菊池は「ピラミッドやミイラといった、謎が多い印象があります」と返答。続けてミイラの作り方を問われ、「カレーの作り方みたいな感じで聞かれてますけど……ミイラを作ろうとしたことはなくて」と告げる。

鈴木が「ミイラを作るときは内臓を取り出して部位ごとに決まった容器に入れますが、本展オリジナルのショルダーバッグは内臓を入れる壺を象っています」と説明すると、菊池は「エッジが効いています。ショルダーバッグ界に一石を投じるものですね」と述べ、またも笑いを取った。

展覧会オリジナルグッズのショルダーバッグを紹介するラルフ鈴木アナウンサー

本展の会場には、当時の暮らしにまつわるトリビアがあるという。なかでも「30代はもう晩年?」というトリビアについて、今年29歳だという菊池は「新メンバーを募っているので、僕はもうすぐ30歳になるのでまずいなと。同じ年齢でも意識が違うのだろうなと思います」とのこと。河江氏は「末期王朝の一般の人は29歳から33歳くらいが平均寿命。ただ、90歳まで生きている王もいます」と補足した。

展示品では《カバの像》が気になるという菊池。「死者の守り神だということを勉強したけれど、神なのに足が折られているのはなぜなんでしょうか?」という菊池の問いに、河江氏は「カバは狂暴なので、守り神にするにも足を折って暴走しないようにします」と回答。それを聞いて菊池は「一つひとつにも意味がある。新しい発見があるんだろうなと思いました」と納得していた。

記者発表会の様子

音声ガイドのナビゲーターに就任にあたっては「嬉しいですね。大人になったな、という感じがします」とコメント。本展は古代エジプトの謎を示すものだが、菊池にとっての謎は? と聞かれ、「今回アンバサダーにお声がけいただいたことが、何よりの謎でした」と語る。

「(就任したのは)興味があるけれど、まだ手を伸ばしていない方々への第一歩として、ということだと思っています」とし、「最初にお話をいただいたとき、知ったかぶりをしようかとも思ったけれど、嘘は良くないと思って、正直に勉強できていないことを伝えました」と打ち明けた。その上で「結果、正直に生きようと思いました」と述べた。

最後に来場者へのメッセージとして、「一つ知ると、どんどん知りたくなる。興味が広がる感覚があるので、皆さんも僕と一緒に古代エジプトについて触れていってくださればと思います」と熱い言葉で締めくくった。

『ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト』は森アーツセンターギャラリーにて、2025年1月25日(土)から4月6日(日)まで開催。その後、静岡、愛知へ巡回を予定している。前売券はイープラスほかプレイガイドで販売中。

文=中野昭子 写真=中野昭子、SPICE編集部

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