【横浜市都筑区】川和高・濱岡蒼太さん 西武からドラフト指名 「1年目から1軍登板」目標
プロ野球のドラフト会議が10月22日に行われ、県立川和高校3年の濱岡蒼太さん(18)が埼玉西武ライオンズから育成4位で指名された。濱岡さんは「ホッとした。ようやくスタートラインに立てた」と安堵の表情を浮かべた。
最速147Kmの注目左腕
濱岡さんは176cm、86kgの体から最速147Kmの速球を投げ込む左腕として、注目を集めていた。ドラフト会議当日は「他の選手が指名されていく中で、不安も少なからずあった」と正直な気持ちを吐露した濱岡さん。「指名していただきありがたかった」と安堵の表情で感謝の気持ちを語った。指名を受け「1年目に支配下選手に登録されて、1軍で登板」を目標に掲げた。30日には球団関係者が学校を訪れ、指名のあいさつを受けた。
緑区在住で長津田小3年の冬に「同級生がやっていた」ことから少年野球チームの南長津田ジュニアジャイアンツに入団し、野球を始めた。左利きということもあり、ポジションは自然とピッチャーになった。ただ田奈中学校時代を含め、チームには別にエースがおり、中学卒業までの6年間は「常に2番手だった」という。それでも「自分に足りないところを持っているエースが身近にいたので、目標にして練習に取り組んだ6年間だった」と振り返る。
「やればできる」次世代の象徴に
川和高への進学理由は「私立に負けない考えた練習と環境」、そして監督の平野太一さんの存在だった。
平野さんは「中学3年生で出会った時から『プロ野球選手になりたい』と明確に目標を公言していた。それはとても素敵なことだと思ったし、応援したいと思った」と当時を回想する。
今回の指名については「順位は本位でないかもしれないが、『どうせ無理』なんていうことはない、『やればできる』ということを証明してくれた。そういった点で次の世代の選手たちのシンボルになって欲しい」とエールを送った。
高校3年間について濱岡さんは「指名翌日に3年生が一緒に喜んでくれ、良い仲間と出会えた3年間だった。『横浜高校に勝って甲子園に出る』というチームの目標は果たせなかったが、受験勉強を頑張る仲間に、野球で頑張る姿を見せることで恩返しできたら」と語った。
すべてが目標大谷翔平選手
濱岡さんは自らの長所を「誰よりも努力し続けられるところ」と語る。自ら「最終目標」として掲げるのはメジャーリーグで、その年に最も活躍した投手に贈られる「サイ・ヤング賞」の受賞。「そのためにはすべてが足りないので、しっかり考えて努力したい」と前を見据える。同じ投手として参考にしているのは、今年のワールドシリーズでMVPに輝いた山本由伸投手や同じ左腕で体格も近い今永昇太投手など。そんな中で野球を始めた時から「自分の中のゴール。超えていきたい」と語るのが大谷翔平選手。「プレーはもちろん、日常生活を含めたすべてが参考になる」と『大谷超え』を目標に掲げた。
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川和高校出身のプロ野球選手は、同校から慶応大学へ進学し、2007年にドラフト1位で東京ヤクルトスワローズに指名された加藤幹典さんがおり、濱岡さんが2人目。
また今年のドラフト会議では、平台に拠点を置く横浜都筑リトルシニア出身で、日大藤沢高の半田南十さん(緑区出身)が北海道日本ハムファイターズからドラフト4位で指名を受けている。