【世羅町・せら夢公園 自然観察園】可憐に咲く鳥のような白い花|地球派宣言
世羅町のせら夢公園にある自然観察園は、世羅台地で見られる多様な動植物が保全されています。
先週、その植物や生き物をみる里山セミナーが行われました。
案内するのは、世羅町在住のプロカメラマンの橋本さんです。
橋本さんは、これまで世羅町の風景や生き物を撮影。
去年、町の中で初めて子育てをした「コウノトリ」や絶滅が危惧される「ヒョウモンモドキ」などを撮り続けています。
今回の里山セミナーでは、見頃を迎えた貴重な花を探しました。
その花とは「サギソウ」。
サギが羽を広げた姿のような形からその名がついたと言われています。
「サギソウ」はラン科の植物で、湿地にのみ生息。
自生する湿地が失われ、その数が減っている希少な植物です。
橋本さんに撮影のポイントを聞いてみると、「どこから光があたっているかを確認する」とのこと。
同じサギソウでも、日陰では光が柔らかく、直射日光が当たっているところはコントラストが強くなるそうです。
おすすめの時間は、午前中の早い時間帯。
光が斜めに入るとよりきれいに写すことができます。
さらに、順光と逆光でも写真の雰囲気が大きく変わります。
サポーターズクラブの会長 中島(なかしま)さんが特別に見せてくれたのは、「距(きょ)」と呼ばれる部分。
この中には蜜が入っていて、スズメガやホウジャクなどのガが蜜を吸いにくるそうです。
さらに湿地の中では、珍しい植物や生き物を見ることができました。
そのひとつが「ヤチシャジン」。紫の花がちょうど見頃を迎えていました。
日当たりのよい湿地に咲く植物で、絶滅が危惧されている希少種です。
緑の中にいたのは「ハッチョウトンボ」。
大きさはわずか2センチほどで、国内でもっとも小さなトンボと言われています。
セミナーを案内した橋本さんによると、この地区には全国でも貴重な生物がたくさんいるのだそう。
「写真で貴重なものを切りとって、写真でめでてほしい」と橋本さんは話します。
貴重な植物を絶やさないためにも、自然の中で写真を撮りながら記録に残してみてはいかがでしょうか。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年8月21日放送)