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「暑さ対策も重要!」熊野灘のライトソルトゲーム完全ガイド【タックル・釣り方・注意点】

TSURINEWS

熊野灘のライトソルトゲームシーズン開幕(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

あっという間に梅雨が明け、例年より早く灼熱の夏がやって来た。そして気温以上に熱くなるのが、熊野灘沿岸の陸っぱりライトソルトゲームだ。温暖化により十数年前までは見なかったターゲットが増え、その是非はともかくこの釣りが面白くなったことは確かだ。今回はそんなライトソルトゲームを紹介したい。

ライトソルトゲームのターゲット

ライトソルトゲームといっても、シーズンや場所によってターゲットは多岐にわたる。冬のベイエリアではカサゴを筆頭に根魚がメインとなるし、夏~秋にはマゴチやクロダイもターゲットになる。

カサゴも釣れる(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

今回は夏の紀東エリアということで、メインターゲットはハタ。オオモンハタやアカハタ、最近ではヤミハタやユカタハタなんて聞き慣れない種類も姿を見せるようになってきた。

メインターゲットのオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

また幻の高級魚クエが沿岸で増えているようで、小さいながらも高確率で姿を見せるようになった。

近年はクエも釣れる(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

もちろんオフショアの釣りに比べればサイズは劣るものの、ライトタックルなら十分に楽しめる。手も足も出ずに切られた…なんてこともよく聞く話だ。

小さなマダイも釣れる(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

そして季節が進み、お盆を過ぎるころになるとメッキやカマスが加わってくる。今年はまだ話を聞かないが、釣れ始めるのも時間の問題だろう。さらにサバや小型青物も回遊を始め、一気に面白くなってくる。

フエダイ系も増えてきた(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

タックル

ハタ類を根魚のくくりに入れるのは、やや抵抗がある人も多いと思う。カサゴやソイと違い、ハタ類は積極的にエサを追い回し、ベイトの群れに着いていることが多い。特にオオモンハタはその傾向が強く、どちらかといえば青物に近い性質を持ち、底だけではなく中層でのヒットも多い。

そんなハタ類を相手にするには、やや強めのタックルが必要。具体的にはチニングロッドや硬めのアジングロッドなど。合わせるリールは、スピニングの2000番クラス。ハイギアタイプが使いやすいと思う。

ラインはPE0.4~0.6号。慣れてくれば0.3号まで落としてもいいが、青物の回遊があるのなら0.6号を推奨したい。リーダーはフロロカーボンの1.5号前後を1m前後。ルアーチェンジしやすいように、スナップを介してルアーをセットする。

タックル図(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

ルアー

ルアーだが、万能的に使えるのが、メタルジグとメタルバイブ。底付近から表層まで幅広く探れるのが特徴だ。重さは1~7gがあれば、ほぼどのポイントでも使えるはず。デメリットとしては根掛かりが多いこと。

メタルジグ(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

そしてジグヘッドリグも外せない。スイミングやボトムバンプなど、これも使える幅が広いので、必ず用意しておきたいルアーだ。メリットはコスパが良いこと……と言いたいが、最近はジグヘッドもワームも高くなってきた。

他にはヘビーウエートのシンキングミノー。捨て石の際や岸壁の上層に着いている魚を狙うのに適している。これにメッキや青物、サバがターゲットに加われば、ポッパーやペンシルなどトップウォータープラグも必須となる。

メタルバイブ(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

ポイント

三重県・志摩方面から南伊勢、紀北、尾鷲、熊野まで、その沿岸にある漁港や磯場、サーフがポイントとなる。岩場や藻場が絡んだエリアなら言うことなし。

グーグルマップなどで航空写真を見れば分かりやすいと思う。注意すべきは釣りができるかどうかと、駐車スペースがあるかということ。地元の人の邪魔になるような駐車は絶対避けるようにしよう。

ライトソルトゲームの釣り方

さてポイントに到着したら、まずはメタルバイブかメタルジグで広範囲をサーチしよう。フルキャストして底まで落としたら、細かいジャークを入れながら巻き上げ、表層まで探ったら再びボトムまで落とす。これを繰り返していく。

広範囲を探る(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

ルアーの動きや速度によって魚の反応は大きく変わるので、細かいジャーキングで反応がなければただ巻きや大きくシャクってフォールなど、アクションを変えていく。もちろんルアーの大きさやカラーも、適宜変えていくことが大事だ。どんな釣りでもそうだが、どのパターンが正解か探していくのが、釣りの楽しみ。

