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和歌山の豊かな海の中を覗きたい! 「串本海中公園」と「すみだ水族館」にリベンジしたい理由

サカナト

串本海中公園の「海中展望塔」(提供:PhotoAC)

みなさん、2024年は水族館に行きましたか?

全国各地の水族館に足を運んだことのある筆者には、とある理由で再訪問したい水族館が2つあります。それは、和歌山県東牟婁郡にある「串本海中公園」と、東京都墨田区にある「すみだ水族館」です。

なぜこの2つの水族館を選んだのか、そして何が見たいのかをそれぞれ紹介します。水族館が好きな人もそうでない人も、ぜひ参考にしてください。

串本海中公園の「海中展望塔」を見たい

串本海中公園は1970年7月、日本で最初に指定された海中公園地区です。

黒潮の影響を強く受ける、串本の海を再現する「水族館」エリアのほか、海中世界が楽しめる「海中展望塔」や「半潜水型海中観光船ステラマリス」、食事処の「海中公園レストラン・アクロポーラ」などで構成されています。

海中展望塔(写真提供:Photo AC)

そんな串本海中公園に筆者が訪問した際、見たかったけれど見れなかったのが海中展望塔です。季節外れの台風により、入場ができなかったのです。

久しぶりに訪れるこの場所を、息子と堪能したかったのに……。

海中展望塔で観察するイメージ(写真提供:額田善之)

別途訪れた、同県西牟婁郡にある「白浜海中展望塔」ではメジナがたくさん群れをつくっており、おそらくこちらも同様でしょう。ただ、別の魚たちもいるはずなので、ぜひリベンジしたいのです。

ちなみに、串本海中公園の海中展望塔で12月(本記事執筆時)に見られる魚は、公式Webサイトによると、メジナ、ブダイ、クマノミ、チョウチョウウオ、ヤマブキベラ、トゲチョウチョウウオ、ニシキベラ、ホンソメワケベラ、ブダイ、キタマクラ、ハリセンボン、ハコフグなど、多様な魚が挙げられています。

チョウチョウウオ

チョウチョウウオ(写真提供:Photo AC)

中でも注目したいのが、チョウチョウウオです。

チョウチョウウオ(Chaetodon auripes)は、スズキ目チョウチョウウオ科チョウチョウウオ属の黄色い体色と頭部の白黒の縞模様が特徴的な魚。海の中では黄金の魚に見えるかもしれません。

サンゴ礁でサンゴのポリプや動物プランクトンを食べます。つがいで泳ぐことが多いのですが、たまに群れを形成することもあるようです。

串本海中公園の「半潜水型海中観光船ステラマリス」

ステラマリス(写真提供:Photo AC)

半潜水型海中観光船ステラマリスは、船の底部横にガラス窓が設置されており、シュノーケリングをしているように海底や海の中を観察できる観光船。ガイドが案内をしながら運航するため、どういう魚が泳いでいるのかをその場で知ることができるのが魅力です。

天候により運航スケジュールやコースが変更になり、悪天候時は欠航となります。筆者が訪問した際はやはり台風のため、欠航でした。次はリベンジして乗りたいですね。

このあたりには、ボブサンウミウシ、イザヨイベンケイハゼ、フエヤッコダイ、イトヒキベラ、ロウソクギンポ、ニジハギなどの多彩な生き物が生息していて「半潜水型海中観光船ステラマリス」でも見ることができます。

ボブサンウミウシ

ボブサンウミウシ(写真提供:Photo AC)

中でも注目したいボブサンウミウシ(Goniobranchus roboi)は、裸鰓目イロウミウシ科アデヤカイロウミウシ属のウミウシの仲間。紫色で縁取られた外套膜にうす青色の楕円斑が放射状に並び、背中側は白や薄紫、うす青色の斑紋が点在します。

インド洋、西太平洋に分布し、串本でも普通に見られますが、色彩の変異が多い種です。大きさは最大で55ミリ程度になります。

ボブサンウミウシの名前の由来は、発見者のロバート(ボブ)・ボーランドさんに敬意を払って付けられたそうです。

なお、白浜町の観光名所「円月島」近くには、京都大学白浜水族館もあります。白浜周辺に生息する無脊椎動物や魚を展示する水族館です。

カニやヒトデ、ロウニンアジなど、約500種の生物を展示しています。時間の関係でここには寄れなかったので、ここもまたリベンジしたいです。

東京スカイツリータウン(R)にある「すみだ水族館」

すみだ水族館(写真提供:Photo AC)

すみだ水族館に訪問した際に衝撃を受けたのが、チンアナゴの展示でした。

チンアナゴだけでなく、ニシキアナゴホワイトスポッテッドガーデンイールも同じ水槽で飼育しており、200匹くらいいるそうです(2023年時点)。

ニシキアナゴはオレンジと白の交互の帯状の模様の魚で、ホワイトスポッテッドガーデンイールは灰色の体色に白い斑点がある魚です。どちらもアナゴ科の魚で、属が異なります。

チンアナゴ

チンアナゴやニシキアナゴなど(写真提供:Photo AC)

チンアナゴ(Heteroconger hassi)はウナギ目アナゴ科チンアナゴ属に属する細長い魚。伊豆半島や高知県、屋久島?琉球列島、小笠原諸島、インド洋~太平洋に分布しています。

体長は30センチくらいで、警戒心が強く、砂から頭だけを出して動物プランクトンを食べます。

なお、11月11日は2013年にすみだ水族館が申請して認定された「チンアナゴの日」です。ポッキーの日と同じですね。

泳ぐチンアナゴ(写真提供:Photo AC)

筆者がすみだ水族館にもう一度行きたい理由は、「チンアナゴが全身を砂から出して泳ぐ姿」をもう一度見たいから。

実は携帯のメモリーカードが破損して、折角撮影した全てのデータが消失してしまったのです……。

新設された「オガサワラベース」も気になる

ヤセタマカエルウオ(写真提供:Photo AC)

また、新エリア「小笠原」と新常設展示「オガサワラベース」が2023年9月にオープンしています。訪問当時にはまだ無かったので、ぜひ行ってみたいのです。

ヤセタマカエルウオ(Alticus orientalis)という、水にほとんど入らないイソギンポの仲間も展示されているようです。

同種はスズキ目イソギンポ科タマカエルウオ属の魚。灰色から黒色の体色で、白色の帯が入っており、小笠原諸島や八丈島にしか生息していません。

愛嬌のある姿かたちをしているので、人気の魚です。ハゼやギンポ類は可愛い顔ですよね。

自分の好きな生き物を水族館へ見に行こう!

クラゲを食べるウミガメ(写真提供:公益社団法人和歌山県観光連盟)

魚好きな人にはお気に入りの魚がいるでしょう。優雅なミノカサゴや、ぼーっとしているマンボウ、そのほかフグ類、ダンゴウオ、カエルウオ、ブダイ、ハゼ類など可愛い魚はたくさんいます。

そして、水族館は誰もが楽しめる空間です。みなさんもぜひ、自分の好みの魚や水生動物を見に行きましょう。

なお、ダイビングやシュノーケリングを手軽に楽しむなら、今回紹介した「串本海中公園」がある和歌山県がおすすめですよ!

(サカナトライター:額田善之)

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