ピックアッププレーヤー ハンドボール男子 全国選抜で輝く松野雷矢(大分2年) 【大分県】
ハンドボール男子の全国高校選抜大会が大分県で開催される。その舞台で注目を集める選手がいる。大分高のキャプテン松野雷矢(2年)だ。
松野はチームの攻撃の中心を担うセンタープレーヤーとして、冷静な試合運びと的確な判断力でチームをけん引する。試合の状況によってはライトバックも務め、シュートを量産し得点を重ねる重要な役割も担う。ライトバックは単にシュートを打つだけではなく、スピード、多彩なシュート技術、そして判断力が求められるポジションだ。「どんなポジションからでもプレーできるのが自分の強み。スピードにも自信がある」と松野は力強く語る。
田中宗治監督は、松野の実力を高く評価する。「180cmの長身を生かしたミドルシュートと、的確なポストパスが持ち味。プレーでチームを引っ張るタイプ。調子の良し悪しが表情に出やすいので、顔を見れば彼の状態が分かる」と笑う。九州選抜大会では1試合平均8得点を記録し、まさにチームの得点源となった。
ノールックでポストへパスを入れる松野雷矢
勝利のカギは相手が嫌がるほど走り続け、圧倒的な攻撃力で試合を支配することにある。その理想形は「1試合35点以上の大量得点」。田中監督は「考える暇なく走って点を取れ」と指示するほど、攻撃への意識を徹底させている。
ハイテンポな試合展開の中、速攻を仕掛ける場面ではリスク管理も求められる。無理に速攻を狙わず、ボールを回しながらじっくりとセットオフェンス(遅攻)を組み立てる判断が必要となる。その役割を果たすのが司令塔の松野だ。「練習から意思統一できている」と自信をのぞかせる。
全国への切符をかけた九州選抜大会では、松野の活躍が光った。「1回戦から強豪校と当たり厳しい戦いになったが、チーム一丸となって協力し、勝つことができた。その勢いのまま2連勝し、全国選抜大会の出場を決めたときは本当にうれしかった」と振り返る。
全国選抜大会に向けての意気込みを聞くと、「一本一本のプレーを丁寧にやることが大事。自分たちで流れをつくり、試合を支配することができれば勝てると思う。どんな状況でも速攻でどんどん得点を決めていけたら最高」と力強く語った。
地元開催の全国舞台で、松野が輝きを放つはずだ。
「まずは初戦突破に全力を尽くす」と語った
(柚野真也)