千葉聾学校 野球部の藤田正樹監督にインタビュー【千葉市緑区】
千葉聾学校(千葉市緑区)は、聴覚障害のある子どもたちが通う特別支援学校で、幼稚部から高等部までを併設。同校の野球部監督として尽力する藤田さんを取材しました。
心を通わせながら熱血指導
藤田さんは市原市出身。
東海大学付属市原望洋高校で野球部主将を務め、大学卒業後は母校での野球指導を志し高校教諭になった藤田さんにとって、千葉聾学校への配属は意外なものでした。
当初はコミュニケーションに苦労しましたが、「伝えたい気持ちがあれば伝わるはず」と信じて生徒たちと交流を続け、手話もゼロから勉強しました。
野球部へ入部してくる中学1年生は、野球経験が全くない子たちがほとんど。
大変な半面、指導によりぐんぐんと伸びる楽しさもあると藤田さんは語ります。
素直でまっすぐな子どもたちと向き合う中で、厳しく接していた指導も、同じ目線に立ち、自ら考えさせる指導へと少しずつ変化。
それでも、「優勝を目指すこと、監督が一番熱い応援団であれ」の気持ちは一貫していました。
野球を通して成長し大きく羽ばたいて
聾学校にとって夏の甲子園的存在の関東聾学校野球大会。
今年は連覇のかかった大会となりましたが、惜しくも準優勝。
メンバーの人数が足りず、他部の生徒に野球部への助っ人を依頼するなどの苦労もありましたが、全員一丸となり戦い抜きました。
「野球には、誰もが主役になれる瞬間が必ずある。失敗してもやり直すチャンスがある。仲間を助け、仲間に助けられる経験を通して成長してほしい」と藤田さんは熱く語ります。
現在部員は高校2年生6人と4年ぶりの新入部員となった中学1年生1人の計7人。
秋の大会には他学校の野球部と連合を組んで臨み、なんと千葉聾学校史上初の関東大会出場を決めました!
医学の進歩や早期支援の充実により、居住地校への入学する子どもたちが増加する一方で、聾学校の生徒数は年々減少。
部員数も少なくなる中、野球部の在り方を模索し続ける藤田さん。
それでもグラウンドでは新チームとなった部員たちが優勝を目指して懸命に練習に励み、卒業生たちもそんな彼らを見守ります。
部活動のない日は卒業生たちがグラウンドで社会人野球を楽しむ姿も。
藤田さんの野球への思いは、脈々と受け継がれていきます。
※問い合わせ
電話番号/043-291-1371
千葉県立千葉聾学校