フジケース 外国人向けに防災グッズ なでしこブランドに認定
「神奈川なでしこブランド2025」認定商品の認定式が2月1日、マークイズみなとみらい(横浜市西区)で開催された。伊勢原市からは、フジケース株式会社」(田村貴寿代表取締役社長)の「Moshimo(もしも)Japan(ジャパン)」が生活・文化用品部門で認定を受けた。
神奈川県は、女性の活躍を促進するため、女性が開発に貢献した商品(モノ・サービス)とアイデアを募集し、優れたものを「神奈川なでしこブランド」、「なでしこの芽」として認定している。今回は約120件の応募の中から、神奈川なでしこブランド10件、なでしこの芽1件が新たに認定された。
フジケース株式会社は、伊勢原市歌川に本社を置く、紙器、ラベル、段ボール、軟包装製品などの包装資材の製造・販売を行う企業。今回認定を受けた「MoshimoJapan」は、外国人向けの防災グッズで、地震や災害発生時に役立つ非常食セットや非常用トイレなどの10種類の「防災アイテム」に「コミュニケーションカード」を同梱した商品。
分かりやすいイラストと多言語表示で日本語が話せない外国人でも直感的に使える工夫や富士山や桜といった日本文化を全面に出した、女性ならではの感性でデザインした表紙パッケージなども高く評価された。
新しいニーズに着眼
開発のきっかけはコロナ禍。土産品などのパッケージの受注が減ったことから、新規事業として女性を中心とした開発グループを立ち上げた。コロナ過を経て、外国人観光客の回復の兆しを受けて「日本人はすでに防災グッズを持っている人が多い一方、外国人は何かあったときにどう対応すればいいのか分からないのではないか」という思いから開発がスタート。市内の留学生や浅草などの観光地で外国人にヒアリングを重ねたほか、これまでの梱包商品の開発経験を生かし、水に強く破れにくいストーンペーパーを使用するなど、災害時でも安心できる工夫を凝らした。
約2年をかけて完成させた商品は展示会にも出品。今後は、旅行会社やホテル、小売店への販路拡大を目指し販売促進を強化していく予定だ。開発グループの岩瀬みゆきさんは「災害は起きないことに越したことはないですが、もしもの時に役立つものになればと開発しました。使用しなくてもお土産として持ち帰ってもらえればうれしいです」と話している。