国会議員の“パパ活”報道 名誉棄損の損害賠償請求棄却に静岡県民から「恥を知れ」
■吉川赳衆院議員が小学館を提訴 東京地裁は請求を棄却
吉川赳衆院議員が“パパ活”を報じた週刊誌「週刊ポスト」を発行する小学館に対して名誉棄損の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は吉川議員側の請求を棄却した。週刊誌の報道後に自民党を離党したものの議員辞職はせず、公の場で説明もしない姿勢に静岡県民からは「恥を知れ」、「自民党は甘すぎる」といった厳しい声が飛んでいる。
週刊誌に女性問題を報じられた静岡県選出の自民党国会議員は他にも…
週刊ポストは2022年、吉川議員が18歳の女性と飲酒した後、一緒にホテルで過ごして現金を支払ったと報じた。これに対し、吉川議員は自身のブログで、女性とは飲酒を伴う店で知り合い、飲酒できない年齢だったことは認識していなかったと主張。さらに、手渡した4万円は女性が店を休んで吉川議員と一緒に過ごすことを希望したため、出勤した場合の日給とタクシー代であり、“パパ活”ではないと否定した。
また、週刊ポストの取材方法にも問題提起し、取材した記者と女性が事前に打ち合わせて撮影や録音をした“やらせ取材”と指摘した。吉川議員は報道に疑義があると訴え、報道によって名誉を棄損されたとして小学館に7500万円の損害賠償、謝罪広告の掲載、インターネット上の記事削除を求めた。
東京地裁は原告である吉川議員側の請求をいずれも棄却した。訴訟費用は原告の負担とする判決を言い渡した。
吉川議員は週刊誌の報道を受け、自民党を離党した。吉川議員は衆院静岡5区から出馬し、小選挙区では細野豪志衆院議員に大差で敗れている。比例で復活当選したことから、自民党内からも議員辞職を促す声が上がっていたが、無所属で議員活動を続けている。
■静岡県民から厳しい声 「恥を知れ」、「自民党の対応も甘すぎる」
一連の騒動後、吉川議員はブログに長文を投稿しただけで、公の場で説明していない。現在、SNSは全て“閉鎖”状態。国会を欠席しているにもかかわらず、議員報酬を受け取っていることなどから、有権者からは厳しい声が上がっている。今回の判決を受け、静岡県民からは次のような意見が出ている。
「説明責任を果たさずに訴訟を起こして全面的に敗訴。恥を知れと言いたい」
「議員報酬で訴訟の費用を支払うのだろうか。週刊誌に報道された軽率さ、釈明の方法や内容、議員辞職しない選択と全てが国会議員にふさわしくない。怒りを通り越して呆れている」
「比例復活で当選した議員が離党して無所属で活動を続けられる仕組みはおかしい。自民党の対応も甘すぎる」
吉川議員は2021年の衆院選に自民党の公認候補として出馬し、比例復活で3回目の当選を果たした。得票数は6万1337票で、無所属で出馬した細野議員にダブルスコアで敗れている。細野議員はその後、自民党入りしている。
(SHIZUOKA Life編集部)