南足柄市森林組合 独自の貯木場を造成 販路拡大の足掛かりに
南足柄市森林組合(高橋宏通代表理事組合長/組合員846人)は南足柄市広町内に貯木場を造成して、5月11日に竣工式を行った。全国市場への販路拡大を目指す。
1961年年に設立された同組合。森林整備、敷地内伐採、組合員への教育・情報提供などを行っている。
同組合は神奈川県森林組合連合会(10組合)に加盟。伐採した木材は、これまで連合会所有の秦野市の林業センターに運んでいた。連合会への納品分は県からの補助金が支給されるが、原資となる県水源環境保全税が2026年度で終了する。同組合は「今後補助金が減額される可能性もあり、早めに対策を考える必要があった」と貯木場造成の理由を説明する。
南足柄の樹木は樹齢50年近いものが多く、伐採しなければならないものが多いといい、高橋組合長は「森林保全には適正な伐採が必要。独自の販路を見つけることで、これまでの2倍の取り引きを目指したい」と話す。
貯木場の面積は約5000平方メートル。4mの丸太が平置きでおよそ1万5000本置ける広さで、総工費は約8000万円。県連合会で独自の貯木場を持つ組合は、小田原・さがみはら津久井・山北に続き4例目だという。
竣工式には、加藤修平南足柄市長、衆議院議員の牧島かれん、佐々木ナオミの両氏らが出席。高橋組合長は「全国市場への販路拡大の核となる」とあいさつした。
価格の競争力武器に
具体的な販路は県外に活路を求める。すでに数件交渉を行い「良い感触を得ている」という。このほか、市に公共施設などでの南足柄産材の使用を要請。市内5小学校昇降口での使用などの実例もある。
南足柄産材のほとんどはスギとヒノキで、品質は県内他地区と変わらないが、市内の森林は低山にあり、林道等も整備されているため、輸送費などを低価格に抑えられ、組合は「価格面で競争力がある」と話している。