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こんなにも長く愛されるのはワケがある?苫小牧名物「ホッキカレー」誕生秘話

Sitakke

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HBCテレビ「今日ドキッ!」より、選りすぐりの情報をお届けします。

新しいお店が次から次へとオープンする一方、長く続いているお店があります。
北海道で50年以上続くお店にスポットをあて、愛されている理由を探るコーナー「ザ・ロングセラー愛されるにはワケがある」。
今回は、苫小牧のソウルフード「ホッキカレー」の名店に注目しました。

多くの人を魅了するホッキカレーの名店「マルトマ食堂」

地元客だけでなく、世界各地からお客さんが訪れ週末には約50人が列を作る「マルトマ食堂」 。

海鮮がふんだんに使われた大盛りメニューが有名です。

卸売市場の中でお店を始めて、今年で56年。
そんな「マルトマ食堂」の看板メニューは?

客:「ホッキカレー」

客の半分以上が注文するというのがこちらの「ホッキカレー」 。

ホッキ貝といえば、苫小牧が水揚げ日本一!
苫小牧では9センチ以上の大型のものだけを水揚げしています。

肉厚でジューシー、甘みがあると評判です。

三浦店長:「最初からホッキ丸ごと3個入ってる」
2代目の三浦未さん。

今から、18年ほど前に父・秀夫さんから店を任され「マルトマ食堂」の味を守り続けています。

三浦店長:「うちのホッキカレーはホッキがやわらかい。生でも食べられるので、出来上がる瞬間に入れるだけ。」

ホッキカレーは創業当時のメニューにはありませんでした。

マルトマ食堂ができたのは1969年。
元々は市場で働く人たちのために作られた社員食堂でした。
以前は一般客にはあまり知られていなく、漁業関係者が昼食や朝食を食べにやってくるだけでした。

当時のメニューを聞いてみると…

三浦店長:「一般的なラーメンやうどんとか、食堂メニューを出していた」

当時の看板メニューは味噌ラーメン。
創業者の秀夫さんが自信を持って作るメニューです。

秀夫さん:「月見軒っていうラーメン屋があった。そこでラーメン作ってた。最高の味だな。」

秀夫さんは元々ラーメン店で修行していてその経験を生かし、作られたこのラーメンは創業当時から今もなお、提供し続けているメニューです。

そんな普通の食堂だった「マルトマ食堂」がホッキカレーを始めたのは、常連客からの一言がきっかけでした。

創業して25年ほど経った、1995年ごろ…

新メニューに悩んでいた秀夫さん…ある思い出の味が蘇ってきました。
それは…1960年、秀夫さんがまだ中学生のころ。
漁師を営む友達の家に遊びに行ったときでした。

出てきたのは漁師の家、オリジナルのホッキカレー。
新鮮なホッキ貝をふんだんに使った、まさに「漁師めし」です!

あの頃食べたホッキカレーを思い出し、秀夫さん流にアレンジしました。

こうしてホッキカレーが誕生したのです。
その後、次第にメディアでも取り上げられるようになり、今では苫小牧市内で約16店舗がホッキカレーを提供。
苫小牧名物の一つにもなっています。

秀夫さん:「出したら喜んで食べてた。おかわり!っていう人もいるし。手抜いたらダメ」


この味を守るために重要な役割を果たしているのが、実は先ほども出てきたアレです。

三浦店長:「ラーメンスープをカレーに入れている。見えない隠し味になるんですけど、コクがすごい出る」

三浦店長:「元となるスープはずっと一緒。昔ながらのスープの取り方がそのまま」

創業当時からのマルトマ食堂秘伝のラーメンのスープを加えることで、他の店では生み出すことのできない味に!
そしてカレーに入れる野菜は、玉ねぎ、ジャガイモ、にんじんとシンプルながらも奥深さを追求しています。

三浦店長:「野菜が溶けるまで煮込む。野菜から出る甘みも強い」

極めつけは、ホッキ貝のダシ!
ホッキのひもを大量に鍋に入れ旨味を抽出します。

さらに、提供直前には生のホッキも贅沢に投入!
後から入れることで、やわらかい食感を損なわず楽しめるんです。

今の時期は、ホッキ貝だけで1日約600個を消費します。

三浦店長:「ぶっちゃけた話、利益はほぼない。ホッキカレーが出るほど、お店はちょっと沈んじゃうんですけど…ここ5年で3回赤字出してる」

ホッキは価格の変動が激しい食材で、そのホッキを3個も使用してクオリティーを保ち続けるのは至難の業です。

それでも店を続け、長年、愛され続ける理由とは…

三浦店長:「一番大事にしているのは、利益よりお客さんが喜んでくれることを考えてる。親が築き上げてくれた、暖かさが残っている。」

三浦店長:「苫小牧のホッキはずっと水揚げ日本一なので、そのホッキを味わってもらいたいし、(苫小牧のホッキが)すごいって持ち帰ってほしい」

【マルトマ食堂】

住所:北海道苫小牧市汐見町1

マルトマ食堂は行列必至の人気店ですが、他の時期に比べいまは3分の2ほど列が短いそうです。
この機会に新鮮な海鮮を食べに行ってみてはいかがでしょうか。

※掲載の内容は番組放送時(2025年2月11日)の情報に基づきます。

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