JR久留里線の一部区間で鉄道廃止の方針 「バス等を中心とした新たな交通体系へのモードチェンジを図ることが必要」
千葉県のJR久留里線の末端区間について、JR東日本千葉支社が27日、鉄道を廃止し新たな交通体系への移行を示す方針を発表しました。
久留里線は木更津市の木更津駅と君津市の上総亀山駅を結ぶ32.2kmの路線です。議論の対象となったのは、このうち久留里~上総亀山駅間の9.6kmで、JR東日本が先月29日に公表した「ご利用の少ない線区」によると、2023年度の営業係数が同社管内で最も悪い区間となっています。
久留里~上総亀山駅間の平均通過人員は国鉄からJRに変わった1987年度は823人/日でしたが、2023年度には64人/日まで減少しており、大量輸送のメリットを発揮できない状況が続いています。2023年5月には「沿線地域交通検討会議」が設置され、JRと県や沿線自治体などで議論が続いていました。
2024年10月21日に開催された第5回検討会議では、
・上総地区で提供されている交通サービスは、当該地区の移動需要に適していないこと
・当該地区での移動需要を考慮すると、自動車中心の交通体系への移行により、より利便性の高い地域公共交通が実現すること
という検討結果が示されています。27日の発表はこれを受けたものです。
「検討の結果、当社はJR久留里線(久留里・上総亀山間)の鉄道は、バス等を中心とした新たな交通体系へのモードチェンジを図ることが必要と考えております」(JR東日本千葉支社)
「当社はこれまで地域の交通を担ってきた経緯を踏まえ、より利便性の高い新たな交通体系を実現したいと考えており、具体的な内容については、今後君津市と協議して参ります。また、デジタル技術等を活用し、二次交通を含めた経路案内や観光情報の提供などを通じ、さらなる利便性の向上を目指していきます」(同)
「当社はこれまでも『イベント列車の運行』や地域のみなさまと一緒に『駅からハイキング』の実施などに取り組んで参りました。今後も、君津市の意向も踏まえながら、上総地区の魅力の情報発信や地域活性化の取り組みを継続的に実施し、地域のみなさまと連携しながら、積極的な地域振興に努めて参ります」(同)