メタルジグで釣ったオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

釣行前にシュミレーションしておき、ローテーションの順番を決めておくと、次の一手に迷うことが少なくなる。

攻めるポイントは捨て石や敷石が絡む場所(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

ジグヘッドで底を攻める

そして次はジグヘッドリグで、底周辺をねちっこく探ってみる。リフト&フォールがメインとなるが、スイミングも有効だ。底まで落としたらロッドティップを下げてリールを巻くだけ。このときはシャッドテールやカーリーテールのワームが望ましい。

この巻きスピードもいろいろ変えてみることが大事。回収しようと速巻きした途端に食ってきたなんてこともあるから、固定観念にとらわれずスローからファーストまでいろいろ試してみたい。

ライトソルトのコツ一覧(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

こうやって書くと、1カ所のポイントでやることは山ほどある。時間がかかるので、スピーディーに探っていきたい人は、自分の好きなルアーやアクションだけでサーチし、反応がなければどんどん移動していってもいいと思う。それが個々の釣りスタイルだ。

中層まで探る意識が重要

だが押さえておきたいポイントとして、必ず中層まで探ることはどんなスタイルでも徹底してほしい。ハタ類は底だけでなく、中層でのヒットも多いためだ。盛期には足元までクエが追ってきた……なんてこともよくあるので、最後まで気を抜かないで探りたい。

アタリはルアーの着底と同時にコンッとくるものや、リトリーブ中にガツンとひったくっていくものまでさまざま。特に分かりにくいのがフォール中のアタリ。

ラインテンションを抜いていると全く感知できないので、ルアーを落とすときはテンションフォールを心がけるようにしたい。それでも明確なアタリとはいえないので、ラインの動きや手感度には常に集中しておこう。

根魚特有のやり取りに注意

ハタとカサゴの共通点として、ヒット後は根に潜ろうとすることが挙げられる。ヒットしたら有無をいわせず、ロッドの弾力をフルに生かして一気に巻き上げるようにしたい。

ヒット後はパワーファイト(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

そのためアジングやメバリングよりも、ドラグ設定ははるかに強めだ。ガチガチに締めるまではいかないが、ヒットした瞬間にジージー鳴るような設定は避けたい。

タモが必要な魚はよほどヒットすることはないと思うが、クロダイやシーバスがヒットすることもあるから、邪魔でなければ1本タモを携帯しておくのもありだ。

資源保護に協力を

ライトソルトはそのゲーム性を楽しむことに重きを置いている…と考えているが、釣れる魚はおいしいものが多い。ハタ類がメインなのだから当然といえば当然だが、やはり小型が多い。自分でキープサイズを決めておき、それ以下は全てリリースするなど、資源保護に協力してほしい。

もちろんアフターフィッシングで、釣った魚を食べるのも釣りの楽しみのひとつ。無節操に持ち帰るのではなく、自分の中でルールを決めて釣りも食も楽しんでいただければ……と思う。

食べない魚はリリース(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

暑さ対策は必須

今年は猛暑の訪れが早かった。すでに毎日のようにニュースでは、熱中症に警戒…と繰り返し流れている。この釣りにおいても同じ。暑さ対策は万全にして楽しんでほしい。

帽子や偏光グラスの着用はもちろんのこと、ランガンでも飲料は必ず携帯するようにして水分補給、塩分補給は欠かさないようにしたい。そして少しでも体に異変を感じたら、すぐに釣りをやめて涼しい所で休むようにしよう。

暑さ対策を万全にして釣りを楽しもう(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

ハタ類は日中しか釣れないことはない。むしろ夜に分があるといってもいいので、早朝と夕方に絞って釣行するのもアリだ。その方が体にも優しいし、効率がいい。

一番怖いのは釣りに夢中になりすぎて、自分が危険な状態になっていることに気づかないこと。時々力を抜いて、自分の体の状態を客観的に見るようにしてほしい。

まだまだ暑さは続くが、熊野灘沿岸のライトソルト好シーズンも続く。ルールやマナーを守ることはもちろん、自分の身を守ることも頭に入れて楽しんでいただきたい。

熊野灘沿岸でライトソルトを楽しもう(提供:週刊つりニュース中部版編集部)

<週刊つりニュース中部版編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース版』2025年7月18日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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