武蔵小杉駅周辺タワマン 在宅避難 認知度は7割 区が調査 防災対策へ活用
中原区役所は2月18日、武蔵小杉駅周辺の高層マンション住民を対象に実施した防災対策に関するアンケート調査の結果を公表した。調査結果から、在宅避難に対する認知度は7割、自宅のある階までの上り下り経験がある人が5割未満だったことなどがわかった。区は、この結果を今後のマンション防災対策等の資料として活用していくとしている。
今回の調査は、同駅周辺の高さ100m以上の高層マンション12棟のうち、満18歳以上の世帯主1500人を対象に実施。763件の有効回答を得た。
調査結果では、「在宅避難」を推奨していることを「知っていた」と回答した人は全体の70・0%だった。年齢層別では「60〜69歳」が83・6%と最も多く、年齢層が下がるにつれ「知っていた」の割合が減少する傾向が見られた。
自宅がある階までの階段の上り下り経験については、「両方ある」が48・1%で最も多く、次いで「ない」が35・6%だった。居住階数別では、1〜15階に居住する人は67・1%が「両方ある」と回答。一方、16〜30階に居住する人は42・4%、31階以上に居住する人は36・6%と、居住階数が高いほど上り下りの経験がある人が減少する傾向となった。
食料の備蓄状況については、「3日」が最も多く36・6%、7日以上備蓄がある人は13・2%、3日〜7日以上は合わせて71・2%だった。
家具等の固定については、「一部のみ固定している」が最も多い47・8%、「全部または大部分を固定している」が12・7%、「ほとんど作り付けで固定の必要がない」が3・8%。その一方で、「固定していない」は35・4%だった。
地震発生から1時間後の行動については、「おそらく自宅の中に留まる」が最も多く61・1%、「必ず自宅の中に留まる」が28・0%で、合わせて89・1%が自宅に留まると回答。居住階数別にみると、1〜15階に居住する人は23・2%が「必ず自宅の中に留まる」と回答した一方、16〜30階に居住する人は25・5%、31階以上に居住する人は35・4%と、居住階数が高いほど自宅に留まる人が多くなる傾向が見られた。
同駅周辺は、タワーマンションが立ち並び、大規模な地震発生時の被害想定では、エレベーター停止による避難困難者や帰宅困難者の発生、ライフラインの途絶などが懸念されている。区危機管理担当の担当者は「今回の調査結果を踏まえ、高層マンションの住民に対する防災対策の啓発活動と、今後のマンション防災対策に活用していきたい」と話している。