「リカレント教育」で地域を担う人づくりを、四日市でセミナー
学校を卒業したあとも、必要に応じて新しい技術や知識を学び直し、自らの働く力を高めていく「リカレント教育」に焦点を当てたセミナー「地域を担う人づくりを目指して!」が9月6日、三重県四日市市の「じばさん」で開かれた。企業や教育機関などから約80人が参加した。
三重県の14の高等教育機関で構成する高等教育コンソーシアムみえが核になり、産学官金の連携で形成した組織「リカレント教育プラットフォームみえ」と四日市市が共催し、四日市商工会議所が後援した。セミナーは昨年、県内各地で3回開催した。この日のセミナーは今年度の初回で、四日市市で開催されるのも初めてという。
大阪大学名誉教授で、鈴鹿工業高等専門学校校長の藤本愼司さんが「ものづくりは人づくりから~金属腐食の研究に寄せて~」の題で基調講演した。金属材料がなぜ錆びるのかの仕組み、建造物などの金属の腐食を管理するコスト調査の歴史などを紹介し、維持管理の経験豊かな人材が流出しているなど、産業界では必要なのに、研究活動が縮小するなどで懸念される状態にあることを説明した。三重県は全国平均に比べて製造業の売り上げが高いのに、県内の理工系の学生数が少ないことも説明した。
第2部では四日市看護医療大学学長の柴田英治さん、四日市大学総合政策学部教授で社会連携センター長の岡良浩さん、ユマニテク短期大学学長の鈴木建生さんが、それぞれが行っているリカレント教育のメニューや実際の内容について説明した。
四日市看護医療大学では四日市市委託の在宅看護研修事業、公開講座のほか、社会人や病院で仕事をしている人を対象にした専攻も開いており、四日市大学では、地域とのつながりを重視した学生のボランティア活動が盛んで、キャリアアップのためのプログラムも開設している。ユマニテク短期大学では保育士を育てるため、保育園など関係施設をつなぎ、高校生が保育のインターンシップに参加できる仕組みを設けていることなどが紹介された。