初心者卒業の第一歩!ゼロから始めるクロダイのかかり釣り【実釣編】
シンプルな仕掛でクロダイをねらう「かかり釣り」。ベテランのアングラーはもちろん、初心者の方でも大きな魚を釣ることができる釣り方です。かかり釣りをご存じない方でも、ゼロから分かりやすく紹介したいと思います。今回は「実釣編」です!
以前紹介した「準備編」と合わせて、ぜひ読んでみてくださいね。
かかり釣り「実釣編」の前に
若狭本郷の金丸渡船さん。とても親切に教えてくれますので、おすすめの渡船屋さんです!
釣りにおいて最も大切なことは、「釣り場選び」といっても過言ではありません。まずは筏でも堤防でも構いませんので、かかり釣りでクロダイが釣れている場所を探して予約しましょう。
釣り場に到着したら、船着き場まで荷物を運搬して受付を済ませましょう。そして、船に乗り筏に渡る際は筏に船を横付けしてもらえるので、落水に注意しながら筏に荷物を載せ、乗り移りましょう。
ちなみに、同船している方の荷物の運搬などを、可能な限り助け合って筏に乗るのがマナーです。
まずは釣り場での準備から
まず初めに、「釣り座」「タックル」「団子」の準備をしましょう。かかり釣りはほとんどの時間座って釣りをしますので、手の届く範囲内に荷物をセッティングします。私の場合左手で竿を持ちますので、写真のように釣り座をセッティングします。タモ網は道具を落とした際にすぐに拾えるよう、最初に用意しておくと安心です。
釣り座は整理整頓が鉄則
次に団子を作ります。団子は複数の集魚剤を均一になるように混ぜ合わせましょう。とくに気を付けてほしいのが水分量です。水は入れ過ぎると戻せませんので、少しずつ入れて調整してください。
スコップを使うと隅まで均一に混ざります
次に竿をセッティングします。かかり釣り竿のガイドはとても小さいので、糸を通す際は通し忘れや糸が絡まってないか念入りにチェックしましょう。
ラインが竿に巻き付いたり、ガイドを通っていないと、穂先を折るなどのトラブルにつながります
ハリは外掛け結びがよいでしょう。とくにラインに傷が付かないように気を付けて、傷やヨレが付いた際は迷わずやり直すようにしてください。いつ大物がきてもいいようにしましょうね。
個人的に、ハリはハヤブサの「鬼掛 底攻めチヌ」が扱いやすくおすすめです。
ハリの重さによってサシエをコントロールできるのが特徴
団子を作ってみよう
続いて団子の握り方を紹介します。まず片手に収まる程度に集魚剤をすくいます。中央部にサシエを入れ、両手でキレイな丸になるように握りましょう。団子を握る回数は、水深×1.5回程度が失敗しにくくおすすめです。まずは底まで団子の状態を保てるようにすることを目標にしてください。
柔らかすぎても崩れやすく、固すぎても割れないのでなかなか難しい
団子を作る際、サシエと一緒に(=サシエのそばに)マキエを入れる「アンコ」と、団子の材料そのものにマキエを混ぜて団子を作る「マゼ」という作り方があります。「アンコ」はチヌを団子の落下点に集め、ポイントを集中させたいときに有効で、「マゼ」は団子を魚に突かせ広範囲にエサを広げ、活性を高めたいときなどに有効です。
アンコは食用のお餅と同じく団子の中央部に入れる
かかり釣りでは団子で魚を集めて、海底に煙幕を作りチヌの好奇心を高めることがとても重要です。初心者の方は釣りを始める前に、団子を5つ程度海中に投入しておくことで、魚を早く集めることができますので実践してみてくださいね。
かかり釣りの基本動作1
団子を持たせ、気長に待つ「エサの扱い」
道具が準備できればいざ実釣です。いきなり団子釣りではなく、まずはサシエだけを落としてみましょう。「モーニング」と呼ばれるこの釣り方ですが、エサ取りの有無など釣り場の状況を把握できるだけでなく、本命のクロダイのヒット率も高いのでやってみてください。
その後、握った団子を海底まで落としましょう。ラインが止まり、団子の重みで穂先が大きく曲がっていれば団子が着底している状態です。このときに穂先にアタリが出ても団子を魚が突いている状態なので、ハリには掛かりません。団子が崩れて穂先がフワッと上がればサシエが団子から出た状態となり、初めて魚がサシエに触ることができます。コツは団子からサシエが出るまで1分程度、団子を持たせることです。
最初はエサ取りが団子を突き、チヌはなかなか団子のところまできません。団子が割れてエサ取りが落ち着いたころにチヌはエサを食べにきますので、アタリがあるまで気長に待ちましょう。アタリがなかなか出ない場合は、サシエを1m程度誘い上げるのも有効です。
サシエの重みを穂先で感じながら落としていく
穂先で団子やサシエの状況を把握しよう
仕掛の調整については、ガン玉オモリの重さややハリのサイズを調整して、サシエが底から浮かないようにするのがコツです。とにかく基本は、余分なラインを出さず「底とトントン」を心掛けてください。また、潮の流れで団子直下のポイントからサシエが離れすぎないようにも意識してみてください。
とはいえ、潮の流れの速い釣り場では、あえてオモリを付けずにサシエをマキエに同調させて、流す方が釣れる場合もありますので覚えておきましょう。
底の位置はラインにマーカーをしていると分かりやすい
一連の動きは以上になります。あとはサシエをローテーションさせながら、団子を打ち返してください。
かかり釣りの基本動作2
繊細なアタリを見極め、「魚とのやり取り」を楽しむ!
かかり釣りでは魚のアタリを穂先で読み取ります。大きいアタリが出れば、竿を大きく上げてアワセを入れましょう。最初のうちは穂先を抑え込むようなアタリをすべて掛けて、魚を釣る感覚を磨いていくのがよいでしょう。
穂先の動きはとても繊細。ときには竿を置いて穂先のアタリに集中する
慣れてきたら、エサ取りと本命(クロダイ)ではアタリ方に違いがありますので、アタリの種類で本命かどうかを見分けて掛けていきましょう。
クロダイのアタリは「コツコツ」といった前アタリのあとに、穂先を抑え込むような本アタリが出ます。エサ取りに代表されるボラのアタリは、穂先が一定のスピードで揺れるようなアタリが出ます。クロダイのアタリを見極めて釣るのが、この釣りの面白いところでもあります。
エサ取りの代表「ボラ」。ボラが出てくるとクロダイは遠くない
そして本命クロダイが掛かれば、ラインテンションをかけながら竿でポンピングしつつ、リールを巻きましょう。水面まで上がれば一旦、空気を吸わせてからタモ網ですくうと、キャッチしやすいですよ。
ネットインすれば一安心
「かかり釣り」は今回紹介したことのほかにも、多くのテクニックがあります。しかし今回紹介した基本さえ守れば、誰でもクロダイを釣ることができます。これからの季節は入門にピッタリですので、まずは初めの1尾を釣ることを目標に挑戦してみてくださいね!
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レポーター
プロフィール:梁瀬 貴生
ある日「釣りをしてみたい!」と突然思い立ち、インターネットで買った釣具セットを手に堤防へ。ところが、右も左も分からず見事に撃沈…。解説本を片手に糸を結んでいると、親切な方々が付きっきりで教えてくれるという人の温かさと釣りの楽しさに触れ、あっという間に釣りにどハマりしました。とくにクロダイのかかり釣りや船釣りが大好きで、四六時中釣りのことを考えています(笑)。2児の父として、将来は子どもたちと一緒に釣りを楽しむことが夢です。