能登半島地震から1年 一番必要なのは携帯トイレ
2024年1月1日に能登半島を襲った大地震から間もなく1年。12月24日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、「能登半島記(未完)被災地記者が記録した300日の肉声と景色」という本の著者で北陸中日新聞七尾支局長の前口憲幸が被災地で必要なものについて語った。
小島慶子「災害用の備えっていうと食料を最初に考えるかもしれませんが、実感したのはお手洗いなんだそうですね?」
前口「私も実際に被災する前までは大災害が起きたら、まず現地に水を送ろう、おにぎりを送ろう、少しでも食べられるようにパンを送ろうっていう活動をしていたんですが、そうではなくて、私がまず大変だったのはトイレなんです。国際NGOの方々ともたくさん意見交換させていただきましたけれど、日本はまず水だ、おにぎりだってなるが、それは違うんじゃないかと言っていました。水もおにぎりも2~3時間我慢できるんですけれど、トイレは2~3時間も我慢できません。私も目の当たりしたのは避難所に入った子どもたちやお年寄りが水を飲まなくなる。トイレに行くのが嫌で水を摂らなくなって体調を壊したり、トイレの問題からの色んな体調不良が凄く多く出てきたので、これが一番の問題だなと思いました」
小島「衛生状態が悪化して、そこから感染症も広がりますしね。避難所で暮らしている方もそうだし、取材をされてる方もそうだし、ご自宅に戻られてからの生活もそうなんですけどね、一貫してお手洗いの問題が非常に深刻だというのがわかりました。これは現地にずっといらっしゃったからこそわかったことなんですね」
大竹「年寄りはね、特に頻尿が心配。私なんかもね、こんなに頻尿になるとは思わなかったけど、これで被災した時にトイレがないときついだろうなとは思いましたね」