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5年ぶり復活へ稽古 木生谷荒神社の獅子舞

赤穂民報

5年ぶりに行われている獅子舞の稽古

 コロナ禍などで2019年秋を最後に休止していた木生谷(きゅうのたに)荒神社の獅子舞を5年ぶりに復活させようと、地元の若者らが稽古に励んでいる。

 担い手不足の中、新たに高校生が加わったほか、現在は市外に住んでいる地区出身者も里帰りして協力。地域に活気をもたらしている。

 同神社は正保元年(1644)に折方村の荒神社から分社したとされ、獅子舞は尾崎地区の赤穂八幡宮の流れをくみ、2人の鼻高の激しい動きが見どころだ。

 「昔は世帯数も多く、獅子舞の舞子も取り合いだった」と語るのは木生谷自治会の田端昭男会長(71)。世代交代を図るため、舞子は40歳までとする定年制を設けていたという。しかし、近年は過疎と少子高齢化が進み、定年を42歳まで延長しても人不足。しかも、コロナ禍で祭りの自粛が続く中、何人かの舞子は定年を迎えてしまい、コロナが五類に移行した昨年も獅子舞の再開を見合わせざるを得なかった。

 「このまま消滅してしまっても仕方ない」とあきらめの声もあった中、「若手が頑張るなら支援する」という自治会からの申し出もあり、祭り好きの若手らが奮起。高校生が舞子に加わり、小・中学生も擦り鉦や横笛で参加。9月中旬から土日と祝日の夜に集会所に集まって稽古を始めた。

 「小さいころから見てきた祭り。やっと自分が出る番になった」と話すのは、初めて鼻高を任される高校1年の河上峻也君(16)。指導する会社員の谷口誌洋さん(34)は4年前の結婚を機に転居した相生から週末ごとに実家に戻り、稽古に参加する。「ブランクがあるので体はしんどいけれど楽しい」と一回り以上若い世代とともに汗を流す。 

 太鼓や鉦の音が響く稽古の夜、小さな子どもからお年寄りまで地域住民が集まって練習を見守る。地元在住の会社員、土手知也さん(39)は「みんながわいわい集まる、この雰囲気がいい」と話す。田端会長は「祭りは世代を超えて地域の絆を深める。あと何年続けられるかわからないが、まずは今年の祭りがうまくいってほしい」と若者たちの頑張りに期待している。

 木生谷荒神社の獅子舞は10月20日(日)午前10時から神事に続いて奉納される。

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